【ビジネス寓話シリーズ】「二匹の犬」売れない営業は他人のものが良いと思わない!?

2021.11.21

齋藤英人
レゾンデートル株式会社 代表取締役
『行動創造理論』第一人者
自らが開発した「行動創造理論」を活用し企業研修、公開講座、ビジネス講演など年間100回以上登壇をしており、大手企業や成長企業を中心に営業力向上と売上拡大に力を注いでいる

 

教訓は二匹の犬に起きている無意識の行動科学だった!?

 

 

今日は大人気の
「ビジネス寓話シリーズ」
をお送りいたします。

 

 

「二匹の犬」というお話です。

どんな教訓があるのでしょうか?

 

 

———————————————-

 

男が
「二匹の犬」
を飼っていました

 

 

一匹には狩りを仕込みました。

もう一匹は番犬にました。

 

 

猟犬が狩りに出て獲物をとってくる

男は番犬にも分け前を与えました。

 

 

狩りをしてきた犬は番犬に向かって
「俺が外へでて苦労して獲物をとっているのに、お前はただ分け前にあずかるばかりだ」
と言います。

 

 

さらには
「俺の稼ぎで贅沢三昧だ」
と非難をしました。

 

 

番犬はそれに対して
「そんなことを言ったって仕方ないだろう。主人に文句を言ってくれ!」
と言います。

 

 

「俺は躾けられたとおりにしているだけだ」

 

———————————————-

 

 

この話はイソップ童話の一節です。

 

 

猟犬が何もしない番犬に腹を立てるお話です。

しかし番犬は与えられた仕事をしているだけと言い返します。

 

 

この寓話は
「不平等感」
に触れたお話です。

 

 

あなたは不平等感を感じたことはありますか?

 

 

不平等感は、組織の中でも確実に起こってます。

 

 

■なぜ他人のモノがうらやましいと思ってしまうのか?

 

 

不平等感の心理は
「隣の芝は青い」
ということわざでも表現されています。

 

 

不平等感は
「脳のメカニズム」
によって無意識に引き起こされます。

 

 

「相対性剥奪」
と呼ばれる効用です。

 

 

相対性剥奪とは
「相対的な環境で価値を剥奪される」
事を指します。

 

 

自分よりあの人の方が大切にされている

自分よりあの人の方が教えてもらっている

自分よりあの人の方が評価が高い

自分ももっと大切にしてもらう資格がある

自分も本当はあの人のようにできるのに

 

 

上げていけばキリがないほど
「組織の中の相対性剥奪」
は存在します。

 

 

上司が部下を
「平等に扱っている」
というのは脳のメカニズム上、やっているつもりとなります。

 

 

普段の生活から
「相対性剥奪感」
を感じる傾向が強くなっていることも拍車をかけています。

 

 

SNSの普及により
「友人と比較しやすい環境」
に人はさらされています。

 

 

特に若い人は
「自分で積み上げてきた時間より未来が長い」
ため自分でも出来るのにという感覚が強くなります。

 

 

マネジメントでは必要以上に
「部下の承認欲求を満たす」
ことが重要です。

 

 

猟犬も同僚の番犬に対して
「相対性剥奪」
が起きている状態ということです。

 

 

■人の脳は「絶対に何かと比較をしないと判断できない」

 

 

そもそも人の脳というのは
「絶対評価が出来ない」
という特徴があります。

 

 

平たく言えば
「何かと比べないと価値を評価できない」
ということです。

 

 

当然、営業でも一緒です。

 

 

自分が提案する
「製品やサービスだけでは判断できない」
ということです。

 

 

うちの製品は〇〇です

うちのサービスはこんなに良いですよ

うちの商品はこんなに実績があります。

 

 

あなたはこんなプレゼンテーションをしていませんか?

 

 

はっきり言って
「絶対に売れないプレゼンテーション」
です。

 

 

お客様を動かすには
「他の選択肢よりこの提案の方が良い」
と想像してもらうことが必須条件です。

 

 

私も先日あるソリューションを採用したのですが
「比較に対してのプレゼンテーションが秀逸だった」
という点が決め手でした。

 

 

ダメな営業は
「比較対象をお客様から聞き出す」
ということをしています。

 

 

「他にどんなものを検討されていますか?」
と選択肢をお客様から聞き出そうとしています。

 

 

聞かないよりましですが
「お客様の既知の情報」
にとどまるので、選択肢が狭まることはありません。

 

 

緊急性が高くなければ
「お客様はまだまだ検討を重ねる」
ことでしょう。

 

 

営業は比較の技術を使って
「理屈で納得させ、感情を動かす」
ことを目指さなければなりません。

 

 

特に感情を動かす営業の技術では
「他の選択肢を選ぶと損をする」
と感じさせることが重要です。

 

 

私も経営者として営業を受けることが多いのですが
「正しい比較の技術」
を使ってくる人はほとんどいません。

 

 

逆に言えば、正しい営業技術を身につければ
「あなた以外の営業の選択肢はない」
となるでしょう。

 

 

そういった人が
「一流営業として活躍している人」
ということです。

 

 

もし猟犬が正しいプレゼンテーションをしていれば
「番犬の行動」
を変えることが出来たでしょう。

 

 

無意識の
「相対性剥奪」
にとらわれたままでは相手は動かないということです。

 

 

行動科学のアプローチで
「教訓」
を見直してみました。

 

 

営業も
「行動創造理論」
から見直すと、誰でも簡単に一流営業になれます。

 

 

今日はビジネス寓話シリーズ
「二匹の犬」
をお送りしました。

 

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