なぜマムシは恩を仇で返したのか?
今日は大人気の
「ビジネス寓話シリーズ」
をお送りいたします。
「旅人とマムシ」
どんな教訓があるのでしょうか?
———————————————-
冬の道を行く旅人が凍えて死にそうになったマムシを見つけました。
旅人は可哀そうに思って拾い上げ、マムシを懐に入れて温めてやろうとしました。
マムシは体が冷えきっている間はじっとしていました。
しかし温まってくると、旅人のお腹に噛みついきました。
旅人の男が息絶えんとして言った言葉は、
「こんな目に遭うのも当然だ。どうして死に掛けているのを救ったりしたのだろう、元気なときでさえ殺してしまわなければならない奴なのに」
———————————————-
イソップ寓話の一節です。
原文には
「悪いヤツは親切にしてもらっても仇で返す」
という教えが書いてあります。
「恩をあだで返す」
というお話は日本の昔話でも良くあります。
そして日本のお話では
「恩をあだで返した人が痛い目に合う」
というパターンでお話が締めくくられます。
しかしイソップ寓話のお話では
「恩を仇で返された方が苦しむ」
というお話です。
日本のお話と海外のお話は結末が異なるものが多いですね。
さて、このお話はビジネスでどんな教訓があるのでしょうか?
■恩を仇で返すのは悪い奴だからではない「マムシだから」
「恩を仇で返す」
というお話ですが、多くの人はそんなことはありません。
むしろ本能レベルで
「お返しをする」
という機能が人間には備わっています。
定番ともいわれる心理なのでご存じの方も多いでしょう。
「返報性の法則」
と呼ばれビジネスでも様々なシーンで使われています。
試着や試食が代表的な例ですね。
SNSのいいねやフォローなども返報性の法則を使う仕組みです。
返報性の法則は
「好意だけでなく敵意にも当てはまる」
ということを覚えておくと良いでしょう。
あなたが苦手だなと思うお客様は
「恐らく相手もあなたが苦手と思っている」
と見て間違いないでしょう。
しかし好き嫌いを超えて
「返報性の法則」
は発動するものと覚えておくと良いでしょう。
スタンフォード大学の
「心理学者デニス・リーガン」
の研究が有名です。
コーラをあげた後
「チケットを買ってほしい」
というオファーを出す実験です。
コーラをもらった人、もらわなかった人で
「チケットの買う枚数が変化する」
ということが明らかになりました。
実験では
「依頼者の好き嫌いでグループを分ける」
事も行っており、好き嫌いの感情を返報性が上回るという結果を導きました。
ビジネスで成功している人が
「ギブ&ギブ」
と与え続ける人が多いのは、本能的に効果を知っているからなのかもしれません。
■もしあなたが平均的な営業でも、今日の寓話でトップセールスになる
しかし今日の寓話では
「マムシはあだで返す」
というお話です。
私からしてみれば、当たり前の話です。
なぜならマムシの本能は
「獲物にかみついて毒で倒す」
というものです。
マムシは恩をあだで返したのではなく
「本能による行動」
を取っただけとも言い換えられます。
相手の行動特性もわからず
「良かれと思って温めた」
のであれば痛い目に合うのも至極まともな話です。
旅人は
「マムシ=悪いヤツ」
としましたが、マムシに悪気があったわけではないでしょう。
もしかしたらイソップはそのことを伝えるために
「マムシの言葉を物語に登場させなかった」
のかもしれません。
営業でも
「本能を知る」
事は非常に重要です。
トップセールスたちは
「無意識のうちに相手の本能を先回る」
ことをして売上をあげ続けています。
また営業のセオリーと言われることも
「全て科学で根拠を示すことが出来る」
というのはご存じでしょうか?
営業は結論から述べなさい
商談はアイスブレイクから入りなさい
身だしなみを整えなさい
良く言われることですが
「やるべき科学的根拠」
があります。
営業に必要なすべての行動は
「脳科学と行動科学によって説明が可能」
ということです。
科学を基軸とした営業技術を使えば
「あなたの売上は4倍程度」
にはなるでしょう。
ただ、全ての案件が受注できるとは言いません。
しかし競合他社に負けることは100%ありません。
決まらない時は残念ながら
「お客様が現状維持を選択した」
というときだけです。
もしあなたの営業が競合に負けているとしたら
「旅人のようにお腹にマムシを入れる」
ことをしているのかもしれません。
お客様の本能の行動を先まりすれば
「平均的な営業であれば間違いなくトップセールスになれる」
ということは証明されています。
あなたも触れてみてはいかがでしょうか?
今日は大人気のビジネス寓話シリーズ
「旅人とマムシ」
をお送りいたしました。