「当たり確率が75%と25%のくじの箱」売れる営業と売れない営業の選択の違い

2022.04.11

齋藤英人
レゾンデートル株式会社 代表取締役
『行動創造理論』第一人者
自らが開発した「行動創造理論」を活用し企業研修、公開講座、ビジネス講演など年間100回以上登壇をしており、大手企業や成長企業を中心に営業力向上と売上拡大に力を注いでいる

あなたは何を頼りに意思決定をしていますか?

 

 

今日は
「行動の選択で頼りにするもの」
というテーマに触れてみたいと思います。

 

 

<index>

①AとBのくじの箱「あなたはどちらから引きますか?」

②実はネズミにも劣っていた!?人間の無意識の選択

③大人の選択と売れない営業たちの驚きの共通点

 

 

■AとBのくじの箱「あなたはどちらから引きますか?」

 

 

あなたはくじを引くことになりました。

 

 

AとBの箱の中に
「100円の当たり」
が入っています。

 

 

AとBの当たり確率はそれぞれ異なります。

もちろんあなたは当たり確率は知りません。

(実際はAが75%、Bが25%の確率で当たりが入っている)

 

 

このくじを200回連続で引いてもらいます。

 

 

さて、あなたはどのように
「AとBを選ぶ」
こととなるでしょうか?

 

 

ウィリアム・アンド・メアリー大学の
「パクリサヌ博士」
が実際に実験を行いました。

 

 

パクリサヌ博士の実験結果は非常に興味深いものとなりました。

 

 

■実はネズミにも劣っていた!?人間の無意識の選択

 

参加者はゲーム開始直後には
「両方のくじを選びながら試行錯誤」
を繰り返していきます。

 

 

するとある程度引いていくと
「AとBで当たり確率が違う!」
ということに気づいていきます。

 

 

100回ほど引くと戦略が決定します。

 

 

後半100回は
「Aが75%」「Bが25%」
の割合でくじを引いていくという行動を取ります。

 

 

思い出してみてください。

 

 

なんと
「くじの当たり確率と引く割合が一致する」
という結果になりました。

 

 

実験参加者は
「なんとなく」
で直感で割り振っています。

 

 

それでも一致させるというのは
「脳の持つ直感力」
が優れていることを示しているといって良いでしょう。

 

 

では、他の動物はどうでしょうか?

例えばネズミだと、ひたすらAを選び続けるそうです。

 

 

小さい脳だから
「単純な選択を続ける」
ということでしょうか?

 

 

しかし見下すわけにはいきません。

実際に人間とネズミでどれだけ多く稼ぐか見てみましょう。

 

 

人間

A 75%引く(×75%の当たり)

B 25%引く(×25%の当たり)

合計獲得金額 6,250円

 

 

ネズミ

A 100%引く(×75%の当たり)

B 0%引く(×25%の当たり)

合計獲得金額 7,500円

 

 

単純な選択が決して間違っているというわけではありません。

 

 

ただし人も幼児は90%程度Aを選ぶようです。

 

 

じゃんけんをしたとき小さい子供は
「一度勝ったチョキをひたすら出す」
という記憶はないでしょうか?

 

 

では、なぜ大人の人間は
「確率通りに割り振る選択」
をするのでしょうか?

 

 

■大人の選択と売れない営業たちの驚きの共通点

 

 

人が確率通りに割り振ってしまう理由は
「大人の感情がある」
からです。

 

 

ネズミ Aの箱から100%

幼児  Aの箱から100%

大人  確率通り

 

 

上記の比較から異なるのは大人だけです。

 

 

そこには
「大人の感情」
があるからです。

 

 

大人の感情とは
「恐れ」
のほかありません。

 

 

「もしかしたらこちらにも当たりがあるかもしれない」
という大人の感情でBの箱からも25%選択をしてしまうのです。

 

 

そして当たりがあるかもしれないというのは
「こっちが当たるかな?」
というポジティブな感情ではありません。

 

 

大人特有の
「外したくない」
という恐れからBの箱を選択しています。

 

 

人の最大の行動動機は
「損失回避」
です。

 

 

ネズミや幼児のように
「純粋に当たりだけを目指す」
という意思決定は出来ない生き物ということです。

 

 

良く見る売れない営業も一緒です。

 

 

「もしかしたら断られるかもしれない」
という恐れからまっすぐにクロージングが出来ない。

 

 

そのために
「機を逸し失注をする」
という過ちを続けます。

 

 

しかも
「失注した記憶」
が蓄積されるため、さらにクロージングから遠ざかります。

 

 

プレゼンテーションでも売れない営業たちは
「間違った提案方法を繰り返す」
ということをしています。

 

 

さて、振り返りクイズです。

 

 

大人の最大の行動の動機は何ですか?

 

 

売れない営業はこの点を抑えていません。

自分たちの製品やサービスの良い点をだけアピールし続けます。

 

 

人間の行動科学から考えたら
「確実に行動が失われる提案手法」
となるでしょう。

 

 

少しだけ
「お客様の行動メカニズムを先回りする」
ことが出来れば営業は上手く行きます。

 

 

お客様の行動を創り出すには
「目の前の情報を少し変える」
だけで十分です。

 

 

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今日は「行動の選択で頼りにするもの」というテーマに触れてみました。

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行動創造理論第一人者
レゾンデートル株式会社代表取締役
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自らが開発した「行動創造理論」を活用し企業研修、公開講座、ビジネス講演など年間100回以上登壇をしており、大手企業や成長企業を中心に営業力向上と売上拡大に力を注いでいる

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