【ビジネス寓話シリーズ】「ミルテの繁みのツグミ」営業が下手な理由がわかる話

2022.12.18

齋藤英人
レゾンデートル株式会社 代表取締役
『行動創造理論』第一人者
自らが開発した「行動創造理論」を活用し企業研修、公開講座、ビジネス講演など年間100回以上登壇をしており、大手企業や成長企業を中心に営業力向上と売上拡大に力を注いでいる

 

ダイエットと営業が上手く行かない理由を「鳥が教えてくれる」

 

 

今日は大人気の
「ビジネス寓話シリーズ」
をお送りいたします。

 

 

「ミルテの繁みのツグミ」

 

 

どんな教訓があるのでしょうか?

 

 

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鶫(つぐみ)がミルテの繁みで餌をついばみ、その実の甘さに飛び去りかねていました。

 

 

すると鳥刺(とりさし)が、その場を離れられない鶫を見てとって
「鳥黐(とりもち)」
で捕まえました。

 

 

鶫は殺される間際にあって言うには、
「ああ、情けない。命の糧の甘さのために、命を奪われるとは」

 

 

贅沢ゆえに身を滅ぼす救いようにない人に、この話はぴったりだ。

 

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「ミルテの繁みのツグミ」
のお話はイソップ寓話の一節です。

 

 

海外のお話なので聞きなれない言葉がいくつかありますが
「甘い実に夢中になり、つかまってしまった鳥の話」
です。

 

 

よくありそうな話ですが
「ビジネスの教訓が詰まったお話」
ともいえます。

 

 

どんな教訓があるのでしょうか?

 

 

■目の前の甘いものに手が出てしまうのは「行動科学によるもの」

 

 

まずはじめに
「人も同じ行動特性を持っている」
という点に触れておきましょう。

 

 

擬人化した鳥であれば
「目の前の甘いものにとらわれ、動かないと命を失う」
ということは想像できていたと思います。

 

 

人間に置き換えると
「甘いものや酒やたばこを続けていたら、健康を害する」
ということがわかっている状態に置き替えられるでしょうか?

 

 

「わかっているけれど、やめられない」といったところでしょうか。

 

 

目の前のものを優先してしまうのは
「脳のメカニズム」
によるものです。

 

 

あなたの脳は
「すぐにご褒美をもらえることを好む」
という特徴があります。

 

 

例えばダイエットや運動などは
「効果が出るのが数か月先」
となります。

 

 

しかし甘いものを食べたり、疲れたからと言って休むのは
「すぐにご褒美が得られた状態」
となります。

 

 

目の前の利得を手にするために
「あなたの脳が正当化する情報」
を意思決定に与え続けているのです。

 

 

なんとなく流れているTVや広告画像からも、支持する情報が目に付くようになります。

 

 

「短期的利得と長期的利得」
という行動メカニズムです。

 

 

寓話のツグミと一緒の行動をあなたも行っているということです。

 

 

■目の前の利得を優先するのは営業でも一緒

 

 

当然、営業の場面でも一緒です。

 

 

あなたが商談をしているお客様も
「目の前の利得を優先する」
という意思決定を無意識のうちに行っています。

 

 

ただ営業の提案が必要な商材は
「効果が出るのが少し先の商品やサービス」
であることがほとんどです。

 

 

目先の利得だけを得られるのは、単価の安い商材が多く
「商談が不要なもの」
が多いからです。

 

 

しかし普通レベルの営業はサービスの特質をそのままに
「長期的利得」
しか伝えていないことでしょう。

 

 

もちろん長期間効果があり、根本から仕組みを変えると言ったことは伝えなければなりません。

しかし、それだけでは脳は満たされず、行動が創られにくくなります。

 

 

トップセールスは本質の価値だけでなく
「導入すればすぐに入る利得」
も必ず伝えています。

 

 

ただし本人も意識しているわけではないので
「技術として継承されにくい」
という点があげられます。

 

 

長期的利得の伝え方のみフィードバックや指導が行われるだけでしょう。

トップセールスであり続ける本質は、何気ない細部に宿っています。

 

 

行動科学の視点から見れば
「重要な要素」
であることに気づき、見落とすことはありません。

 

 

今日はその1つである
「長期的利得と短期的利得」
の教訓をお届けしました。

 

 

ビジネス寓話シリーズ
「ミルテの繁みのツグミ」
をお送りしました。

 

 

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行動創造理論第一人者
レゾンデートル株式会社代表取締役
齋藤英人

自らが開発した「行動創造理論」を活用し企業研修、公開講座、ビジネス講演など年間100回以上登壇をしており、大手企業や成長企業を中心に営業力向上と売上拡大に力を注いでいる

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