今日はシリーズ
「ショッピングの科学」
をお送りいたします。
第21回のテーマは
「超高齢化社会への対応」
です。
<index>
①「2025年問題」超高齢化社会の日本の状態は?
②高齢者が多くなったお店では何が起こるのか?
③メーカーや小売店がすべきことはなにか
本日の記事の見出し
■「2025年問題」超高齢化社会の日本の状態は?
今から6年後は
「2025年問題」
を迎えます。
これは
「団塊の世代が全員75歳になる年」
で医療費が爆発的に増えると予測されています。
65歳の高齢者率が
「30%超」
となります。
こうなると市場の在り方も大きく変わると予測されています。
■高齢者が多くなったお店では何が起こるのか?
まず大きく変わるのは
「高齢者がもてはやされるようになる」
ことでしょう。
それもそのはずです。
一番の
「人口のボリュームゾーン」
だからです。
常に市場は
「団塊の世代」
の成長にフォーカスをされてきました。
・若いころの青春
・年を取ればダンディ
・そしてアクティブシニア
人数の多さ
財力の多さ
によって消費力も高く
これからの
「市場の中心」
を担っていくことになります。
しかしそれでも衰えてくるものがあります。
お店の風景を一変させることかもしれません。
それはなんでしょうか・・・?
■お店の風景が変わる原因、それは「高齢者の〇〇」
高齢者にとって
「ショッピングで困ること」
は想像できるでしょうか?
段差でしょうか?
駐車場の有無でしょうか?
手すりの有無でしょうか?
それもありますが
「一番は視力」
です。
身体は元気でも
「目の衰え」
というのはどうしても出てくるでしょう。
40代で衰えを感じ始める人も少なくありません。
現役時代から
「PCやスマホ」
を使っていた人も少なくないでしょう。
そうすると今のお店にあるものは
「圧倒的に文字が小さい」
ということになります。
加齢により
「目には3つの衰え」
が起こります。
①水晶体の硬化
②それを支える筋肉が弱くなる
③角膜が黄変する
これにより
「焦点が合わなくなり、色の識別が弱くなる」
となってしまいます。
市場でも人の視力が問題になっていますが
「さらに切実な問題」
になってきます。それも今すぐに・・・
■メーカーや小売店がすべきことはなにか
新聞の購読者のアンケートでも
「文字を大きくしてほしい」
という要望が多くあるといいます
このことは高齢者がよく利用する
「ドラッグストア」
でも同様です。
薬のラベル
使用方法
用法・用量
これらは非常に小さな文字で書かれています。
このままでは
「新しい製品を購入する」
ということはないでしょう。
これまでと同じものを使うしかありません。
なぜなら
「商品が何なのかわからない」
からです。
これらの製品は
「91%の顧客」
が前面のラベルを読んでから購入するデータがあります。
さらに
「42%の顧客」
が裏面の説明にも目を通しています。
つまりこれらの商品の購入には
「読む」
という作業がつきものです。
他の商品群でも同様です。
お店の滞在時間が長ければ
「客単価は向上する」
というのは鉄板のデータとして存在します。
しかし
「何が書いてあるかわからない商品」
しか置いてないお店には長居はしないでしょう。
店舗のPOPの制作
商品のパッケージデザイン
これは
「20代の仕事」
であることが多いでしょう。
彼ら彼女らは
「高齢者の目」
についての配慮など恐らくは持たないでしょう。
仕方がありません。
これはわかりようがないのですから。
私たちが若いころを思い出せば、納得すると思います。
市場の中心を担う
「高齢者」
をターゲットとするならば
「高齢者の目」
にフォーカスをしなければなりません。
今日はショッピングの科学
「超高齢化社会への対応」
をお送りいたしました。