本日の記事の見出し
あなたも”無意識”に販売戦略に乗ってしまう理由
今日は
「販売奨励策」
というテーマに触れてみたいと思います。
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③なぜお得ではない施策がうまく行ったのか?驚きのからくりが!
■大成功を収めた「ディーラーの販売施策」とは?
アメリカの自動車メーカーは長年にわたって
「夏に売り上げが落ちる」
という問題を抱えていたそうです。
理由は単純で
「秋にニューモデルが発売される」
ことをお客様が知っているので、旧式のモデルを買わなくなるということです。
このままだとディーラの展示場には
「在庫が積み上がり、ニューモデルをお披露目するスペースがない」
という状況になってしまいます。
在庫処分をしなければならない自動車メーカーは
「販売奨励策」
を打ち出さざるをえなくなります。
さて、あなたが店舗責任者だったらどんな策を打ち出しますか?
多くのディーラーで取られた施策の中での成功例の1つが
「キャッシュバック」
です。
金額は大体
「数万円のキャッシュバック」
です。
キャッシュバックとは
「単に割引きの言い方を変えただけ」
です。
しかし顧客の評判は
「非常に高い施策」
となっています。
単に割引しますというより
「キャッシュバック」
と言う方がなぜ効果的なのでしょうか?
理由は脳のメカニズムにありました。
■人の頭の中には2つの貯金箱があり、それを利用された
頭の中に
「貯金箱」
を2つ思い浮かべてください。
Aの貯金箱は車を買うお金が入っています。
Bの貯金箱はまだ空の状態です。
”割引”という言い方だと
「Aの貯金箱のお金」
しか変動しません。
”キャッシュバック”という言い方をすると
「②の貯金箱にお金が入ってくる」
とあなたの脳は捉えます。
つまりキャッシュバックは
「新しいお金が入ってきた!」
と脳に錯覚をさせるわけです。
たった1つ言い方を変えることで
「お客様にとっては別会計」
となったわけです。
別会計となった新しく入ってくるお金は
「心理的に重みが増す」
ことを生み出しました。
つまり同じ金額でも変動が多き感じて
「ものすごくお得だ!」
と感じたということです。
脳のメカニズムに沿った施策は大当たりで
「キャッシュバック」
は瞬く間にディーラー間に広がりました。
しかし本来は
「消費税分割引きする」
と言われた方がお得にもかかわらず…。
あなたも騙されてはいませんか??
■しかし飽きられます…次にディーラーが打ち出した施策は?
しかしキャッシュバック施策も長続きしませんでした。
なぜならどのメーカーもやったので
「特別感」
が無くなったからです。
特別感を感じなければ
「お客様はお得には感じない」
というのも行動メカニズムです。
なぜなら人の脳は
「特別扱いされるのが大好物」
だからです。
「ここだけの話」
「あなただけに」
「特別ですよ」
こんな言葉に簡単に騙されるのが人の脳です。
手詰まりになったディーラーは
「別のアイデア」
がひらめきました!
次の施策は
「自動車ローンの金利を下げる」
というキャンペーンです。
当時は、自動車ローンの金利が
「10%超の時代」
でした。
そこでディーラーはわずか
「2.9%」
という自動車ローンを提供しました。
かなりお得と見えるキャンペーンは
「空前絶後の効果」
を上げたようです。
しかしよく考えてみてください…。
どう考えても
「キャッシュバックのほうが価値が高い」
ということがわかります。
低金利を受けるよりも
「キャッシュバックのお金を頭金にするほうがお得」
ということです。
しかし
「低金利を選ぶ人が圧倒的に多い」
という不思議な現象が起きました。
「割引」>「キャッシュバック」>「低金利」
ディーラーが打ち出した施策は本来
「お客様にとってお得ではない」
施策です。
しかしお客様は喜んで、不合理な行動を選択しました。
きっとあなたも同じように行動をしてしまうのではないでしょうか?
さて、なぜでしょうか?
もしこの記事で解明されれば
「あなたのこれからのビジネスに大きく役立てる」
ことができそうです。
■なぜお得ではない施策がうまく行ったのか?驚きのからくりが!
なぜお得ではない販売促進策がうまく行ったのでしょうか?
最大の理由は
「先行情報を変えた」
ことによります。
行動科学では
「プライミング」
と呼ばれるものです。
今回の例でかみ砕いて言えば
「比較軸を変えた」
となります。
割引とキャッシュバックでは
「頭の中の会計」
を変えています。
1つの貯金箱ではなく
「別の貯金箱のお金を増やす」
ということでお得感を増すことに成功しました。
実際は
「割引の方がお得」
にも関わらず、お客様は喜んで購入しました。
しかしその後、
「どのディーラーも同じ施策」
をすることでお得感は薄まり効果がなくなりました。
理由は
「比較がキャッシュバックの金額自体に移ったから」
です。
数百万円の自動車価格に対して
「キャッシュバックの数万円ではどこも差がない」
と感じるようになり、お得感は消えてしまったということでしょう。
そこで次の施策は
「比較対象自体を変える」
という策を打ちます。
自動車ローンの金利キャンペーンでは
「相場の1/3以下」
という数字を打ち出しました。
購入直前のお客様には
「自動車価格が1/3以下になった」
と錯覚することが起きている可能性があります。
比較軸を自動車本体から金利に変え
「圧倒的なお得感」
を打ち出すことに成功しました。
実際は割引やキャッシュバックの方がお得にも関わらずです。
人の行動や判断は
「比較するもの」
によって変わるということです。
もう少し突っ込んだ言い方をすると
「人は必ず何かと比較をしている」
「比較をしないと選べない」
ということです。
さて、あなたの営業で考えてみましょう。
もしあなたが
「高い」
と断られたと時どうしますか?
営業の一番の断り文句です。
間違っても
「値下げします」
などと言っていないですよね??
あなたが取るべき行動は
「比較軸を変える」
ことです。
そしてお客様の行動を創り出すことです。
高いと言われた時大切なのは
「何と比べて高いと感じているのか?」
ということです。
お客様によってこれまでの
「購買体験」
は異なります。
営業に一番大事なのは
「お客様がお得に感じる伝え方」
ではありません。
お客様のこれまでの体験により
「何をお得に感じるのか?」
ということを商談のヒアリングで確認することです。
例えば今日の記事の話を
「アイスブレイク」
で使ってみても良いでしょう
何がお得に感じるかを、自然に聞き出せるかもしれません。
そもそもお得かどうかは
「お客様が良く考えていない」
といっても良いでしょう。
お客様の答えのほとんどが、深く考えずに答えを出す
「脳の自動システム」
による答えです。
「思い込みだけで答えている」
ことがほとんどである可能性があります。
実は
「高い」
と言われても根拠がないことがほとんどです。
営業がすべきことは
「何と比べて高いと思うのか?」
と質問することで、お客様に考えてもらうことです。
脳のもう1つの
「熟考システム」
に働きかけることが重要です。
あなたの行動を科学的に変えれば
「お客様の行動は、簡単に創り出すことができる」
ということです。
自動車ディーラーが売れない時期に
「飛ぶように売ったように」
です。
全くお得ではない施策を
「一番お得だ!」
と思わせることは簡単です。
あなたの営業でも使える技術です。
ただし重要なのは
「だまそうとする」
事ではありません。
1対1の営業ではかなりお客様も警戒をしています。
あなたが
「自分の売上のためだけに技術を使う」
とすれば、本能的に見抜かれるでしょう。
人の脳は優秀であり、単純です。
営業の役割は
「お客様に正しい選択を導く」
ことです。
そして、あなたの正しい行動は
「行動創造理論」
が導いてくれます。
その結果
「あなたは売上向上」
を確実に手にすることができます。
■行動創造理論は脳のメカニズムを先回りする
私の提唱する行動創造理論は
「科学を基軸とした営業理論」
です。
脳のメカニズムに基づいた行動を体系化したものです。
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脳科学
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心理学
-
行動経済学
上記のノーベル賞を取った研究や知見を「営業行動」に体系的に落とし込んだものです。
科学を基軸とした営業技術を身につけ、売上が飛躍的に伸びるプログラムです。
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営業研修
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マネージメント研修
-
能力開発トレーニング
「もっと売上に繋がる営業研修を実施したい」
「確実に営業力が上がる営業研修はないか」
と一度でも思ったことのある方は、ぜひ触れてもらいたいプログラムです。
営業で成果を出すには
「人の本能の行動に合わせる」
だけです。
成約率が50%向上した
新規案件数が10倍に増えた
たった1か月で売上が4.6倍になった
上記の成果を導いたプログラムにご興味をお持ちの方は、ご連絡をいただければと存じます。
売上に関する課題はすべて解決できるようになるでしょう。
今日は「販売奨励策」というテーマに触れてみました。