【ビジネス寓話シリーズ】「しっぽの釣り」ダメ営業とキツネの共通点

2020.09.20

齋藤英人
レゾンデートル株式会社 代表取締役
『行動創造理論』第一人者
自らが開発した「行動創造理論」を活用し企業研修、公開講座、ビジネス講演など年間100回以上登壇をしており、大手企業や成長企業を中心に営業力向上と売上拡大に力を注いでいる

 

大人気の
「ビジネス寓話シリーズ」
をお送りいたします。

 

 

「しっぽの釣り」
という話です。

 

 

どんな教訓があるのでしょうか?

 

——————————-

 

山に何日も雪が降り続き、食べ物がなくて
「どうしようもなく腹の空かせたキツネ」
が里に降りてきました。

 

 

キツネは里で
「かわうそ」
に出会いました。

 

 

かわうそは
「水に潜り上手に魚を取って」
美味しそうに食べていました。

 

 

お腹が空いて動けないキツネはかわうそに
「おいしそうな魚を少し分けてほしい」
とお願いをしました。

 

 

カワウソはかわいそうだと思い
「魚の美味しいところの半分」
をわけてあげました。

 

 

キツネは元気を取り戻しました。

 

 

そして図々しく
「魚をとる方法を教えてほしい」
とお願いをします。

 

 

かわうそは
「キツネに魚を取られてはこまる」
ため教えたくありません。

 

 

そこでかわうそは
「夜中に湖に行くんだ」
と伝えます。

 

 

そして厚い氷の張ったところの穴に
「しっぽを垂らすと大きな魚がかかるよ」
と教えます。

 

 

その話をキツネはすっかり信じました。

 

 

キツネはものすごく寒い日の夜
「氷にはった湖にあいた穴」
を見つけました。

 

 

そして冷たいのを我慢して
「しっぽ」
を垂らしはじめましたた。

 

 

ひどい寒さに耐えてじっと待っていると
「しっぽの先にぐーんと」
重みを感じました。

 

 

「よし大きな魚が食いついた!」
とキツネは力いっぱい引っ張りました。

 

 

しかし、びくとも動きません。

 

 

それもそのはず、湖の氷が凍ってきて、厚い氷がしっぽを挟んだからです。

 

 

しかしそれを
「大きな魚だ!」
と勘違いしたキツネは力一杯引っ張りました。

 

 

するとしっぽはちぎれてしまいました。

 

 

その時初めて
「かわうそに騙された」
ことに気づきました。

 

——————————-

 

今日のお話で面白いのは
「いつもは騙す役のキツネ」
が騙されるということです。

 

 

昔ばなしでは珍しいですね。

 

 

冒頭、優しいかわうそは
「キツネに魚を分けてあげる」
ということをしました。

 

 

しかし
「自身の領域」
を冒されそうになったことに気づきました。

 

 

自分のえさ場を荒らされると感じたかわうそは
「相手を騙す」
という行動を選択しました。

 

 

ここでは騙すというよりは
「自身の命を守るため」
と言ったほうが良いでしょう。

 

 

「命を守るための行動」
は本能の行動の中でも一番強い行動です。

 

 

この無意識の反応は
「人間も一緒」
です。

 

 

人も自分の領域を冒されることを
「極端に嫌う」
という傾向があります。

 

 

キツネはいきなり
「かわうその大事な餌場」
を奪おうとしてしまいました。

 

 

「ただ、自分のお腹を満たすために・・・」

 

 

■このような営業がいたらどうでしょうか?

 

この愚かな行動を取る営業も存在します。

属にいう「ダメ営業」です。

 

 

ダメ営業は自分の目的のために
「相手の大切な部分に侵入する」
という提案を平気で行います。

 

 

「私は大丈夫!そんなことはしない!」
と思った方は多くいるでしょう。

 

 

では1つ質問です。

 

 

あなたは
「お客様の組織にはプラスでも、目の前の担当者にマイナスの提案になる」
という視点で考えたことがありますか?

 

 

どんなに素晴らしい提案でも決まらないことがあります。

 

 

決まらない理由の中で
「導入すると担当者の負担が増える」
「失敗の可能性があり担当者の評価を下げる」
という提案であることは少なくありません。

 

 

あなたの提案が正しければ正しいほど
「担当者の負担や否定」
につながるケースは多いかもしれません。

 

 

人は
「プラスよりもマイナス回避を選択する」
習性をもっています。

 

 

「損失回避性」
という本能のメカニズムです。

 

 

自分の領域を冒されそうな担当者は
「稟議をあげない」
という行動を選択してもおかしくありません。

 

 

自分の非を認める

自分の負担を増やす

 

好き好んでやる会社員は少ないでしょう。

 

 

さて、寓話に戻りましょう。

 

 

普段はきれものの狐も
「切羽詰まったときに不合理な行動を取る」
という教訓がこのお話には詰まっています。

 

 

言い換えると
「ダメな営業像」
がくっきりと反映されたお話ではないでしょうか?

 

 

そもそもキツネも
「冬に備えて準備」
をしておけば、こんなことはならなかったでしょう…。

 

 

営業も
「提案準備を日ごろからしておけば…」
とならないように気を付けて下さいね。

 

 

今日はビジネス寓話シリーズ
「しっぽの釣り」
をお送りいたしました。

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著者

行動創造理論第一人者
レゾンデートル株式会社代表取締役
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自らが開発した「行動創造理論」を活用し企業研修、公開講座、ビジネス講演など年間100回以上登壇をしており、大手企業や成長企業を中心に営業力向上と売上拡大に力を注いでいる

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