営業とマネジメントにおいて「行動を創る方法」が詰まったお話
今日は大人気の
「ビジネス寓話シリーズ」
をお送りいたします。
「井戸に落ちたロバ」
どんな教訓があるのでしょうか?
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ある日ロバが井戸に落ちてしまいました。
ロバが何時間も泣き続ける間、農民はどうしたらいいのか考えあぐねていました。
やがて農民は決心をします。
「ロバはもう年寄りだ、井戸はいずれ蓋をしなければならない、苦労してロバを助けることはない」
農民は近所の人達に、手助けをしてくれと頼みます。
みんなは家からシャベルを持ってきて、泥をすくって井戸に投げ込み始めます。
何が起こっているのかわかったロバは、最初は恐怖のために鳴いていました。
しかしそのうち静かになりました。
しばらく泥を投げ入れてから、農民は井戸をのぞき込みました。
その時見たものに、農民は息をのみました。
ロバは背中に落ちてきた泥を使って、思いもかけなかったことをしていたのです。
泥を背中からふるい落とし、積み上げ、踏み固めて階段を創りました。
やがて井戸の縁から出てきたロバに、誰もが驚嘆しました。
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窮地に追い込まれた時に
「何をするべきか」
を教訓としたお話です。
また農民側から見た教訓は
「安易な考えは失敗する」
ということも同時に伝えてくれるお話です。
ビジネスではどんな教訓があるのでしょうか?
■ロバが井戸から出るためにしたことは何か?
ロバが井戸から出るために
「降ってくる泥を使った」
というのは端的な話です。
重要なのは
「今ある状況の中で、最適な行動を取った」
ということです。
もともとロバは恐怖で鳴いていました。
生物の最も強い行動動機が
「恐怖」
です。
恐怖を避けるために行動するのは人も同じです。
お客様の行動
部下の行動
ビジネスというのは誰かの行動を創るためのものです。
その結果、売上や利益という結果となります。
誰かの行動を創るために
「良いことばかり」
を伝えたとしてもあまり効果がありません。
誰かの行動を創り、成果を手にしたいのであれば
「恐怖を活用する技術」
が非常に効果的です。
ただし恐怖をあおるのとは全く異なります。
ロバの恐怖により行動が生まれました。
農民の泥を入れるという行動から導かれました。
今回のお話は農民がロバを見捨てるという選択でしたが
「ロバを助ける」
という目的でも同様の行動は効果的だったはずです。
ほとんどの営業やマネージャーは
「良いことばかりを伝えて行動を創ろうとしている」
なかで、あなたが恐怖を活用出来たら、かなり違う成果を手にできることでしょう。
恐怖から避けるためには
「人は行動をする」
ということを覚えておくといでしょう。
しかし行動することで
「リスク」
を感じ払しょくできなければ行動は止まります。
■この寓話にはプレゼンテーションの黄金法則が隠されていた!?
もう1つ
「井戸に落ちたロバ」
のお話にはビジネスの教訓があります。
プレゼンテーションの黄金法則です。
プレゼンテーションに必要な要素は何でしょうか?
答えはストーリーです。
視覚情報としてイメージできるストーリーで伝えると
「話し手と聴き手の脳波が一致する」
ということが研究でわかっています。
つまり共感が生まれ、その結果行動が創られるということです。
ではストーリーの中で重要ポイントは何でしょうか?
答えは「穴に落ちる」ということです。
人が興味を示すストーリーは
「人が穴に落ちる話(失敗)」と「穴から出てくる話(克服)」
のパターンです。
ヒットしたアニメや小説の全てにおいて
「失敗し克服する」
という要素が入っています。
「最初から最後まで順風満帆でした」
などという話は存在しません。
「井戸に落ちたロバ」の話は正に穴に落ちた話です。
プレゼンテーションで活用する技術は
「Vスタイル」
と名付けて営業研修で指導をしています。
ストーリーを使うだけで
「中々数字の上がらない営業が、トップセールスに近づくことが出来る技術」
として多くの成果を残しています。
寓話を読み返して、ストーリの基本を見直してみてください。
今日は大人気のビジネス寓話シリーズ
「井戸に落ちたロバ」
をお送りいたしました。