【ビジネス寓話シリーズ】「デッカンブー」和尚の行動は営業の基本的な役割だった

2022.10.23

齋藤英人
レゾンデートル株式会社 代表取締役
『行動創造理論』第一人者
自らが開発した「行動創造理論」を活用し企業研修、公開講座、ビジネス講演など年間100回以上登壇をしており、大手企業や成長企業を中心に営業力向上と売上拡大に力を注いでいる

走れメロスのようなお話は営業の基本的な役割を示していた!?

 

 

今日は大人気の
「ビジネス寓話シリーズ」
をお送りいたします。

 

 

「デッカンブー」

 

 

どんな教訓があるのでしょうか?

 

 

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昔、大きくて真っ黒な五位鳥(ごいどり)が住んでいて、麓にある村の人々を襲って食べていました。

 

 

そんなある日
「西明寺(さいみょうじ)の和尚」
が祈祷をします。

 

 

すると家よりも大きな太鼓と鐘と法螺貝を同時に
「デッカンブー」
と鳴らせば、五位鳥を追い払える事がわかりました。

 

 

太鼓と鐘はなんとか作れたが、そんな大きな法螺貝はどこを探しても見つかりません。

そこで和尚は法螺貝を探しに出かけた。

 

 

五位鳥が
「どうしてそこまでする。別に逃げても構わないぞ」
と話しかけてきました。

 

 

五位鳥は
「法螺貝の場所は教えてやるが、明日の日没までに帰って来れれば和尚を喰う。帰って来られなければ村人を喰う」
と言い、場所を教えます。

 

 

和尚は一日中歩き続けて、やっとその海に着きました。

和尚はお教を唱えて海に飛び込み、海の底の法螺貝に手を伸ばします。

 

 

すると、不思議な事に法螺貝が光り出しとても美しい女が現れました。

 

 

美女は
「ここでずっと過ごして下さい」
と和尚を引きとめたが、和尚は美女の誘惑を振り切り、どうにか日没前に村へ帰り着きました。

 

 

その頃、五位鳥は、和尚が帰って来ないので村人を喰おうとしていました。

そこへギリギリ間に合って、大きな法螺貝を持った和尚が帰って来たのです。

 

 

和尚はさあ早くわしを喰え、だがわしがお前の喰う最後の人間だと言うと、村人たちは
「次はわしたちが、和尚を助ける番じゃ」
と結束し、デッ(太鼓)カン(鐘)ブー(法螺貝)と鳴らし始めた。

 

 

五位鳥は、とうとう姿を消し、村には平安が戻りました。

和尚は疲労で腰も立たない程でしたが、村人の必死の看病もあり無事に回復しました。

その日から、五位鳥を見た者はいませんでした。

 

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名作文学の
「走れメロス」
のようなお話です。

 

 

感動的な良いお話ですね。

ではビジネスの教訓はどこにあるのか見ていきましょう。

 

 

■営業の基本的な役割を思い出させてくれる教訓

 

 

「デッカンブー」のお話は営業の役割を見ることが出来ます。

 

 

和尚の姿は
「自己犠牲と他者貢献」
です。

 

 

営業が自己犠牲をする必要はありませんが
「お客様への貢献」
は必ず存在する必要があるでしょう。

 

 

まず着目すべき点は
「目的と方法」
を見つけ出すということです。

 

 

デッカンブーのお話の目的は
「五位鳥を追い払う」
ことです。

 

 

そして方法は
「太鼓、金、法螺貝を同時にならす」
ということです。

 

 

営業の初歩の話ですが
「目的と方法を混同してはいけない」
とあります。

 

 

しかし営業が商談をしているうちに
「目的と方法がすり替わる」
ことが起こりえます。

 

 

もしかしたら、あなたも経験があるかもしれません。

 

 

理由の1つに
「脳のメカニズム」
があげられます。

 

 

人の脳には
「メンタルショットガン」
と呼ばれる習性があります。

 

 

人の脳は無意識のうちに
「選択肢を残そうとする」
とします。

 

 

新しい機器を
「後から取り付けられるように」
コネクト部分が多いものを選択する。

 

 

新しいスマートフォンを買って
「もし壊れたら」
と心配して有償の保証サービスを選択する。

 

 

身近な例で言えば上記があげられます。

 

 

もちろんあなたの商談しているお客様も
「選択肢を残そうとする発言」
をしてくるでしょう。

 

 

売れない営業は、その話に合わせて選択肢を提示してしまいます。

その結果、方法の話ばかりとなり、目的を見失って意思決定は先送りとなります。

 

 

つまり
「失注する」
ということです。

 

 

もしデッカンブーのお話の村人たちが
「メンタルショットガン」
に陥っていたら、全員五位鳥に食べられていたことでしょう。

 

 

営業の格言でもある
「お客様の言うことだけを聞いていては決まらない」
ということを表したお話です。

 

 

優秀な営業は、無意識のうちに選択肢を残そうとするお客様に対してこのように伝えることでしょう。

具体的な方法は、行動創造理論による営業トレーニングを受けた方ならわかりますね。

 

 

今日はビジネス寓話シリーズ
「デッカンブー」
をお送りしました。

 

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著者

行動創造理論第一人者
レゾンデートル株式会社代表取締役
齋藤英人

自らが開発した「行動創造理論」を活用し企業研修、公開講座、ビジネス講演など年間100回以上登壇をしており、大手企業や成長企業を中心に営業力向上と売上拡大に力を注いでいる

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