「臆病な決断」経営者と管理職の大きな溝

2019.01.29

齋藤英人
レゾンデートル株式会社 代表取締役
『行動創造理論』第一人者
自らが開発した「行動創造理論」を活用し企業研修、公開講座、ビジネス講演など年間100回以上登壇をしており、大手企業や成長企業を中心に営業力向上と売上拡大に力を注いでいる

 

今日は

「臆病な決断」

というテーマに触れてみたいと思います。

 

 

①決断を恐れる管理職

②2つのシナリオであなたはどちらを選択する

③経営者と管理職の大きな溝

 

 

組織の中では

「決断」

を恐れている人がいるのをご存知でしょうか?

 

 

それは

「報酬と懲罰」

の体系に要因があります。

 

 

多くの組織では

大きな利益を上げたときの報酬は小さく

それと同規模の損失を与えたらクビが飛ぶ

という体系になっています。

 

 

最初は

「自分と会社の中立に立ち、リスクを取って利益を上げよう」

と行こうとする管理職もいます。

 

 

しかし時間を重ねるにつれ

「リスクに対して回避」

する行動をとるようになります。

 

 

ある企業の管理職トレーニングでの話です。

 

 

各事業部の部長が出席をしています。

 

 

部長たちには

「あるシナリオ」

が用意されました。

 

あなたの事業部に投資機会が与えられました。

想定される結果は2つです。

 

A 50%の確率で2億儲かる

B 50%の確率で1億損をする

 

 

「このプロジェクトを引き受けたい!」

と答えたメンバーはどれくらいいるでしょうか?

 

 

やりたいと答えたのは

「23人中3人」

という結果です。

 

 

同じ質問を

「会社のオーナー」

にしました。

 

 

一連のプロジェクトが

「独立をしている」

 

つまり

「あるプロジェクトの成功と失敗は他のプロジェクトに影響がない」

という状況だとしたら

 

 

「何件実行したいですか?」

と聞きました。

 

 

オーナーの答えは

「全部だ!」

と答えました。

 

 

このシナリオは経済学的にいえば

「期待損益は+5,000万円」

のシナリオです。

 

 

23件実行すれば

「11億5千万円」

の利益を見込めることになります。

 

 

計算をすれば

「損失が出る確率は5%未満」

です。

 

 

経営者であれば直感的に

「引き受ける」

という判断をします。

 

 

しかし

「管理職」

の答えは全く違うものでした。

 

 

この臆病な決断が蔓延すると

「経営者は23件投資したい」

 

 

しかし実際には

「3件しか実行されない」

ということになります。

 

 

なぜプロジェクトにチャレンジしないかと聞くと

「成功すればボーナスが出るだろうが、失敗したら仕事を失う」

という答えが返ってきました。

 

 

「自分の仕事が好きだから」

「この会社が好きだから」

という気持ちが、リスク回避を生む要因になっています。

 

 

従来の

「インセンティブ・システム」

ではリスクを取れないということなのかもしれません。

 

 

「動かないことがリスク」

ということは企業幹部であれば理解をしているはずです。

 

 

市場の変化に対して

「マネジメントのテクノロジーの進化」

は止まっていることを感じますね。

 

 

今日は

「臆病な決断」

というテーマに触れてみました。

 

 

レゾンデートル株式会社 ~行動創造理論~

齋藤

 

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著者

行動創造理論第一人者
レゾンデートル株式会社代表取締役
齋藤英人

自らが開発した「行動創造理論」を活用し企業研修、公開講座、ビジネス講演など年間100回以上登壇をしており、大手企業や成長企業を中心に営業力向上と売上拡大に力を注いでいる

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