【ビジネス寓話シリーズ】「猿地蔵」お爺さんが上手くいったのはiPDCA?

2020.03.15

齋藤英人
レゾンデートル株式会社 代表取締役
『行動創造理論』第一人者
自らが開発した「行動創造理論」を活用し企業研修、公開講座、ビジネス講演など年間100回以上登壇をしており、大手企業や成長企業を中心に営業力向上と売上拡大に力を注いでいる

 

大人気の
「ビジネス寓話シリーズ」
をお送りいたします。

 

今日のお話は
「猿地蔵」
です。

 

どんな教訓があるのでしょうか?

 

—————————————–

 

お爺さんとお婆さんは
「山に住む乱暴者の猿たち」
が田や畑を荒らして困っていました。

 

2人は
「お地蔵さまの格好」
をして畑に立てば、猿も悪さをやめるのではないかと考えました。

 

 

畑にやってきた猿は
「こんなところに立派なお地蔵さまがある」
と驚いて、お爺さんが化けたお地蔵さまを担いで運び出してしまいました。

 

川を渡るときは猿たちが
「猿のしりべは濡らすとも、地蔵のしりは濡らすなよ」
とかけ声をかけるので、お爺さんはおかしくて吹き出しそうになりました。

 

やがて山のお堂につきました。

 

猿たちはお爺さんのお地蔵さんを置くのに
「地べたに置くのはもったいねえ」
と言い、千両箱を二つ横に並べた上にお地蔵さんを置きました。

 

猿たちがお地蔵さんを拝んでまたどこかに行ってしまうと
「お爺さんは、これは思わぬお宝を貰った」
とよろこんで千両箱を二つ抱えて家に帰りました。

 

 

その話を聞いた
「隣のものぐさ爺さんと婆さん」
は真似をして爺さんをお地蔵さんに仕立てて畑に立たせました。

 

また猿がやってきて、爺さんを担ぎ運び始めました。

川にさしかかったとき、猿のかけ声があまりにおかしく、爺さんは我慢できずに、笑い出してしまった。

 

そこで猿たちは
「お地蔵が人間だ!」
と気がつき、怒って爺さんをひっかき、川へ放り投げてしまいました。

 

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このパターンは昔ばなしによくあります。

 

上手くいった爺さんの真似をして
「大失敗する爺さん」
のお話です。

 

鉄板のストーリーともいえるでしょう。

 

これだけだと教訓は
「楽しちゃいけない」
ということになります。

 

それ以外に着目すべき点はあるでしょうか?

 

 

■なぜ最初のお爺さんは上手くいったのか?

 

あるとすれば
「なぜ最初のお爺さんは上手くいったのか」
でしょうか?

 

上手く言った理由は
「仮説」と「行動」
にあります。

 

最初のお爺さんは
「猿でもお地蔵さんには敬意を示すだろう」
と仮説を立てました。

 

そしてその仮説に基づき
「笑うのを堪え、お地蔵さんで居続けた」
という行動を選択したことが成功につながりました。

 

もしかしたら
「最初から、猿もお地蔵さんに敬意を持つ」
ということを知っていたのかもしれません。

 

 

一方でもう一人のお爺さんは
「文字通り猿真似」
です。

 

お地蔵さんの格好をして立っていただけです。

何の根拠も持っていません。

 

そのため、変な歌で笑ってしまいすぐにばれてしまいました。

 

 

情報(i)

仮説(P)

実行(D)

評価(C)

改善(A)

 

情報を起点とした
「iPDCAサイクル」
のお話と言えるでしょう。

 

 

お客様の情報をもとに

仮説を立案し検証する

実行をした結果をモニタリングし

次の行動につなげる

 

このように、1つの営業のお話としても置き換えることができます。

 

 

しかしこの話では
「改善」
はで来ていないですね。

 

失敗したお爺さんが存在するということは
「猿が変わらず畑で暴れ続けている」
からです。

 

根本の問題解決はできていません。

 

このお話の続編を考えてみるのも楽しいかもしれませんね。

 

今日はビジネス寓話シリーズ
「猿地蔵」
をお届けいたしました。

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著者

行動創造理論第一人者
レゾンデートル株式会社代表取締役
齋藤英人

自らが開発した「行動創造理論」を活用し企業研修、公開講座、ビジネス講演など年間100回以上登壇をしており、大手企業や成長企業を中心に営業力向上と売上拡大に力を注いでいる

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