わがままな旅人の考え方は、無意識の選択であなたもやっている
今日は大人気の
「ビジネス寓話シリーズ」
をお送りいたします。
「旅人と運の女神」
どんな教訓があるのでしょうか?
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旅人が長い旅路を終え、綿のように疲れて、井戸辺に倒れこんで眠っていました。
今にも井戸にはまりそうになった時、運の女神が現れ、彼を起こして言います。
「これお前、もし井戸に落ちていたら、自分の不注意は棚に上げて、私を咎める(とがめる)ところであろう」
このように、多くの人間は自分のせいで不運な目に遭いながら、神々を非難する。
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このお話は
「イソップ寓話の一節」
となります。
自分のミスにも関わらず
「人のせい(運のせい)にする」
という人は少なくありません。
ビジネスの教訓を見ていきましょう。
■旅人の行動は営業とマネジメントにとって重要なこと
旅人と運の女神のお話の
「旅人の行動」
は人の習性かもしれません。
女神さまは人の習性ということがわかっていて
「旅人に助言をした」
ということでしょうか。
そういう意味では、旅人はラッキーだったのかもしれません。
何かを失敗したときに人の脳は
「行為者-観察者バイアス」
というものにとらわれます。
行為者-観察者バイアスは
「自分に対しては外的要因を当てはめ、人に対しては内的要因を当てはめる」
自己防衛本能の機能による意思決定の1つです。
例えば小銭入れを落としたとします。
他人が聞けば落とした人がドジだなと思います。
しかし本人は両手に荷物を持っていたから、仕方が無いと考えるということです。
ドジというのは人の内的要因です。
両手がふさがっていたというのは外的要因を当てはめています。
営業やマネジメントでは注意することが重要です。
なぜなら上手く行っていない理由を
「本人は外的要因を当てはめて報告をしている」
からです。
またマネージャーも逆に部下の失敗に対して
「本人の能力で見てしまう」
ということです。
持っている情報とフォーカスする情報が違うので
「コミュニケーションの祖語」
が発生することになります。
営業では提案がまとまらない。
マネジメントでは部下のモチベーションを下げる。
バイアスがあることを意識するだけで避けることが出来ます。
しかしほとんどのビジネスパーソンはバイアスの事実を知らずに、自分の意思決定を信じ込みます。
■失敗ばかりを見てしまうのも人の無意識の習性
そして人の脳は
「良い部分より悪い部分を見つける天才」
という特徴もあります。
悪い部分を見てしまうというのも
「自己防衛機能の1つ」
となります。
危険を察知するためのアンテナの方が強力ということです。
例えば子供の成績表を見たときに、どの部分に先に目が行きますか?
国語 5
算数 2
理科 4
社会 5
音楽 4
体育 3
恐らくほとんどの人が
「算数の2」
に着目をするはずです。
もちろんビジネスでも同様です。
部下の良い点よりも、悪い点ばかり目につくはずです。
ただし今の市場で必要なのは
「弱みの改善より、強みを伸ばし機会を得ること」
です。
しかし意識をしなければ、良い部分は見えなくなります。
今日の寓話の最後の一文にあるように
「神々を非難する」
と一緒です。
良い部分を見るには
「シートの項目に追加する」
だけでも実現できます。
ほんの少し先回りするだけで
「劇的に業績が変わる」
ということを、多くの人は知らないままです。
今日はビジネス寓話シリーズ
「運の女神と旅人」
をお送りいたしました。