今でもベテランマネージャーが「叱る」を正義としてしまう科学的根拠

2021.06.19

齋藤英人
レゾンデートル株式会社 代表取締役
『行動創造理論』第一人者
自らが開発した「行動創造理論」を活用し企業研修、公開講座、ビジネス講演など年間100回以上登壇をしており、大手企業や成長企業を中心に営業力向上と売上拡大に力を注いでいる

 

マネージャーたちが「叱る」を選択してしまう理由が明らかに!

 

 

今日は
「人の成長」
というテーマに触れてみたいと思います。

 

 

<index>

<①「叱る」と「ほめる」ではどちらが伸びるのでしょうか?

<②あなたも共感してしまう!?空軍訓練教官の「反発」

<③それでもマネ―ジャーたちが「不幸の罠」に陥る理由

 

 

■「叱る」と「ほめる」ではどちらが伸びるのでしょうか?

 

 

人の成長を促すのには
「叱る」「ほめる」
と全く異なるアプローチがあります。

 

 

部下の指導

子供の教育

 

 

あなたはどちらのアプローチをよく使いますか?

 

 

叱るとほめるの議論には原則があります。

 

 

結論から言うと
「失敗を叱るより能力向上をほめる方が効果的」
というものです。

 

 

この原則は
「ハト、ネズミ、ヒト」
その他の動物実験で確認されている事項です。

 

 

つまり
「人は叱るよりほめる方が効果的」
という結論が出ています。

 

 

有名な心理効果にも
「ピグマリオン効果」と「ゴーレム効果」
というものがあります。

 

 

ピグマリオン効果とは
「期待していると、相手はそれに応えてくれる」
という心理効果です。

 

 

ゴーレム効果とは
「周囲の期待が低い場合、パフォーマンスが低下してしまう」
という心理効果です。

 

 

詳しくは以前の記事で触れているのでご覧下さい。

「ほめると伸びる」に隠された2つの大きな間違い

 

 

このように数多くの研究で
「ほめた方が相手の成長を促す」
という結果が出ています。

 

 

しかし、それに反発する意見も出てきます。

 

 

■あなたも共感してしまう!?空軍訓練教官の「反発」

 

 

私の師でもある行動経済学者の
「ダニエル・カーネマン」
がイスラエル空軍の訓練教官に講義をしたときのエピソードです。

 

 

感動的な授業で
「ほめる方が効果がある」
と講義を終えた時です。

 

 

授業が終わったとき
「1人のベテラン教官」
が手をあげました。

 

 

「上手くできたらほめるというのは、動物であれば効果があるかもしれない、しかし訓練生に当てはまると思えない」
という意見を述べました。

 

 

ベテラン教官は
「訓練生が曲芸飛行を上手くやった時はほめてやる。ところが次に同じ飛行をやらせると、前と同じほどはできない」
と言いました

 

 

続けて
「失敗したときにしかりつけると、次の飛行では上手くできるものだ」
と持論を展開しました。

 

 

このベテラン教官の意見に
「共感するマネージャー」
も数多くいるかもしれません。

 

 

しかし教官の意見は
「正しい、そして間違っている」
と言い切れます。

 

 

教官が観察したのは
「平均への回帰の現象」
と知られるものです。

 

 

「失敗」⇒「上手くいった」

 

 

実は
「訓練生の出来がランダムに変動しただけ」
と言えます。

 

 

さて
「訓練生がほめられるとき」
はどんな時でしょうか?

 

 

それは、もちろん上手くいったときです。

その時、たまたま上手く操縦できただけであれば、次は上手くいかなくなる可能性は高くなります。

 

 

逆に
「訓練生が叱られるとき」
はどんな時でしょうか?

 

 

それは
「平均を大きく下回った出来のとき」
です。

 

 

恐らく教官が何もしなくても
「次はマシになる」
可能性は高いのです。

 

 

つまりベテラン教官は
「ランダム現象の変動」
に対して因果関係を当てはめただけということです。

 

 

不出来な後は
「マシになる」
ということで、叱責とは実は関係がありません。

 

 

■それでもマネ―ジャーたちが「不幸の罠」に陥る理由

 

先に触れた
「ピグマリオン効果」「ゴーレム効果」
を見ても期待された方が人はポジティブに変化します。

 

 

同じ作業をしている時も
『笑顔』で行った場合と『しかめ面』で行った場合
ではパフォーマンスが異なることは数々の研究で分かっています。

 

 

笑顔でいる時の脳が
「連想記憶回路が活発になる」
という結果が出ています。

 

 

叱られた時に
「笑顔」
になる人はそう多くないでしょう(笑)

 

 

これは
「脳の自然な反応」
です。

 

 

つまり脳のメカニズムから見ても
「ほめたほうが成果が上がる」
ということです。

 

 

しかし叱ることを正義と考えるマネージャーは
「不幸にも偶然な罠」
に陥っています。

 

 

先ほど触れた
「平均回帰」
です。

 

 

叱るという行為に効果がないにも関わらず
「次は部下たちが上手くやってくれた」
という見返りを手にします。

 

 

マネージャーたちの記憶では
「叱るほうが良い」
となってしまうということです。

 

 

実はビジネスの現場では
「正しくないこと」
が継続的に行われています。

 

 

間違ったことは
「マネージメントでも、営業でも」
あらゆる場面でも起きています。

 

 

当たり前ですが企業の成長には
「正しい対応」
が必要であるはずです。

 

 

しかも再現性を伴った方法が不可欠です。

たまたまでは、全く変わりません。

 

 

それぞれの思い違い

昨日と同じやり方

役に立たない正論

 

 

組織の日常に、はびこっているものです。

では、再現性をもたらす方法はあるのでしょうか?

 

 

■行動創造理論は脳のメカニズムを先回りする

 

私の提唱する行動創造理論は
「科学を基軸とした営業理論」
です。


脳のメカニズムに基づいた行動を体系化したものです。

 

  • 脳科学

  • 心理学

  • 行動経済学

 

上記のノーベル賞を取った研究や知見を「営業行動」に体系的に落とし込んだものです。

科学を基軸とした営業技術を身につけ、売上が飛躍的に伸びるプログラムです。

 

  • 営業研修

  • マネージメント研修

  • 能力開発トレーニング

 

「もっと売上に繋がる営業研修を実施したい」
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と一度でも思ったことのある方は、ぜひ触れてもらいたいプログラムです。

 

 

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今日は「人の成長」というテーマに触れてみました。

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行動創造理論第一人者
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自らが開発した「行動創造理論」を活用し企業研修、公開講座、ビジネス講演など年間100回以上登壇をしており、大手企業や成長企業を中心に営業力向上と売上拡大に力を注いでいる

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