第2回ショッピングの科学「鎮痛剤の成約率が低い理由」

2019.04.27

齋藤英人
レゾンデートル株式会社 代表取締役
『行動創造理論』第一人者
自らが開発した「行動創造理論」を活用し企業研修、公開講座、ビジネス講演など年間100回以上登壇をしており、大手企業や成長企業を中心に営業力向上と売上拡大に力を注いでいる

 

今日は

「ショッピングの科学シリーズ」

をお送りいたします。

 

 

今日のテーマは

「陳列棚の置き場所」

です。

 

 

①ショッピングモールのドラッグストアで起きたこと

②異常に低い「鎮痛剤の成約率」の原因

③クイズ「どうしたら鎮痛剤が売れるでしょうか?」

 

 

ショッピングモールにある

「ドラッグストアチェーン」

の事例です。

 

 

モールに出店したお店の状況に

「経営陣はほどほどに満足」

をしていました。

 

 

特に

「鎮痛剤」

の成績が良かったのです。

 

 

ところが調査をすると

「ある数値」

が極端に低いことがわかりました。

 

 

それは

「成約率」

です。

 

 

つまり

 

鎮痛剤売り場で足を止め

箱を手に取り

説明を読む

 

 

このようなお客様が多いのですが

 

 

「実際に購入するお客様」

の数が異常に少ないという結果でした。

 

 

通常は

「鎮痛剤」

の成約率は高いのが一般的です。

 

 

なぜなら

「緊急の用途」

の意味合いが強く

 

 

「じっくり吟味してから購入する」

ものでは決していないからです。

 

 

「必要性が高い=購入率が高い」

という図式が成り立ちます。

 

 

しかし

「経営陣も満足しているこのお店」

では異常に低い数値にありました。

 

 

鎮痛剤の棚は

「主要通路」

に置かれています。

 

 

そして通路の反対には

「ソフトドリンクの冷蔵ケース」

があります。

 

 

ここは

「非常に大勢の人が集まる場所」

です。

 

 

そうだとすると

「鎮痛剤」

はよく売れそうだと考えられます。

 

 

しかし現実は正反対でした。

その原因は何だったのでしょうか?

 

 

原因は

「この場所」

にありました。

 

 

鎮痛剤の棚の反対の

「清涼飲料水の冷蔵ケース」

には

 

「モールの若い従業員」

が休憩の時に多く立ち寄ります。

 

 

わずかな休憩時間なので

「売り場に勢いよく入ってくる」

ことが多くみられます。

 

 

鎮痛剤を買う人は

「高齢者」

が多くいます。

 

 

鎮痛剤を買うためには

「冷蔵ケースに突進してくる若者」

に注意をしなければなりません。

 

 

「どの鎮痛剤にしようか?」

と考えているときに、常に若者への注意が必要になっていました。

 

 

ビデオを見ると

「買い物中におびえて棚にしがみつく男性」

もいたようです。

 

 

その結果

「買い物を途中でやめて切り上げる」

という人が数多くみられました。

 

 

これは

「理想的な買い物体験」

ではありません。

 

 

多くのお店では

「客層が単一ではない」

でしょう。

 

 

そのため

「店舗は同じ場所でいくつもの機能を果たす」

必要があります。

 

 

売り場作りで

「完璧な調和」

を奏でることはあります。

 

 

しかし時には

「ある機能と別の機能が衝突する」

ということが起きてしまいます。

 

 

このドラッグストアの

「清涼飲料水と鎮痛剤」

のケースがこれにあたります。

 

 

さてこのお店の

「鎮痛剤の成約率」

をあげるにはどうしたらよいでしょうか?

 

 

答えは

「鎮痛剤売り場をお店の奥に移動した」

です。

 

 

普通なら提案しない方法かもしれません。

 

 

当然、鎮痛剤売り場に立ち寄る人は

「減少」

をしました。

 

 

しかし高齢者がゆっくり選べるようになり

「売上が20%増加」

という結果を導き出しました。

 

 

「目的買いの商品は、売り場が奥でも成立する」

ということです。

 

 

通常の売り場づくりのセオリーは

「買ってもらいたいものを目立たせる」

ということになります。

 

 

ただ人の行動を

「ショッピングの科学」

で解析すれば最適な解が得られるようになります。

 

 

今日はショッピングの科学

「陳列棚の置き場所」

というテーマに触れてみました。

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著者

行動創造理論第一人者
レゾンデートル株式会社代表取締役
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