ストーリに隠されたトラップを見抜くことが出来る?「営業部長に迫られた判断」

2022.08.02

齋藤英人
レゾンデートル株式会社 代表取締役
『行動創造理論』第一人者
自らが開発した「行動創造理論」を活用し企業研修、公開講座、ビジネス講演など年間100回以上登壇をしており、大手企業や成長企業を中心に営業力向上と売上拡大に力を注いでいる

 

今日は
「ストーリーテリング・トラップ」
というテーマに触れてみたいと思います。

 

 

<index>

①あなたは営業部長です。部下からの報告で判断を迫られました

②このストーリに隠されたトラップを見抜けましたか?

③ストーリーが効果的なのは「無意識で規則性のあるバイアス」

 

 

■あなたは営業部長です。部下からの報告で判断を迫られました

 

 

まずはじめに、一緒に考えてみてください。

 

 

あなたは
「競争の激しい市場で闘っている企業の営業部長」
です。

 

 

成績の良い営業マンから電話がかかってきました。

 

 

「最も手ごわいH社とのコンペで、2度負け続けました。

どちらのコンペでもH社、当社よりはるかに低い価格を提示してきました。

また、最近ウチを辞めた2人がH社に転職したようです。

我が社と長年関係のある顧客に積極的に食い込もうとしているようです。

次回の経営会議で販売価格を見直すように、経営陣に提案すべきです。」

 

 

部長のあなたは売上の高い営業から上記の報告を受けました。

ただあなたも経験豊かなプロです。

冷静に今聞いた情報について確認する必要があると判断しました。

 

 

あなたはもう1人の信頼できる営業マンに電話をしました。

 

 

「ちょうど部長に報告するところでした。

長年おつきあいしているS社との契約更新が出来そうです。

競合のH社の方が15%も低い価格だったのですが、契約できました。

長年個人的な付き会をしてきたことで、契約を更新してくれたとのことです。

 

ただ、H社との差がこれだけあると厳しいかもしれません。

今回は上手く行きましたが、他の営業だと契約更新は難しいと思います。

価格の見直しをした方が良いと思います。」

 

 

さて、2人に確認をしたあなた。

価格について経営会議で検討する必要があるでしょうか?

 

 

■このストーリに隠されたトラップを見抜けましたか?

 

 

あなたは上記の話を見てどう思いましたか?

 

 

2件のコンペで負けました。

しかも転職した2人が既存顧客の攻略に動いているようです。

1件は何とか維持しましたが、価格差は明らかでした。

 

 

すぐにでも経営会議に価格の見直しを提言すべきと考えたでしょうか?

 

 

もしあなたが経営会議に提言したら
「さらに破滅に向かう可能性がある」
というのは気づいたでしょうか?

 

 

もう一度状況をおさらいしてみましょう。

 

 

まず2人の営業が辞めた点です。

営業チームの離職率を考えたら普通のことです。

そして、転職先が同じ業界であることは普通のことです。

ライバルの会社に転職する可能性が最も高いといって良いでしょう。

 

 

次にコンペで負けた点です。

ここでは新規案件を2つ落としました。

 

次のコンペで勝てば勝率は30%です。

またその次も勝てば50%です。

たまたま2つ続けて落としただけかもしれません。

 

 

営業が失注をした最大の理由とするのは
「価格が高い」
からという理由です。

 

 

自分の営業力や交渉力の無さで失注したことは隠したがります。

一度、冷静に報告書を見返してみると良いでしょう。

 

失注理由のほとんどが価格言及されたものであることが気づきます。

しかし、営業で価格のみで決定されることは、そこまで多くありません。

実際に15%以上高い価格でも、契約を取った案件もあるはずです。

 

 

既存顧客維持の件も一緒です。

営業マンは自分の手柄としたく、不利な状況合ったことを誇張したかっただけです。

もちろん交渉の結果勝ち取った契約ですので、苦労はあったはずです。

 

人には必ず承認欲求はあるので、契約ストーリーを作って報告します。

優秀な営業出れば、上司に対しても見事なストーリーで語ることでしょう。

 

 

状況を1つ1つ見ていくと、実はたいしたことが無いように見えてきます。

 

 

実際に起きたことは
「既存顧客との契約を無事に1件継続し、顧客を失うことは無かった」
という点です。

 

 

また
「新規案件を2つ落とした」
というだけです。

 

 

新規案件の成約率から考えれば、危機的状況ではないはずです。

 

 

また転職した営業の対策は、既存のお客様に対しては
「簡単に対策できる」
レベルのものです。

 

 

営業技術の
「予防接種」
を使えば簡単に防げます。

 

 

『彼らは〇〇と言うでしょう

しかし、お客様の不利となる■■とは言わないはずです

なぜなら転職したばかりで手柄が欲しいからです』

 

 

事前にお客様に伝えておくだけで防ぐことが出来るでしょう。

 

 

■ストーリーが効果的なのは「無意識で規則性のあるバイアス」

 

 

1つ1つを判断すれば大したことが無くても
「ストーリーテリング」
として語られると判断が出来なくなります。

 

 

ストーリーを使うというのは
「最強のプレゼンテーション法」
として古くから語られている技術です。

 

 

プレゼンテーションの大会の
「TED」
の動画をご覧いただければわかるはずです。

 

 

ほぼ全員がストーリーを使って語っているでしょう。

 

 

ストーリーというのは
「聴き手と話し手の脳波が一致する」
ことがわかっています。

 

 

交渉のスタートで最も重要な
「共感」
が創られることになります。

 

 

その為プレゼンテーションではストーリーが大切ということです。

 

 

ただし
「自身の判断」
に対しても影響があるトラップについて触れました。

 

 

人が持つ
「規則性のあるバイアス」
によって誤った判断がされるということです。

 

 

人を動かすには
「無意識だが規則的である意思決定」
を先回りすることです。

 

 

トレーニングによって身につけることが出来ます。

また組織には環境として整えることが出来ます。

 

 

それが私の提唱している
「行動創造理論」
です。

 

 

営業とマネジメントの領域で、大企業から成長企業までご採用いただいています。

最近、ようやく注目されてきた分野ですので、導入が遅れると競争力を失うかもしれません。

 

 

 

■行動創造理論は脳のメカニズムを先回りする

 

私の提唱する行動創造理論は
「科学を基軸とした営業理論」
です。


脳のメカニズムに基づいた行動を体系化したものです。

 

  • 脳科学

  • 心理学

  • 行動経済学

 

上記のノーベル賞を取った研究や知見を「営業行動」に体系的に落とし込んだものです。

科学を基軸とした営業技術を身につけ、売上が飛躍的に伸びるプログラムです。

 

  • 営業研修

  • マネージメント研修

  • 能力開発トレーニング

 

「もっと売上に繋がる営業研修を実施したい」
「確実に営業力が上がる営業研修はないか」
と一度でも思ったことのある方は、ぜひ触れてもらいたいプログラムです。

 

 

営業で成果を出すには
「人の本能の行動に合わせる」
だけです。

 

 

成約率が50%向上した

新規案件数が10倍に増えた

たった1か月で売上が4.6倍になった

 

 

上記の成果を導いたプログラムにご興味をお持ちの方は、ご連絡をいただければと存じます。

売上に関する課題はすべて解決できるようになるでしょう。

すでに8,816人の営業が飛躍的に向上させました。

 

 

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今日は「ストーリーテリング・トラップ」というテーマに触れてみました。

 

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行動創造理論第一人者
レゾンデートル株式会社代表取締役
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自らが開発した「行動創造理論」を活用し企業研修、公開講座、ビジネス講演など年間100回以上登壇をしており、大手企業や成長企業を中心に営業力向上と売上拡大に力を注いでいる

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