本日の記事の見出し
1つの話の中に3つの気づきがある話
大人気の
「ビジネス寓話シリーズ」
をお送りいたします。
「スープの石」
というお話です。
どんな教訓があるのでしょうか?
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ある村の女性の家に
「身なりの良い男性」
が訪ねてきました。
「何か食べ物をいただけませんか?」
と言われました。
「あいにく、何も無いのですよ」
と女の人が応えました。
男性は
「ご心配いりません」
とにっこり笑いました。
「このかばんの中にスープの石が入っています。
これを熱湯の中に入れれば、世界一美味しいスープが出来上がります。
大きな鍋にお湯を沸かしてください」
女の人は半信半疑で湯を沸かし始めました。
そして隣の家のおかみさんに、いきさつを話しました。
お湯が沸くころには近所の人が、全員揃っていました。
旅人はお湯の中に石を落として、スプーンでお湯を口にを含みました。
「うん!中々おいしい。ジャガイモが少し入ると上出来だ!」
と感想を述べました。
すると
「じゃがいもならウチにある」
と言って別の女性が皮をむいたジャガイモをたくさん持ってきました。
鍋に放り込んで、さらに一口旅人が飲みました。
「ああ、うまい!肉が少し入れば、素敵なスープになるのだが」
別の女性が肉をもって戻ってきました。
肉を入れて
「ああうまい!野菜が少しあれば」
「塩が少しあれば」
と言います。
そうやって次々と食材と調味料がそろいました。
旅人は
「それぞれのお椀を!」
と言って、みんなが自分の家からお椀を持ってきました。
旅人はみんなに
「信じられないほどの美味しいスープ」
をふるまいました。
みんなで美味しいスープを味わいながら
「笑顔のあふれる時間」
を過ごしました。
旅人はその間にこっそりいなくなりました。
奇跡のスープの石を残して…
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これは旅人が
「地域コミュニティの創造に貢献した」
というお話で取り上げられます。
確かにその側面が大きいお話です。
しかし私はちょっと違う視点でこの物語を見ていました。
ジャガイモ
肉
野菜
塩
これらスープの食材は
「全て手元にあるもの」
です。
そこに何の変哲もない
「スープの石」
を入れたら奇跡が起きました。
「村人全員の笑顔」
が生まれることになりました。
3つの視点で見ることができます。
1 組織
2 新たなアイデア
3 行動科学
■村を1つの組織として考えてみると…
1つ目は
「組織」
です。
村を1つの組織と考えるとわかりやすいですね。
村人は
「それぞれ持ち寄った食材」
が異なります。
「奇跡の石」
から始まったスープに、それぞれが持っているものを持ち寄りました。
ここで持ち寄った食材を
「メンバーのスキル」
に置き換えることができます。
「異なった能力と経験」
を持ち寄ることで、奇跡のスープが出来上がります。
■何の変哲のないものでも組み合わせれば価値が生まれる
2つ目の
「アイデア」
を見てみましょう。
このお話は
「新しいビジネスのアイデア」
に通じるものではないでしょうか?
手元にある資源に
「何の変哲もないものを加える」
だけで新しい価値を創造することができます。
スープの石は
「奇跡の石」
です。
ただそれ単体では
「奇跡でも何でもない」
ということです。
手元の資源を新たな価値に変える
「奇跡の石」
は近くにあるのかもしれません。
是非、見つけてみてください
■奇跡のスープを誕生させたのは行動科学によるもの
3つ目は
「行動科学」
です。
最初に立ち寄った女の人の家では
「食べるものは何もない」
と言いました。
きっとその通りだったと思います。
そこで旅人は
「鍋にお湯を沸かしてほしい」
と頼みました。
もし旅人が
「スープを作ってほしい」
と頼んだら、この話は終わっていたでしょう。
女の人は
「スープは創れません」
と断っていたはずです。
なぜなら
「スープにたどり着くまでの工程と食材」
を想像してできないと判断するからです。
ここで
「お湯を沸かしてください」
と頼んだことで行動が生まれました。
「お湯なら簡単に沸かせる」
と想像したからです。
ここからお話は同じパターンを繰り返します。
塩
じゃがいも
肉
野菜
それぞれ細かく依頼をしたので
「自分でもできる」
と村人が想像できました。
「スープの食材を全部持ってきてください!」
と頼んでいたら、またこの話はおしまいです。
人の行動は
「出来る限り細かくする」
ことで創られます。
まず目の前の
「小さな一歩」
を踏み出すことが本当に重要です。
動き出してさえしまえば
「勝手に行動が続けられる」
というのもメカニズムです。
「スープの石」
の話は1つの物語で3つの気づきをえられます。
これも「奇跡」なのかもしれません…
ビジネス寓話シリーズ「スープの石」をお届けいたしました。