「提案内容には自信がある」「説明も丁寧にしている」
それでも、なぜか最終的に選ばれない──。
この違和感を抱えている営業や営業組織は、決して少なくありません。
しかし今、市場で起きている変化を冷静に捉えると、その理由は明確です。
お客様は、商品や価格以上に、営業と関わる中で得られた体験そのものを重視するようになっています。
ここで言う体験とは、感じの良さや対応の丁寧さではありません。
お客様の中で起きた「思考」「判断」「感情」の変化──
それが「営業体験」です。
本記事では、なぜ今営業に営業体験が求められているのか、そして成果を出す営業がどのように営業体験を生み出しているのかを、思考と行動の両面から掘り下げていきます。
本日の記事の見出し
営業を取り巻く購買環境の変化が「営業体験」浮上の背景

情報過多の時代に、営業の役割はどう変わったのか
かつて営業は、情報を持つ存在でした。
商品知識、価格、導入事例──
それらをいち早く届けること自体に価値があった時代です。
しかし現在、お客様は営業に会う前から、ほとんどの情報を手にしています。
比較検討は進み、選択肢も整理された状態で商談に臨んでいます。
この環境下で、営業が情報提供に終始するとどうなるか。
「分かっていることを、丁寧に説明されただけ」という印象しか残りません。
「丁寧に説明する営業」が評価されなくなった理由
説明は必要条件ではあっても、十分条件ではありません。
お客様が本当に求めているのは、説明の先にあるものです。
・何を重視して判断すべきか
・見落としている論点はないか
こうした思考の整理と判断の補助を担えない営業は、印象にすら残らなくなります。
営業体験とは「お客様の意思決定をどう前に進め行動を創り出したか」
営業体験がもたらす結果とは「営業と関わったことで、お客様の意思決定と行動がどう変わったか」
この一点に集約されます。
不安が減ったのか、視野が広がったのか、判断軸が定まったのか。
この変化と行動を生み出せたかどうかが、営業体験の質を決定します。
成果を出す営業が無意識に行っている「営業体験の創出」

営業体験は偶然の産物ではなく、思考とスキルの結果である
成果を出す営業は、特別な話術を使っているわけではありません。
共通しているのは、考える量と深さです。
・判断を止めている理由はなにか
・何が解消されれば前に進めるのか
こうした問いを常に持ち続けています。
売れる営業は「売る」ことよりも「判断を支える」ことに集中している
成果を出す営業ほど、売り込みをしません。
その代わりに、お客様の判断が合理的なのか、感情の変化はどうなのかに集中をします。
結果として、
「この営業と話すと、考えが整理される」
「この人と話して決めたなら後悔しない」
という評価につながります。
営業体験は営業個人のスキルである
営業体験は、仕組みやプロセスだけで創り出せるものではありません。
最終的には「営業個人の視点・問い・判断」に依存します。
だからこそ、営業体験は属人的なのではなく、営業組織が鍛えるべき個人スキルなのです。
営業体験を構成する7つの要素と、CV前のセルフチェック
営業体験は分解でき、言語化できる
営業体験は感覚的なものと思われがちですが、実際には分解可能です。
成果を出す営業が提供している価値を整理すると、以下の7つに集約されます。
ここで一度、ご自身の営業を振り返ってみてください。
営業体験セルフ診断
あなたの営業は「お客様の意思決定を前に進められているか」
以下の質問に対して「実際の行動としてできているか」を基準に
YES / NOで答えてください。理想ではなく、現実で判断することが重要です。
【診断①】市場に関する独自の視点を提供できているか
【診断②】様々な選択肢を検討する助けになっているか
【診断③】継続的なアドバイスを提供できているか
【診断④】地雷を避けるのに役立っているか
【診断⑤】新しい問題や結果を教えられているか
【診断⑥】購入しやすいサプライヤーになれているか
【診断⑦】お客様社内で広く支持されているか
なぜ、この診断で差がつくのか
この診断で見えてくるのは、「話し方がうまいか」「知識があるか」といったよくある営業スキルの差ではありません。
同じ商品を扱い、同じ市場で営業していても、
成果が安定する人と、そうでない人が生まれる理由。
その差は、営業をどう定義しているか
お客様の意思決定をどう捉えているか
という「思考の前提」にあります。
営業体験とは「好印象」や「満足度」の話ではない
ここで言う営業体験とは、接し方が丁寧か、対応が早いか、といった話ではありません。
営業体験とは、お客様が「何を基準に」「どの順番で」「どう判断すればよいか」を明確にできたかどうか
その意思決定のプロセスに関わることです。
YESが多かった方は、無意識のうちにこのプロセスに介入できています。
一方、YESが少なかった方は、能力が足りないのではなく、営業の役割を「説明」や「提案」に限定してしまっている可能性があります。
営業体験は、
お客様の目の前にどんな情報を提供すべきかを整理する
再現できる形に落とし込みスキルとして確立する/b>
ことで、意図的につくることができます。
もしこの診断で
YESが思ったより少なかった、項目によって大きなばらつきがあった
そう感じたのであれば、それは営業としての限界ではありません。
営業体験を生み出す思考が、まだ整理されていないだけです。
営業体験を生み出せる営業だけが選ばれる時代へ

営業の価値は、これからさらに二極化する
説明するだけの営業は、確実に不要になります。
一方で、意思決定を前に進められる営業の価値は高まり続けます。
その分かれ目が、営業体験を生み出せるかどうかです。
例えAIが台頭してきたとしても、その交渉技術は生成できない領域だからです。
営業を「売り手」ではなく「行動創出専門職」として捉え直す
営業とは、本来かなり高度な知的労働です。
お客様の状況を理解し、思考を整理し、判断を支える。
これは誰にでもできる仕事ではありません。
営業体験を「再現できる力」に変える
もしあなたが、
* 表面的なスキル研修に限界を感じている
* 営業という仕事の価値を、本気で高めたい
そう感じているのであれば、必要なのは単なる商談テクニックではなく、営業体験を生み出すスキルの精錬です。
私たちは、営業を「売る人」から「お客様の意思決定を支え行動を創り出すプロフェッショナル」へ変える支援を行っています。
営業体験を、偶然ではなく必然にする。
そのための取り組みにご関心があれば、下記より一度ご相談ください。

