【ビジネス寓話シリーズ】「六助いなり」話しの中の営業クイズ!間違いに気づける?

2020.06.21

齋藤英人
レゾンデートル株式会社 代表取締役
『行動創造理論』第一人者
自らが開発した「行動創造理論」を活用し企業研修、公開講座、ビジネス講演など年間100回以上登壇をしており、大手企業や成長企業を中心に営業力向上と売上拡大に力を注いでいる

 

昔ばなしの中にある「営業に関するクイズ」

 

 

大人気の
「ビジネス寓話シリーズ」
をお送りいたします。

 

 

「六助いなり」
です。

 

 

どんな教訓があるのでしょうか?

 

 

——————————–

 

むかし、六助という男が女房と一緒に暮らしていました。

六助は、とても働き者でとても親切好きな男でした。

 

ある日、峠でカヤを刈っていると
「キツネの巣穴」
を見つけました。

 

 

親切な六助は、巣穴入り口のカヤが茂っていたので
「風通しを良くしてあげよう」
ときれいに刈り取ってあげました。

 

 

その夜、六助が寝ていると
「キツネ」
家にがやってきました。

 

 

カヤを掃除してくれたお礼にと
「あと10日もすれば伏見の富クジが売られる。それ買えば、絶対当たるよ」
と教えてくれました。

 

 

その次の日もキツネはやってきて
「伏見の富クジを買いなよ。本当に当たるよ」
と言います。

 

 

何回も言われた二人はその気になってきました。

 

 

「富くじが当たれば、金や米が手に入るな」

「でも伏見まで行くお金がないよ・・・」

 

 

こんな話をしていました。

 

 

その晩またキツネがやってきて
「伏見までの金は戸や障子を売ればいい!」
と言います。

 

 

六助は
「確かにそうだ!」
と言って戸や障子を売り払い伏見に向かいました。

 

 

7日かけて伏見に到着しましたが
「町の中はシーン」
としていました。

 

 

通りかかった人に聞いてみると
「富くじは1年も先のことだよ」
と言われます。

 

 

仕方なく六助は家に帰ります。

女房は激怒しケンカになりましたが、どうしようもありません。

 

 

その夜は
「戸や障子がない北風がぴゅーぴゅー吹き込む家」
でガタガタ震えながら布団にくるまって寝ました。

 

 

その夜またキツネがやってきてこう言います。

 

 

「戸や障子がないと風通しが良いだろう」
と言い捨てて去って行きました。

 

——————————–

 

 

このお話は
「稲荷様のたたり」
のお話と読み取れることができます。

 

 

むやみに
「何かに触れてはいけない」
ということですね。

 

 

このお話のタイトルは
「六助いなり」
です。

 

 

実はこの話には続きがあります。

 

 

六助は
「親切のつもりでやったのだが、きつねにとっては迷惑だったんだな」
と気づきます。

 

 

そして
「キツネの穴の前に大きな石」
を置きました。

 

 

その大きな石を道行く人が
「六助いなり」
といって拝んでいくようになったそうです。

 

 

ここが
「このお話の教訓」
です。

 

 

「ありがた迷惑」
という話です。

 

 

あなたが良かれと思ってやったことが
「相手にとっては迷惑」
ということです。

 

 

■営業クイズ「次の文章に間違いはあるでしょうか」

 

 

営業の世界でもよく起きています。

 

 

それはあなたの
「間違った顧客志向」
により起こります。

 

 

ではクイズです。
次の文章に間違いはあるでしょうか。

 

 

「Aさんは顧客志向が強く、いつもお客様のためになることを考えている」

 

 

Aさんの思考は間違いです。

一見良さそうな営業に見えます。

 

 

では、どこに間違いがあるのでしょうか?

 

 

あなたは気づきましたか?

 

 

 

これでは
「六助営業」
です。

 

 

「お客様のために〇〇する」
と考えて行動するのは六助です。

 

 

「キツネのためにカヤを刈る」
というのと一緒です。

 

 

では上記の営業Aさんと六助は
「何が抜けていた」
のでしょうか?

 

 

「お客様の立場に立って考える」
ということが欠落しています。

 

 

「お客様のために」ではなく
「お客様の立場にたって考える」
ということです。

 

 

「顧客思考」

「顧客志向」

 

 

同じ読み方ですが意味が違います。

 

 

良い営業というのは
「顧客志向」
で提案を考えることができます。

 

 

ではそうなるためには、何が必要でしょうか?

 

 

まず必要なことは
「お客様の情報」
です。

 

 

お客様のためにと考えている営業は
「自分の提案の話ばかり」
をしていることでしょう。

 

 

「私の商品はお客様のためになります」

こんな話を続けているでしょう。

 

 

 

 

お客様の立場で考えている営業は
「お客様の話」
をよく聞いています。

 

 

「営業は話すのではなく聞くこと」
というのはよく言いますが、お客様へのマインドからも行動に現れます。

 

 

「お客様に話してもらう」
というのは脳のメカニズムからも大変重要です。

 

 

まずお客様自身が話すことで
「お客様の脳の情報が整理される」
ことになります。

 

 

そして人の脳は
「自分で決めたこと」
にたいして強く承認をする仕組みがあります。

 

 

脳のメカニズムから考えても
「お客様に話してもらう」
ということが大事ということです。

 

 

お客様から話してもらわない限りは
「お客様が契約することはない」
ということです。

 

 

最後は
「六助いなりのように感謝される」
ような営業になれるとよいですね。

 

 

それが一番の
「顧客志向」
ではないでしょうか?

 

 

今日はビジネス寓話シリーズ「六助いなり」をお送りいたしました。

 

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