【ビジネス寓話シリーズ】「美しい鳥コンテスト」営業のあなたへ教えが詰まった話

2021.07.25

齋藤英人
レゾンデートル株式会社 代表取締役
『行動創造理論』第一人者
自らが開発した「行動創造理論」を活用し企業研修、公開講座、ビジネス講演など年間100回以上登壇をしており、大手企業や成長企業を中心に営業力向上と売上拡大に力を注いでいる

 

寓話を営業の視点で見ると多くの気づきを得られる

 

 

今日は
「ビジネス寓話シリーズ」
をお届けいたしましす。

 

 

「美しい鳥コンテスト」
というお話です。

 

 

どんな教訓があるのでしょうか?

 

 

———————————————-

 

ある日、神様は
「一番美しい鳥を決めるコンテスト」
をしようと思いつきました。

 

 

優勝者は
「鳥の王様」
になれるというコンテストです。

 

鳥たちはこぞって参加し、大騒ぎです。

 

 

「一番美しいのはクジャクさんだよ」

「スタイルのがいいのは白鳥さん」

「歌声がきれいなウグイスさんなら選ばれるかも」

 

鳥たちは、自慢の羽や姿を強調しています。

 

 

そしてもっと美しくなろうと、みんなで体を洗いに行きました。

 

 

遠めにカラスが一羽いました。

「自分は黒くて声も美しくない」

 

本当はコンテストに出たかったのですが、諦めモードです。

楽しそうに身体を洗う鳥たちをわき目に見ていました。

 

その時、カラスは気づきます。

川には複数の鳥の羽が流れてきます。

 

 

「これを身に着けたら自分も美しくなれるかも?!」

 

思い立ったカラスはすぐに行動します。

流れてきた羽を自分の体につけ始めました。

 

 

いよいよコンテストが始まります。

コンテストに出たカラスは注目の的でした。

 

神様は
「あんなにいろいろな羽を持った鳥がいるとは…」
とカラスを優勝者にしようとしました。

 

 

すると一羽の鳥が気づきます。

「あれは私の羽だ!」

 

鳥たちは次々に
「自分の羽をまとったカラス」
に注目します。

 

自分の羽を身に着けたカラスが目立っていることに怒って、一斉に飛びかかりました。

カラスは以前にもましてボロボロの姿になってしまいました。

 

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このお話は
「イソップ童話」
の一節です。

 

 

ズルをしてはいけない

見た目だけ取り繕ってもダメ

すぐにバレてしまう

 

 

このような教えがあります。

しかし、ビジネスの視点で考えれば、別の教訓が見えてきます。

 

 

■ビジネスにおいて見た目は非常に重要

 

 

ビジネスにおいて
「見た目は重要」
です。

 

 

コミュニケーションを取る
「営業」
は特に当てはまります。

 

 

なぜなら
「人は見た目で判断をしてしまう習性」
があるからです。

 

 

例えば1,000円のワインがあったとします。

 

 

A 20,000円のグラスに注ぐ

B 100円のグラスに注ぐ

 

 

さて、どちらがおいしいと感じるでしょうか?

中身が一緒でも「A」の方が、間違いなくおいしく感じます。

 

 

もちろん口当たりが違うので、味が違うということもあります。

 

 

ただ同じグラスにして
「汚れているグラスと清潔なグラス」
ではどうでしょうか?

 

 

ワインもグラスも一緒です。

しかし感じる味は確実に違います。

 

 

人は
「視覚情報」
が一番強い情報として脳に入っていきます。

 

 

【見たものが全て効果】

人間は手持ちの資料にある情報よりも
「自分で見たことを良いモノと判断する性質」
があります。

 

 

【ハロー効果】

「ある印象が良ければ、他の能力も優れている」
と認識をするハロー効果が働きます。

 

 

数々の研究で上記の効用として明らかになっています。

営業にとっても見た目は重要です。

 

 

提案内容の質の前に
「見た目で判断されている」
ということです。

 

 

対面でもオンラインでも同様です。

 

 

カラスの行為も、途中までは間違ってはいなかったのです。

神様ですら素晴らしいと思ってしまったからです。

 

 

■なぜカラスはコンテストに勝てなかったか?

 

 

しかし最後は
「寓話のオチ」
のように失敗に終わります。

 

 

他の鳥たちに
「カラスはインチキをしている」
暴露され、散々な目にあいました。

 

 

寓話では
「だましてはいけない」
という教訓になるでしょう。

 

 

では営業ではどうでしょうか?

もちろんお客様をだましてはいけません。

 

 

しかしコンテストに出場している別の鳥を
「競合」
と考えると少し視点が変わってきます。

 

 

売れない営業がなかなかできていないのが
「競合との比較」
です。

 

 

自分たちの提案のすばらしさだけを伝える営業が非常に多いですね。

しかしこれでは契約は取れません。

 

 

なぜなら
「人は絶対評価ができない生き物」
だからです。

 

 

恐らく営業が行う提案は
「お客様にとって未知」
の部分が多いはずです。

 

 

お客様が熟知しているならば
「営業」
という行為は発生しません。

 

 

未知の部分を明らかにして
「解決策を見つける」
ことが営業を受ける目的です。

 

 

絶対評価ができないにもかかわらず
「自分たちの情報しか伝えない」
となると、お客様は判断ができない事となります。

 

 

営業で重要な点の1つに
「競合情報の出し方」
があります。

 

 

私は営業技術の1つで
「比較と予防接種」
という技術をトレーニングでは教えています。

 

 

この営業技術を使うことで
「お客様の期待を高め、不安を取り除く」
ことが誰でも出来るようになります。

 

 

非常に強力なプレゼンテーションスキルを身につけることになります

 

 

お話では
「鳥たちはカラスをボロボロにしてしまう」
という行動を取りました。

 

 

この行動自体は褒められたものではありませんが
「競合」
という視点で見れば、正しい着眼点だったと言えます。

 

 

もしほかの鳥たちが
「私の方がきれいです」
と神様に提案し続けていたら、結果は違っていたでしょう。

 

 

神様に
「見たものが全て」
のメカニズムが働き、カラスが優勝したことになったでしょう。

 

 

寓話を
「営業の視点」
でみると多くの気づきがありますね。

 

 

ぜひあなた自身の営業活動に活かしてみてください。

 

 

今日はビジネス寓話シリーズ「美しい鳥コンテスト」をお送りいたしました。

 

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著者

行動創造理論第一人者
レゾンデートル株式会社代表取締役
齋藤英人

自らが開発した「行動創造理論」を活用し企業研修、公開講座、ビジネス講演など年間100回以上登壇をしており、大手企業や成長企業を中心に営業力向上と売上拡大に力を注いでいる

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