【第10回ショッピングの科学】買い物客は人間という動物(後編)

2019.06.22

齋藤英人
レゾンデートル株式会社 代表取締役
『行動創造理論』第一人者
自らが開発した「行動創造理論」を活用し企業研修、公開講座、ビジネス講演など年間100回以上登壇をしており、大手企業や成長企業を中心に営業力向上と売上拡大に力を注いでいる

 

今日はシリーズ

「ショッピングの科学」

をお送りいたします。

 

 

第10回は

「買い物客は人間(後編)」

というテーマにお届けいたします。

 

 

【第9回ショッピングの科学】買い物客は人間という動物(前編)

こちらの記事の続きとなります。

 

 

①前編記事のおさらい

②人の顔はエジプトの壁画ではない

③3メートル~6メートルで見えなければ・・・

 

 

前編の記事では

 

買い物をするのは「人間」である。

人間も「動物の1種」である。

そこには「生物学的反応」が存在する。

「人の行動のメカニズム」を先回りして売上をあげる。

 

 

という内容をお届けいたしました。

 

 

そして

「身体と手の動き」

についてみていきました。

 

 

後編の記事は

「顔と目」

です。

 

 

この2つの問題はとても重要です。

 

 

まず大前提として

「人の顔の向き」

はどうなっているでしょうか?

 

 

もちろんそれは

「前向き」

です。

 

 

ショッピングをする際にも

「顔は前を向いている」

ということが基本です。

 

 

しかし

「店舗の設計」

は適していません。

 

 

エジプトの壁画のように

「横歩きをする人間」

向けに設計されたような作りです。

 

 

人が買い物をしているとき

「前を見ていて、歩きながら頭を右か左に回す」

という努力をしてもらわなければなりません。

 

 

行きつけのスーパーなど

「なじみのある場所」

「通路が広い安全な場所」

であればお客様は左右を見て商品を手にします。

 

 

しかしそうではない場所(ほとんどが当てはまる)

 

では

「買い物中にお客様が触れる商品は減る」

ことになります。

 

 

目の端で見ているものは

「箱などの障害物」

「他の人の子供」

になります。

 

 

それでも商品に目を引かれると

「歩行を中断して身体の向き」

を変えてみるようになります。

 

 

しかしそれは

「その時だけ」

です。

 

 

商品ラックだけではなく

「店頭の看板・サイン」

も同様です。

 

 

ほとんどのお店では

「看板とサインを道に平行に設置」

しています。

 

 

何度も言います。

 

 

「人の顔は正面を向いている」

ということです。

 

 

空間が許す限り

「垂直に設置」

することが効果的です。

 

 

この作業は

「数分~数十分」

ですむでしょう。

 

 

「お店の中で売れる棚がどこか?」

と聞かれたら

 

 

「エンドキャップ」

と答えが返ってくるでしょう。

 

 

その理由は

「人の顔が正面を向いているから」

です。

 

 

「目立つから」

ではなく、人の身体の設計にあっているからです。

 

 

この性質を考慮した陳列が

「シェブロニング」

です。

 

 

棚やラックを

「一定の角度をつけて山型に並べる」

という手法です。

 

 

効果は大きいのですが

「スペースを20%程度余計に取ってしまう」

という欠点もあります。

 

 

「この損失を埋めるだけの売上」

を出せるのであればこの手法はおすすめです。

 

 

次に

「視線」

です。

 

 

ディスプレイの距離が

「3メートルから6メートル」

離れたところで見えなければ、お客様が近づくのは偶然です。

 

 

これを考慮した

「店舗設計」

「棚の設計」

が必要です。

 

 

この設計の際に

「ピンボール効果」

を考慮するとよいでしょう。

 

 

お客様は1つの商品を見つけると同時に

「あたりを見渡す」

ことをします。

 

 

この際に

「魅力的な情報」

が有れば気づくということです。

 

 

良いお店は

「商品を巧みに分散させる」

ことでお客様の視線を引き付けることに成功しています。

 

 

ここまで

「前左右」

について触れてきましたが

 

 

「高さ」

も重要な要素です。

 

 

人は

「傷つかない」

ことを本能的に行います。

 

 

つまり

「ケガをしない範囲でしか視線を動かさない」

ということです。

 

 

お店でケガをする可能性があるのは

「つまずいて転ぶ」

「頭をぶつける」

ということです。

 

 

ですから自然と視線の幅は

「目の上から膝下」

あたりに限定されます。

 

 

この幅から外れたものは

「目に入らない」

と言ってよいでしょう。

 

 

人が身体を守るために

「無意識に見ない」

ということです。

 

 

前編と後編であわせて

「身体、手、顔、視線」

のメカニズムにふれてきました。

 

 

「人の行動メカニズム」

「動物的な無意識の行動」

から外れてしまっては、良い商品もメッセージも届きません。

 

 

逆に

「先回りをして陳列・表示する」

ことができればお客さまにも喜ばれます。

 

 

この視点で

「お店を見てみる」

というのはいかがでしょうか?

 

 

売上は確実に変化することでしょう。

 

 

今日はショッピングの科学

「買い物客は人間という動物」

をお届けいたしました。

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著者

行動創造理論第一人者
レゾンデートル株式会社代表取締役
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