本日の記事の見出し
高い報酬を与えると成績は上がるのか?
今日は
「報酬と成績の関係」
というテーマに触れてみたいと思います。
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①頭を使う仕事と身体を使う仕事
②報酬と成績の関係を明らかにした実験
③ビジネスの現場でも「報酬は逆効果」
■頭を使う仕事と身体を使う仕事
1つ考えてみてください。
高い報酬を与えれば成績は伸びると思いますか??
普通に考えれば
「イエス」
と思うかもしれません。
しかしわざわざクイズ形式でだすなら
「ノー」
なのかもと思うかもしれません。
ではこんなケースを想定してみてください。
「24時間以内に跳ねる回数に応じて報酬がもらえる」
あなたがこんなチャレンジをしたとします。
報酬が高ければ、たくさん跳ぶでしょう。
元気があるのに跳ぶペースを落とすでしょうか?
途中で十分な休憩を取ったりするでしょうか?
こう考えると
「報酬は成績に直結する」
と考えてもよさそうです。
■報酬と成績の関係を明らかにした実験
「報酬と成績」
を明らかにした実験があります。
マサチューセッツ工科大学の学生相手に行った実験です。
実験では2つの課題を学生に与えました。
A そこそこ頭を使う計算問題
B 2つのキーボードを素早く連打する
この実験の狙いは
「Aの頭を使う課題と、Bの単純作業の課題」
で報酬と成績の関係がどう表れるかを調べるものです。
学生が金欠になる月末に
「20分の課題で66,000円という報酬」
を提示しました。
学生にとっては結構いい金額だと思います。
この実験は参加者全員が4つの条件で参加しました。
① Aの頭を使う課題×高額報酬
② Aの頭を使う課題×低額報酬
③ Bの単純作業×高額報酬
④ Bの単純作業×低額報酬
報酬が成績に直結するならば
「高額報酬である②と④」
の成績が良くなるはずです。
実際の結果はどうだったでしょうか?
恐らくあなたの予想通りの結果です。
頭を使う課題に対して高い報酬を支払うと
「成績に悪影響を及ぼす」
という結果になりました。
単純作業に高い報酬を提示すると
「成績が上がる」
頭を使う課題に高い報酬を提示すると
「成績に悪影響を及ぼす」
この事実が実験の結論となりました。
■ビジネスの現場でも「報酬は逆効果」
では実験ではなく
「ビジネスの現場」
で見てみましょう。
「報酬を与えれば人は動く」
と考えている経営者やマネージャーは多く存在しています。
ただ実際の脳のメカニズムを考えると
「頭を使う仕事」
には悪影響があるということです。
このことから紐解くと
「以前は高額報酬が効果的だった」
といえます。
まだまだモノや情報が少なかった時代は
「単純作業の積み重ね」
が市場の競争の結果を分けました。
作業量を増やせば
「比例して結果も上がる」
という時代です。
このような仕事が中心だった時代は
「高額報酬に高い効果」
が見込めていました。
しかし今の仕事はどうでしょうか?
より頭を使う高度な仕事を求められています。
単純作業は機械が担当をしています。
頭を使う単純作業ですら機械が受け持つようになりました。
それなのに
「高額報酬でモチベートしようとする」
というのは間違っているのかもしれません。
「高い給料やボーナスを払っているのに成績が悪い」
と嘆いている経営者やマネージャーはよく見かけます。
しかし脳のメカニズムから考えれば
「自らが導いている結果」
と言えます。
更に任せている仕事が重要であればあるほど
「報酬によってパフォーマンスが落ちる」
ということになります。
あなたの会社の部長の仕事が
「レンガを積む仕事」
であれば高額ボーナスでやる気を引き出すのも良いでしょう。
新規事業の開発
企業買収や合併
メンバーの管理や育成
これらの仕事を行っている人に
「高額のボーナスでやる気を引き出す」
という手法は間違っているのかもしれません。
若い世代も
「お金や報酬」
で動く世代ではありません。
つまり全世代で
「報酬によってやる気を引き出す」
手法は喜ばしい結果にならないということです。
市場背景だけでなく
「脳メカニズム」
を把握したマネジメントが求められます。
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今日は「報酬と成績の関係」というテーマに触れてみました。