【第3お店をつかさどる三つの要素4回ショッピングの科学】

2019.12.21

齋藤英人
レゾンデートル株式会社 代表取締役
『行動創造理論』第一人者
自らが開発した「行動創造理論」を活用し企業研修、公開講座、ビジネス講演など年間100回以上登壇をしており、大手企業や成長企業を中心に営業力向上と売上拡大に力を注いでいる

ショッピングを支配している幾何学的原理

 

 

今日はシリーズ
「ショッピングの科学」
をお送りいたします。

 

第34回のテーマは
「3つの要素」
です。

 

<index>

①いたずらに経費を削ると結果どうなるか?

②お店をつかさどる3つの要素とは?

③3つの要素のパワーバランスをどう取ればよい?

 

 

■いたずらに経費を削った結果どうなるか?

 

「いいこと思いついた!経費を切り詰めよう」

あるチェーン店で責任者が思いつきました。

 

思い切って値の張る
「木製の棚」
を取り除きました。

 

替わりに値段の安い
「ワイヤー製の棚一式」
を導入しました。

 

コストの差額はそのまま純利益になります。

非常に良いアイデアと満足をしていました。

 

さて結果は?

 

 

ワイヤー製の棚が届きました。

機能的で美しく見えます。

 

しかしよかったのはここまでです。

商品を並べ始めて数分で違和感に気づきます。

 

何とワイヤー製の棚に陳列した商品は
「お客様が触れるたびに倒れそうになる」
ということがわかりました。

 

実を言えばだれも触っていなくてもそうなることがあります。

商品が4,5個おきに斜めになっている状態です。

 

さすがに気になるので、従業員には常に直すように指示を出しました。

しかしやってもやってもキリがありません。

他の仕事ができずに従業員のストレスはたまる一方でした。

 

最終的には
「棚を直す係」
を時給1,000円で雇う始末となりました。

 

この無駄について一体どれだけのコストがかかっているというのでしょうか?

 

 

■お店をつかさどる3つの要素とは?

 

これは単に1つの要素だけを見てしまったために招いた結果です。

お店というのはいくつかの要因が絡み合って出来上がっています。

 

普通に考えればわかることですが
「良いアイデアが生まれた!」
となった瞬間に、そのことは消えてしまいます。

 

これまで上手くやってきた人であればなおさらです。

自分の経験に自信があるからです。

もしかしたら、それがたまたま上手くいっただけかもしれないのに・・・。

 

お店には3つの要素があります。

 

①店舗設計

②品揃え

③運営

 

商品が何であろうと

従業員の業務が何であろうと

この3つの要素は原則として変わりません。

 

大きなチェーン店では
「部門が違う」
ことになります。

 

そのため、つながりを感じなくなっているかもしれません。

 

ただこの要素は
絡み合い、
関連し合い、
依存しあって、
出来ています。

 

 

■3つの要素のパワーバランス

 

この3つの要素のうち
「何か1つでも」
決断がされた場合、他の2つにも影響を与えます。

 

しかし店舗設計者は
「従業員の業務」
を見ることはあまりないでしょう。

商品の仕入れ担当者は
「設計」
について気にしたことはないでしょう。

 

運営する側は
「設計」「品揃え」
に文句ばかり言っているかもしれません。

 

つまり
「自分の仕事がどのように機能しているか」
ということを考えている人が少ないかもしれないということです。

 

 

さらにもっと重要な教訓があります。

 

この3つの要素のうち1つを強めると
「他の2つのプレッシャーが軽くなる」
ということです。

 

逆に1つを弱めると
「他の2つに余計な負荷がかかる」
ということです。

 

これはショッピングを支配している
「幾何学的原理」
と呼んでも良いかもしれません。

 

 

私も多くの流通、小売りの人と接してきましたが
「バリューチェーンを理解していますか?」
と聞いて、すんなり答えられる人はかなり限定されました。

 

お店に関わる人は
「自社のバリューチェーン」
くらいは理解して業務を考えたいものですね。

 

今日はショッピングの科学
「3つの要素」
というテーマに触れてみました。

 

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著者

行動創造理論第一人者
レゾンデートル株式会社代表取締役
齋藤英人

自らが開発した「行動創造理論」を活用し企業研修、公開講座、ビジネス講演など年間100回以上登壇をしており、大手企業や成長企業を中心に営業力向上と売上拡大に力を注いでいる

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