とあるプロジェクトで進行の予測が大幅に外れていたが…誰もが執っている驚きの行動

2022.03.30

齋藤英人
レゾンデートル株式会社 代表取締役
『行動創造理論』第一人者
自らが開発した「行動創造理論」を活用し企業研修、公開講座、ビジネス講演など年間100回以上登壇をしており、大手企業や成長企業を中心に営業力向上と売上拡大に力を注いでいる

 

なぜ人は仕事の間違いを簡単に直すことが出来ないのか?

 

 

<index>

①教科書制作プロジェクトの時間予測は当たったか?

②大幅に予想が外れていたが…その後の驚きの行動とは?

③あなたの組織でも日々行われている「間違った選択の連続」

 

 

 

■教科書制作プロジェクトの時間予測は当たったか?

 

 

日本の教育で欠けているものは?

このように聞かれたらあなたは何と答えますか?

 

 

英語教育

お金の教育

プログラミングの教育

 

 

上記の答えが出てくるでしょうか?

 

 

日本の教育で足りないものの1つに
「判断と意思決定の教育」
と上がられることがあります?

 

 

非常に重要な教育です。

日本でも取り入れるべき点だと思いますが、兆しすら見えません。

 

 

ではどんなものか見ていきましょう。

 

 

行動経済学者のダニエルカールマンは
「判断と意思決定」
を高校生に教える必要性を国に認めさせました。

 

 

新しい教育を行う際に必要な
「教科書制作プロジェクト」
に関するお話です。

 

 

新しい教育プログラムを実践するにあたって
「教科書」
は必須のツールになります。

 

 

そこでカーネマンはプロジェクトチームを組んで制作に取り組みました。

 

 

チームは1年にわたって毎週金曜日の午後に集まり作業を行いました。

 

 

・シラバスの大筋を決める

・教科書の初めの一、二章を書き上げる

・教室で実験授業を何度かやってみる

 

 

そして1年でここまでこぎつけました。

中々順調という手ごたえがあります。

 

 

このタイミングでメンバー全員に
「教科書の最終案ができるまでに何年かかるか?」
という予想をしてもらいました。

 

 

予想の提出は紙に書いて行われました。

 

 

———————————————-

【参考】カーネマンの手法は情報収集のテクニックの1つ

 

集団から情報を引き出す時に適切な方法は
「公の場で討論するのではなく各人の判断を非公開で回収する」
というのが最も効果的です。

 

公の場で議論をすると下記の弊害が起きます。

 

・人の意見に合わせる

・自己主張をするために別の意見を述べる

———————————————-

 

 

さて、結果はどうなったでしょうか?

 

 

最短で1年半

最長で2年半

平均は2年

 

全員の予想は上記の結果となりました。

 

さて、実際に作業に関わっていて、一番状況を知っている人たちのひょそうです。

果たした予想通りにいくのでしょうか?

 

 

■大幅に予想が外れていたが…その後の驚きの行動とは?

 

 

チーム内のカリキュラム作りのエキスパートに
「似たような状況を見たことがあるか?」
と尋ねました。

 

 

聞かれたエキスパートは
「相当数を見たことがある」
と回答をしました。

 

 

カーネマンが聞きたかったのは
「同じような状況のチームはあとどれくらいかかるものなのか」
ということです。

 

 

しかしエキスパートは答えにくそうです。

 

 

て出てきた答えは
「ほとんどのチームが完成に至らなかった」
ということです。

 

 

まさかこのチームは誰もが
「失敗する」
なんてことは考えてもいませんでした。

 

 

そしてさらに
「どのくらいの確率で失敗に終わったのか」
と尋ねると驚きの答えが返ってきました。

 

 

エキスパートからは
「約40%」
という答えが返ってきました。

 

 

次に質問することは決まっています。

 

 

「では完成したチームは何年かかりましたか?」
ということです。

 

 

この質問に対する答えは
「7年以下というチームはなかった。また10年以上というチームもなかった」
です。

 

 

まとめるとこのチームが知った情報は2つです。

 

 

・最低7年+失敗確率40%

・上記の数字が自分たちの見通しより正しい

 

 

さてこのプロジェクトチームはどのような選択をするのでしょうか?

 

 

■人が必ず選択をするのは「不合理な忍耐」

 

 

チームメンバーは
「順調なプロジェクトがなぜそんなに時間がかかるのか」
ということが想像できませんでした。

 

 

統計情報から
「因果関係」
を読み取れば単純なことです。

 

 

教科書制作が想像以上に難事業だからです。

 

 

しかし上記の推測は
「自信の実感と反する」
ものとなります。

 

 

ではどんな選択をするでしょうか?

 

 

このチームは
「長い年月+高い失敗率という事実を棚上げする」
という選択をすることになります。

 

 

誰もが
「このまま続けるのは妥当ではない」
と感じたものの退却すべきだとも思いませんでした。

 

 

恐らく数分間
「支離滅裂な議論」
をしたのち継続を選択したのでしょう。

 

 

「失敗率の情報はなかったことにして進めよう」

「何とかなるはずだ」

「私たちなら上手くいく」

 

 

何の根拠もない議論です…。

 

 

最終的にプロジェクトチームは
「8年」
かけて教科書を完成させました。

 

 

しかし時間が経っているため
「教育省の教育官の熱」
はすっかり冷めていました…。。

 

 

何とか創り上げた教科書は一度も使われることなくお蔵入りとなりました。

 

 

■あなたの組織でも日々行われている「間違った選択の連続」

 

 

「間違いと感じながらも進んでしまう」
という経験は誰しもがあるはずです。

 

 

間違った選択をしてしまう理由は
「見通せる能力がない」
からではありません。

 

 

コンサルタントのような専門家も同様です。

 

 

情報には2つの種類があります

 

A 内部情報 自分が見てきた、考えてきたもの

B 外部情報 統計や基準値

 

さて、あなたはどちらを重視しますか?

プロジェクトチームの選択を振り返れば答えは明確です。

 

 

人の脳には
「見たものがすべて」
というメカニズムがあります。

 

 

そのため人は必ず
「内部情報を重視する選択」
を取ることになります。

 

 

そして
「進むか戻るかを選択する場面」
に直面したときに取る行動は決まっています。

 

 

ほとんどの人
「合理性を排除する選択」
をすることになります。

 

 

本人も愚行だと知りながら
「不合理な忍耐」
を選択するというわけです。

 

 

取り組んでいるプロジェクト

現在提案中の案件

今期の計画

 

 

ビジネスの中でも様々なケースで
「非合理な忍耐」
の現象は現れます。

 

 

特に時間を費やしてきた時には
「サンクコスト」
と呼ばれる投資した時間がもったいないというメカニズムも同時に働きます。

 

 

経営者

マネージャー

営業

お客様

 

 

全ての人が
「不合理な忍耐を選択する」
ようになります。

 

 

(うまくいかないかもしれないけれど…と思いながら)

 

「ここまでやってきたんだからやってみましょう!」
という根拠のない掛け声で継続されるでしょう。

 

 

不合理な忍耐の選択を避ける方法は1つだけあります。

 

 

避ける方法は
「短い期間でのフィードバック」
です。

 

 

身近期間でフィードバックを得ると
「目の前の情報が増えま+かけた時間も短く区切られる」
ことになります。

 

 

計画を立てるときやプロジェクトを進めるときには
「フィードバックの仕組み」
を入れることが大切ということを覚えておくと良いでしょう。

 

 

 

具体的な方法は
「行動創造理論によるマネジメント研修」
で身につけることが出来ます。

 

 

■行動創造理論は脳のメカニズムを先回りする

 

私の提唱する行動創造理論は
「科学を基軸とした営業理論」
です。


脳のメカニズムに基づいた行動を体系化したものです。

 

  • 脳科学

  • 心理学

  • 行動経済学

 

上記のノーベル賞を取った研究や知見を「営業行動」に体系的に落とし込んだものです。

科学を基軸とした営業技術を身につけ、売上が飛躍的に伸びるプログラムです。

 

  • 営業研修

  • マネージメント研修

  • 能力開発トレーニング

 

「もっと売上に繋がる営業研修を実施したい」
「確実に営業力が上がる営業研修はないか」
と一度でも思ったことのある方は、ぜひ触れてもらいたいプログラムです。

 

 

営業で成果を出すには
「人の本能の行動に合わせる」
だけです。

 

 

成約率が50%向上した

新規案件数が10倍に増えた

たった1か月で売上が4.6倍になった

 

 

上記の成果を導いたプログラムにご興味をお持ちの方は、ご連絡をいただければと存じます。

売上に関する課題はすべて解決できるようになるでしょう。

すでに8,816人の営業が飛躍的に向上させました。

 

 

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今日は
「組織が間違いを正せない理由」
というテーマに触れてみました。

 

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著者

行動創造理論第一人者
レゾンデートル株式会社代表取締役
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自らが開発した「行動創造理論」を活用し企業研修、公開講座、ビジネス講演など年間100回以上登壇をしており、大手企業や成長企業を中心に営業力向上と売上拡大に力を注いでいる

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