今日は
「臆病な決断」
というテーマに触れてみたいと思います。
①決断を恐れる管理職
②2つのシナリオであなたはどちらを選択する
③経営者と管理職の大きな溝
組織の中では
「決断」
を恐れている人がいるのをご存知でしょうか?
それは
「報酬と懲罰」
の体系に要因があります。
多くの組織では
大きな利益を上げたときの報酬は小さく
それと同規模の損失を与えたらクビが飛ぶ
という体系になっています。
最初は
「自分と会社の中立に立ち、リスクを取って利益を上げよう」
と行こうとする管理職もいます。
しかし時間を重ねるにつれ
「リスクに対して回避」
する行動をとるようになります。
ある企業の管理職トレーニングでの話です。
各事業部の部長が出席をしています。
部長たちには
「あるシナリオ」
が用意されました。
あなたの事業部に投資機会が与えられました。
想定される結果は2つです。
A 50%の確率で2億儲かる
B 50%の確率で1億損をする
「このプロジェクトを引き受けたい!」
と答えたメンバーはどれくらいいるでしょうか?
やりたいと答えたのは
「23人中3人」
という結果です。
同じ質問を
「会社のオーナー」
にしました。
一連のプロジェクトが
「独立をしている」
つまり
「あるプロジェクトの成功と失敗は他のプロジェクトに影響がない」
という状況だとしたら
「何件実行したいですか?」
と聞きました。
オーナーの答えは
「全部だ!」
と答えました。
このシナリオは経済学的にいえば
「期待損益は+5,000万円」
のシナリオです。
23件実行すれば
「11億5千万円」
の利益を見込めることになります。
計算をすれば
「損失が出る確率は5%未満」
です。
経営者であれば直感的に
「引き受ける」
という判断をします。
しかし
「管理職」
の答えは全く違うものでした。
この臆病な決断が蔓延すると
「経営者は23件投資したい」
しかし実際には
「3件しか実行されない」
ということになります。
なぜプロジェクトにチャレンジしないかと聞くと
「成功すればボーナスが出るだろうが、失敗したら仕事を失う」
という答えが返ってきました。
「自分の仕事が好きだから」
「この会社が好きだから」
という気持ちが、リスク回避を生む要因になっています。
従来の
「インセンティブ・システム」
ではリスクを取れないということなのかもしれません。
「動かないことがリスク」
ということは企業幹部であれば理解をしているはずです。
市場の変化に対して
「マネジメントのテクノロジーの進化」
は止まっていることを感じますね。
今日は
「臆病な決断」
というテーマに触れてみました。
レゾンデートル株式会社 ~行動創造理論~
齋藤