今日は
「能力の高い人たちの学習」
というテーマに触れてみます。
まずこんな研究があります。
見てみましょう。
アメリカの心理学者
アンダース・エリクソン
の研究です。
ベルリン芸術大学の協力を得て行った研究です。
■バイオリニストの時間の使い方
バイオリン専攻の学生を3つに分けました。
「Sランク」
世界的なソリストを目指せる学生
「Aランク」
非常に優秀であるが、スーパースターではない
「Bランク」
演奏者になるのは難しくバイオリン講師を目指す
この3つのグループに分けて
「時間の使い方の違い」
というものを調べました。
そうすると
「明確な違い」
があったそうです。
それは一般的に大学に入る18歳まで
「練習に費やした時間」
の違いです。
Sランク 7,410時間
Aランク 5,301時間
Bランク 3,420時間
Sランクの学生たちは
「圧倒的に時間を費やしてきた」
ということがわかります。
小学生、中学生、高校生と
「誘惑が多い時期」
でも厳しい練習スケジュールを維持してきたということです。
「練習量=バイオリンの上手さ」
という当たり前のことを証明しています。
しかし、さらにもう一つ
「興味深い」
結果があります。
大学に入ってからの
「練習の仕方」
についての調査です。
大学生になってからの音楽活動にかける時間は
「3つのグループ共に同じ」
ということがわかりました。
どのランクの学生も
「50時間以上/週」
時間を費やしていました。
ただその
「時間の使い方」
が大きく異なっていました。
Sランク、Aランクの学生は
24.3時間/週
3.5時間/日
Bランクの学生は
9.3時間/週
1.3時間/日
という結果だったそうです。
ではこの時間は何の時間でしょうか??
演奏者だけでなく、スポーツでも同じことが言えます。
少し考えてみてください。
答えは
「個人練習に充てる時間」
です。
この時間に大きな差がありました。
Sランクの学生に聞くと
個人練習こそが本当の練習である
集団練習は「楽しみ」だ
と答えたそうです。
この結果は
グループ学習より個人学習のほうが効率が良い
ということを示したものではありません。
能力が高い
結果を残す
こういったタイプは
「個人学習を率先して行う」
ということです。
私もセミナーで同様のことを見てきました。
私のセミナーは
「1か月の集中講座」
もあれば
「3か月にわたるもの」
もあります。
またコンサルティングを含めた
「1年のプログラム」
もあります。
どれも基本的には
「グループ学習方式」
を取っています。
期間の長短はありますが
そこから突出して
「変化が大きい」
「結果を大きく変えられる」
というメンバーが出てきます。
そういう人は共通して
「積極的にセミナー内容を活かすチャレンジ」
をしています。
一度、自分の中の先入観を取り払って
「新しいことを好んで取り組む」
という姿勢を見せてくれます。
バイオリン専攻の学生も好きでなければ
「1人で3時間~4時間の練習」
はできないでしょう。
心理学的にも
「学習効果が高い心理」
というのは
楽しんでいるとき
好きなことに取り組んでいるとき
という結果が出ています。
ビジネスにおいても目の前の仕事や役割
「これをいかに楽しむか」
ということが重要なのかもしれません
ことわざで
「石の上にも3年」
とあります。
しかしそれも好きでなければ、そんな拷問に耐えられるわけがありません(笑)
今与えられた役割
自らが選択した役割
「これを好きになるにはどうしたらよいか?」
と考えてみてはいかがでしょうか?
これまで続けてこられた何かには
「必ずその要素があった」
と思います。
今日は
「能力の高い人たちの学習」
というテーマに触れてみました。
レゾンデートル株式会社 ~行動創造理論~
齋藤