あなたは営業のセオリーの根拠を正しく説明できますか？

 

 

今日は大人気の
「ビジネス寓話シリーズ」
をお送りいたします。

 

 

「遭難者と海」

 

 

どんな教訓があるのでしょうか？

 

 

————————————-

 

海で船が難破して浜辺に打ち上げられた人が、疲れきって眠っていました。

 

 

やがて起き上がり、海を見ると
「海は穏やかな様子」
ででした。

 

 

遭難者は
「迎え入れた後で、荒れ狂って滅ぼす」
と言って海を非難しました。

 

 

すると海は女の姿になって彼に向かって言いました。

 

「そこの人、文句は私でなく風に言いなさい。

私は生まれつき、そなたが今見るとおりの姿。

風が突然襲いかかり、私を波立たせ荒れ狂わせるのです」

 

————————————-

 

 

このお話は、イソップ物語の一節です。

 

 

原文の教訓では
「そこで我々も、不正行為に際して、黒幕がいる場合には、やった人でなくやらせた人を咎めるべきである。」
とあります。

 

 

ニュースを見ても不正行為は
「指示役と実行役」
の2つの役割で構成されることも多いですね。

 

 

ビジネスの視点でどんな教訓があるのでしょうか？

 

 

■「波は風によって起こる」は科学である

 

 

このお話で着目すべき点は
「波は風によって起こる」
ということです。

 

 

女性の姿に変わった海は
「荒れるのは風のせい」
としています。

 

 

「責任を他者に求めるものではない」
などという安っぽい教訓ではありません。

 

 

「風が吹けば波が立つ」
という事実に着目するだけです。

 

 

弱い風であれば波もわずかとなるでしょう。

強い風が吹き続けることで波が立つということです。

 

 

「〇〇をすれば▲▲になる」

 

 

上記のように再現性があるのが科学です。

誰がやっても同じ条件であれば、同じ結果になるのが科学です。

 

 

「風が吹くから波が立つ」
というのはそう学校のころに習った理科の内容です。

 

 

ビジネスでもセオリーと言われる教えがあるでしょう。

 

 

「話は結論から述べなさい」

「商談は雑談から入るものだ」

「自分の話ではなくお客様の話を聞きなさい」

「できるだけ数字で表現しなさい」

「身だしなみを整えなさい」

 

 

なぜ、必要なのでしょうか？

上司や先輩たちが実践してきたことだからでしょうか？

 

 

理由は上記を行うことが
「意図する結果に近づく」
ことを感覚で知っているからです。

 

 

風が吹けば波が起こるように…

 

 

■営業のセオリーもすべて科学で説明ができる

 

 

営業のセオリーも
「すべて科学的根拠がある」
ものです。

 

 

正しく使うことで誰もが
「同じ結果を得られる営業技術」
と言い換えても良いものです。

 

 

しかし残念ながら
「根拠と方法」
について正しく説明できる人はいません。

 

 

トップセールスや上司に聞いても
「そいうものだから」「当たり前のことだから」
と返ってくることでしょう。

 

 

例えば営業初心者でもわかる例に触れておきましょう。

 

 

営業初心者でも
「身だしなみに気を付ける」
ということはわかっているでしょう。

 

 

ではなぜでしょうか？

基礎的であり有名なのでご存じの方もいらっしゃるのではないでしょうか？

 

 

「ハロー効果」というメカニズムにあります。

 

 

心理学者のエドワード・ソーンダイクが名付けました。

対象物に対して後光を感じ取ると、対象の印象を歪めてしまう現象のことを指します。

 

 

もう少し端的にいうと
「見た目が信頼できそうだと提案も信頼される」
ということです。

 

 

個性が大事というかもしれませんが
「商談においてはお客様の信頼が優先されるべき」
と考えた方が良いでしょう。

 

 

なぜなら逆の効果もあり
「見た目が信頼できないと、提案も信用されない」
ということです。

 

 

信頼されるにはどうしたら良いでしょうか？

 

 

しわのないスーツとシャツ

しっかりと結ばれたネクタイ

この辺りは無難ですが正解ではないですね。

 

 

全くの新規のお客様には、上記の格好が良いでしょう。

その時にお客様の姿をしっかりと記憶しておきましょう。

お客様の姿にすべて正解が書いてあります。

 

 

 

難破した人は
「風が海の波を作る」
という科学を知らなかったのでしょう。

 

 

「目の前の結果だけを見て全てを判断してしまう」
という教訓が隠されているのかもしれませんね。

 

 

今日はビジネス寓話シリーズ
「遭難者と海」
をお送りしました。