自らを犠牲にしてまでプーさんが伝えたかったこととは??
今日は
「ビジネス寓話シリーズ」
をお送りいたします。
「穴から出られなくなったプー」
どんな教訓があるのでしょうか?
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さてある晴れた日、くまのプーがいつものようにはちみつのことを考えていると,
「ウサギ」
という名前が頭に浮かびました。
ウサギは会うと必ず「お昼はどうかね」ってきいてくれるいいやつなのです。
さっそくプーは、ウサギの住む土手の穴をたずねました。
ウサギは顔を出しました。
「やあこんにちは、プーさん。どうだいお昼でも…」
「ありがとう。じゃあちょっぴりごちそうになるかな」
プーはいうが早いか穴に入りこむと、さっさとテーブルに ついてナプキンまでつけました。
プーは食べました。
食べて、食べて、食べて、 食べまくりました。
みつの入ったツボが次々とからに なっていきます最後の一滴までなめ終わると、
プーはねばついた声でいいました。
「さて、そろそろ帰るとするかな。さようならウサギ君」
立ち上がって穴の外へ出ようとしましたが、
「あれ?」
体がつかえて出られません。
そして何日かたったある朝。。。
ウサギはもう表の出入口は永久に使えないとあきらめ かけていました。
ところがためしにプーのおしりを押してみると、ほんの少しですが動いたのです。
すると、ポン!と気持ちのいい音がして、プーの体が穴から飛び出しました。
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みんなが大好きなくまのプーさんの一節(あらすじ)です。
食べ過ぎてしまったプーさんが
「穴から出られなくなる」
というお話です。
ビジネスの教訓も詰まっているので見てみましょう。
■自らを犠牲にしてまで「プーさんが伝えたかったこと」
くまのプーの
「食べ過ぎて外に出られない」
というのはもちろん褒められることではありません。
彼の行動は
「反面教師」
として成り立ちます。
物語の意図はここにあるような気もします。
かわいらしいキャラクターが失敗をすることで、メッセージを届けるという意図です。
そもそも人の脳は
「マイナスな面を見つけやすい」
という性質があります。
人のマイナス面もすぐに見つけますし、見ようとしています。
例えば子供が学期末に
「成績表」
を持って帰ってきたときなど顕著な例です。
国語 5
算数 4
英語 2
理科 4
社会 5
上記の成績で一番目につくのは
「英語 2」
という数字です。
全体を見れば優れた成績ですが、1つだけ悪い成績に目が行きます。
ビジネスでも同様です。
部下や同僚の悪い行動は、すぐに目につきます。
プーさんのように愛らしいキャラクターなら良いのですが、大抵はレッテルが張られることになります。
しかし失敗をしている人にも
「必ず良い部分」
はあるはずです。
その良い部分を
「見つけて褒めて承認欲求を満たす」
ことがマネジメントの技術です。
プーさんは
「失敗をしても良い部分がフォーカスされる」
キャラクターです。
同じように
「部下の良い部分を見るように」
という教訓があるのではないでしょうか。
■もう1つの教訓はコーチングの極意をプーさんが使っていた!?
もう1つの教訓は指導方法です。
もしプーさんが
「食べ過ぎは良く無いよ」
と直接物語で言っても誰の記憶にも残らなかったでしょう。
しかし自らが食べすぎて失敗した姿をみせたことで
「読み手の記憶に残る」
こととなります。
ここにもう1つの気づきがあります。
単に正論で正しく指導しても
「相手の記憶には残らない」
ことがほとんどです。
単純に情報だけを記憶するようには脳は構成されていません。
何かしらの情報と組み合わせることで
「相手の記憶に定着し、失敗を避ける行動を取る」
ことにつながります。
短絡的に
「上司が失敗した姿を見せた方が良い」
ということではありません。
情報を定着させ
「すぐに引き出せる記憶」
とするコーチングが重要ということです。
私は研修講師としても登壇をしています。
受講者の行動が変わると評判をいただいています。
その理由の1つは
「講義の内容が受講者の記憶として定着させる技術」
と使っているからです。
聞いて学んだだけでなく
「研修が成果として行動に変わる」
ことで高い評価をいただいています。
「単純に食べ過ぎて出られなくなった」
というお話にもたくさん教訓が詰まっています。
今日はビジネス寓話シリーズ
「穴から出られなくなったプー」
をお送りしました。