【ビジネス寓話シリーズ】「地獄めぐり」お坊さんが使った驚きの交渉術

2019.09.22

 

今日は人気のシリーズ

「ビジネス寓話シリーズ」

をお送りいたします。

 

今日のお話は

「地獄めぐり」

です。

 

どんな教訓があるのでしょうか?

 

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昔、日光に弘法大師が開いたといわれる

「寂光寺」

という寺がありました。

 

この寺には人々から尊敬されている

「覚源上人」

というお坊さんがいました。

 

ある日、上人は横になり休んだまま、息を引きとってしまいました。

 

でも上人の体は

「まるで生きているように」

いつまでも温かいのです。

 

どうしたものかと人々が困ってるうちに

「17日」

が過ぎてしまいました。

 

すると・・・

 

なんと上人が目をさましました!

 

上人は集まっていた人々を見て

「わしは今、冥途の旅から戻ったところじゃ。皆さんにぜひこの話を聞かせたい。」

と、世にも不思議な旅の話を語り始めました。

 

「わしは、雲に乗り闇の中をどこまでも進んでいった。

すると炎に包まれた山門があった。

鬼が立っておる。これが地獄門だなと、わしは思った。

門をくぐるとそこは閻魔堂。

閻魔大王の前に、大勢の人々が引き据えられておった。

その人々を閻魔大王が裁くのじゃ。」

 

そうしてとうとう上人の番がきました。

すると閻魔大王が上人にこう言いました。

 

おまえをここへ呼んだのは罪人としてではない。

この頃地獄へ落ちる人間の数が増えている。

罪を犯せば、死後地獄へ落ちるということを忘れているからではないかと思ってな。

それで、人々に説教する役目のおまえに、

地獄の恐ろしさをよく見てもらって、人々に話してもらいたいのだ。

 

こうして上人は地獄めぐりをすることになりました。

・鬼に体を切り裂かれる人

・重い荷物を持って針の山をのぼる人

・血の池でもがき苦しむ人

・鉄の棒でうち砕かれる人

・熱く焼かれた鉄の縄で縛られる人

 

そんな地獄の様子を見て

「上人は地獄から帰ってきた」

といいます。

 

その後上人は、

「一人でも多くの人が、地獄の苦しみから救われるように」

人々にこの地獄の話を説き続けたそうです。

 

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このお話により

「私たちの地獄のイメージ」

というものが定着したような気がします。

 

地獄に落ちないように

「現世で善い行いを心がけよう」

という教訓です。

 

しかしこのコラムがそれで終わらせては

「ビジネス寓話」

ではありませんね。

 

上人が語ったことで

「地獄に落ちないように」

と多くの人が行動を変化させたことはこのお話の教訓です。

 

 

■地獄に落ちないようにするには天国の話をしてもよいはず

 

地獄の反対は

「天国」

です。

 

上人が多くの人を

「地獄に落とさない」

という目的であれば

 

「天国のすばらしさ」

を伝えても良いはずです。

 

天国はこんなに素晴らしい!

だから善い行いをしてみんな天国に行こう!

 

しかしこのお話は

「地獄の苦しみ」

を語り続けています。

 

このことは、実は上人は

「フレーミング」

を用いた高度な交渉術を使っているということになります。

 

 

■あなただったらどちらの手術を受けますか?

 

A この手術は90%の確率で成功する手術です。

B この手術は10%の人が確実に死にます。

 

ほとんどの人が

「Aの手術」

を選ぶことだと思います。

 

しかし2つの手術は

「まったく同じこと」

を言っています。

 

「情報の見せ方によって人の行動が変わること」

をフレーミングと言います。

 

 

そして人には強い

「損失回避性」

というバイアスが組み込まれています。

 

これは

「生物が生きる上で必要な本能」

です。

 

そのため人は

「リスクを伝えられる」

方が行動を起こしやすいとされています。

 

このことはノーベル賞を受賞した

「ダニエルカールマン」

が明らかにしています。

 

 

覚源上人は

「行動メカニズムを理解して説いていた」

ということになります。

 

それにより

「人々の行動を良い行いに変えていく」

という行動変革を実現しました。

 

その結果

「多くの人を地獄に落とさない」

という目的を果たしたということになります。

 

私の提唱している

「行動創造理論のルーツ」

と言えいるかもしれませんね。

 

 

今日はビジネス寓話シリーズ

「地獄めぐり」

をお送りいたしました。

著者

行動創造理論第一人者
レゾンデートル株式会社代表取締役
齋藤英人

自らが開発した「行動創造理論」を活用し企業研修、公開講座、ビジネス講演など年間100回以上登壇をしており、大手企業や成長企業を中心に営業力向上と売上拡大に力を注いでいる

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