【ビジネス寓話シリーズ】「八化け頭巾」あなたもキツネのように騙される

2020.02.23

齋藤英人
レゾンデートル株式会社 代表取締役
『行動創造理論』第一人者
自らが開発した「行動創造理論」を活用し企業研修、公開講座、ビジネス講演など年間100回以上登壇をしており、大手企業や成長企業を中心に営業力向上と売上拡大に力を注いでいる

 

大人気の
「ビジネス寓話シリーズ」
をお送りいたします。

 

今日のお話は
「八化け頭巾」
です。

 

どんな教訓があるのでしょうか?

 

————————————-

 

いたずら好きの和尚さんが藪の中で
「狐が化け方の練習」
をしているのを見ました。

 

和尚さんはキツネに話しかけます。

 

「自分も狐で化けるのにこの頭巾を使っている」
といって、狐の化け道具の手ぬぐいと、ただの頭巾を交換することに成功しました。

 

和尚さんは自分の寺に戻ると
「えらいお坊様」
が小僧さんと一緒にやってきていました。

 

そこで和尚さんは、えらいお坊様をからかってやろうと思いました。

 

お坊様に
「二つの部屋の好きな方をお使いください」
と案内をしました。

 

一つ目の部屋には美しいおなごがいました

二つ目の部屋には仏像がまつられていました。

 

お坊様は小僧の手前もあるので仏像の間に入り、お経を唱えていました。

しかし、やがて小僧さんが居眠りを始めると、隣のおなごの部屋に行き、お酒をごちそうになりました。

 

しかしそのおなごは
「和尚さんが狐の手ぬぐい」
を使って化けていたものです。

 

突然不動明王に変身して
「こらあ!坊主が酒のんだな!!」
と怒りだしたので、お坊様は驚いて逃げていってしまいました。

 

その頃、あの狐はと言えば、騙されたとも知らず
「和尚さんの頭巾で娘に変身したつもりになって」
そのままの姿で町を歩いていた。

人が狐を化かすというお話です。

 

————————————-

 

このお話をご覧になって
「違和感」
を感じる部分はございますか?

 

 

・和尚さんがいたずら好きであるということ

・えらいお坊さんが酒を飲んで怒られること

・人がキツネを化かすこと

 

私たちが良く触れてきた
「昔ばなし」
にはあまりないシーンです。

 

いたずら好きは大体
「小僧かたぬき」
です。

 

和尚さんやお坊さんははそんな小僧やたぬきを
「懲らしめる」
役回りです。

 

また騙す動物の筆頭格として
「キツネ」
がいるはずです。

 

このお話はその全てが異なるため
「違和感」
を覚えるし、何の話か分からないと感じたかもしれません。

 

 

これが人の持つ
「先入観」
です。

 

行動科学では
「ヒューリスティクス」
と呼ばれるものです。

 

このメカニズムによる
「意思決定は労力を使わない」
という非常に便利なものです。

 

意思決定の
「ショートカット」
と言えるものです。

 

しかしこれは
「過去の経験」
から導かれるものです。

 

自分の既知の情報から創られる
「居心地の良いストーリー」
になります。

 

 

この思考に頼って行動を続けるとどうなるでしょうか?

 

「前からこうしている」

「前回は上手くいった」

「これが私のやり方だ」

という意思決定を無意識のうちに取ることになります。

 

 

そして新しい情報にたいして
「違和感を覚え排除する」
という行動を自動的に選択することになるでしょう。

 

今日のお話に対して
「よくわからない、面白くない話」
と感じた人は、その傾向があるかもしれません。

 

 

自分が変化していないことに気づかず
「娘の姿をしていると思いこんだキツネ」
のようになってしまうかもしれません。

 

1日1回でも
「違和感のある情報に触れ、違う答えを出してみる」
という時間を作ってみるとよいトレーニングになるでしょう。

 

 

今日はビジネス寓話シリーズ
「八化け頭巾」
をお送りいたしました。

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著者

行動創造理論第一人者
レゾンデートル株式会社代表取締役
齋藤英人

自らが開発した「行動創造理論」を活用し企業研修、公開講座、ビジネス講演など年間100回以上登壇をしており、大手企業や成長企業を中心に営業力向上と売上拡大に力を注いでいる

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