人の記憶は1時間後には半分消えてしまう
大人気の
「ビジネス寓話シリーズ」
をお送りいたします。
「どっこい団子」です。
どんな教訓があるのでしょうか?
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昔ある村に
「たつ平という若者」
が一人で暮らしていました。
頭がぼんやりしているたつ平は
「いくつになっても百姓仕事」
もろくにできない男でした。
心配した村人たちは
「働き者で頭のいい良い嫁」
を世話してあげました。
春のお彼岸になり
「たつ平は一人で嫁の里の仏さま」
にお参りにでかけました。
どうにか道にも迷わずたどり着き
「団子」
をご馳走になりました。
「初めて食べる団子」
の美味しさにたつ平は驚きました。
さっそく家に帰って嫁に作ってもらおうと
「だんご、だんご」
と言いながら家路を急ぎました。
もうすぐ家へ帰りつく所で、庄屋さんと出会い頭でぶつかってしまいました。
そして、庄屋さんが溝にお尻を突っ込んでしまいました。
たつ平は庄屋さんを起そうと
「どっこいしょ!」
と掛け声をかけたはずみで、団子の事はすっかり忘れてしまいました。
家に帰り着いたたつ平は、嫁の顔を見るなり
「どっこいしょ、を作ってけろ!」
と言いますが、もちろん嫁には何の事だかさっぱりわかりません。
ついには、やけをおこして大暴れした際に
「棚から桶が落ちてきて」
嫁の頭にぶつかりました。
嫁が
「あいたたた、大きな団子みたいなコブができてしまった」
と言うとたつ平は気づきました。
「そうだ!団子だ、団子を作ってくれ」
と大声で叫びました。
それからの二人は
「団子の原材料のお米」
を作るために田んぼを耕すようになりました。
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たつ平の
「ダメっぷり」
が目立つお話ではあります。
しかしこの話しの教訓は
「人の記憶」「人の思考」
はこの程度ということではないでしょうか?
「エビングハウスの忘却曲線」
というのはご存知でしょうか?
「人は1時間で覚えたことの56%を忘れる」
という結果が出ています。
あなたの提案も
「1時間後には半分以上忘れられている」
ということです。
あなたの部下に対する指示も
「聞いているそばから忘れられている」
ということです。
ただこれは
「無機質の情報」
に対してのものです。
ある情報を加えることで
「記憶のメカニズム」
は簡単に変えることができます。
■話を相手に記憶に定着させるには「感情」
・感情を伴ったもの
この情報に対して、人は記憶しやすくなります。
ビジネスで活用するとすればどうすればよいでしょうか?
まずは
「相手に伝えるときには感情を伴ったものにする」
ことが必要です。
もう少し掘り下げると
「五感に触れる情報」
にするということです。
特に3つに触れると良いでしょう。
視覚
聴覚
触覚
この3つは人によってタイプが異なることが分かっています。
視覚情報を重視するタイプ
聴覚情報を重視するタイプ
触覚情報を重視するタイプ
例えば
「子供のころのジェットコースターの記憶」
について思い出してみてください。
人が小さく見える高さ
レールを走る金属音
顔に当たる風の衝撃
これらが組み合わさって
「恐怖」
として記憶に残っているのではないでしょうか?
■脳に記憶をさせ行動を変革するには「繰り返し」
・繰り返された情報
この
「反復」
という方法も記憶の定着には効果的です。
例えば自身の行動を変革するには
「常に見えるところに貼っておく」
ことが有効です。
「目標を貼りだし常に見える環境にする」
というのは記憶のメカニズムからみても有効な方法です。
意識的に
「毎朝、目標を口に出してみる」
というのも脳の刺激となり効果があるでしょう。
たつ平も
「感動するほどおいしかった」
と感情を伴った記憶をしました。
そして
「忘れないように繰り返し口にしていた」
ことも大切な行動です。
つまりたつ平も
「科学的には正しい行動」
をしていたということです。
ただちょっと残念でしたね。
それでも忘れそうになりました。
やはり
「たつ平のだめっぷり」
のお話だったということでしょうか(笑)
それでも
「正しい記憶の方法」
を選択していたので、最後は思い出せたという話でしょうか?
今日はビジネス寓話シリーズ「どっこい団子」をお送りいたしました。