守銭奴の男がしなければならなかったこととは?
今日は大人気の
「ビジネス寓話シリーズ」
をお送りいたします。
「守銭奴」
どんな教訓があるのでしょうか?
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守銭奴が全財産を換金し、金塊を買って城壁の前に埋めました。
気になるのでしょっちゅうそこに行っては
「あるかどうか」
検分していました。
ところが近くの職人がそれに気づき、男が立ち去ったあとで全部盗んでしまいました。
男は次にやってきて、金塊がないことに気づき、髪をむしって泣きわめきました。
それがある人が見て、理由を聞いて言います。
「お前さん、悲しむことはない。同じ場所に石を埋め金だと思えばいい。金がある時にも使わなかったぐらいだから」
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「守銭奴」はイソップ寓話の一節です。
お金を土の中に埋めたままであれば
「石と一緒」
ということです。
物の価値は使って初めて発揮するという教訓です。
ビジネスにおいてはどんな教訓があるのでしょうか?
■お金の3つの機能のうち1つだけを重視したから財産を失った男
物語の主人公は
「お金を失う」
ことが怖かったのでしょう。
使って少なくなるのを恐れたのでしょう。
お金をためることが趣味の人もいます。
ただお金は
「使って初めて価値がある」
物の象徴です。
お金はそもそも
「取引の際の交換手段」
として生まれたものです。
そしてお金を動かすことによって
「経済が回っていく」
ことは誰もが知っていることでしょう。
お金の巡りを血液に例える人もいるくらい、動かすのは重要です。
使わなければ
「ただの紙であり数字のデータでしかない」
というのもお金の機能の一部です。
物語では男がお金の機能の
「保存のみを重視したために失敗をした」
という教訓を伝えているのだと思います。
■お金を動かす仕事なのに、一番ポジションが低いという現実
お金を動かす重要性に触れてみました。
市場の中でお金を動かす役割をしているのは営業だと思います。
経営者が1か月休んだとしても
「会社が動き続ける」
ことは想像できるでしょう。
バックオフィスの担当が1か月休んでも
「会社がなくなる」
ということもないでしょう。
しかし営業が機能停止したらどうなるでしょうか?
お金が入ってこななくなるので、かなり厳しい状況になるかもしれません。
企業が倒産する最大の理由は
「出ていくお金よりが言ってくるお金が少ないから」
です。
そして外からお金を稼いでくるのが
「営業の役割」
となります。
しかしながら
「営業の地位」
というのは高くないような気がします。
もしかしたら
「営業だけはやりたくない」
と思っている人もいるでしょう。
企業の中には
「スキルを持っていない人を営業にする」
というケースも少なくありません。
理系出身でプログラムをかける人はエンジニア
法務の知識がある人がバックオフィス
そして目立った資格やスキルを持たない人が営業
私が若いころ所属した企業の配属はこんな感じでした。
ただ営業の指導をしている立場からすれば
「非常に難しい仕事」
だと感じています。
コミュニケーションによって
「人の行動を創り出す」
というのは簡単なスキルではありません。
恐らくどれだけテクノロジーが発達しても
「交渉」
という仕事はなくならないでしょう。
営業力さえあれば、どんな仕事もできるでしょう。
何なら起業をしても十分にやっていけるはずです。
私は自らが提唱をしている行動創造理論を用いて
「営業の地位をあげたい」
と日ごろから思っています。
営業が正しく交渉をすれば
「お客様の課題が解決され、笑顔が生まれる」
と思っているからです。
行動創造理論による営業研修を受けた受講生が
「半年で予算を達成している」
という報告をいただくことが多いのですが、うれしいですね。
ものもともっているスキルが正しく使われるようになったからです。
営業自身も笑顔でいてくれますし、お客様も笑顔でいてくれるはずです。
そして、市場で正しくお金が回る一助になってくれたと思っています。
物語の男も営業力があり稼げる人間だったら、行動は変わっていたことでしょう。
持っている資産を再投資して、さらにお金を回る市場を作っていたことでしょう。
近くの職人に盗んだお金ではなく
「仕事を通じたお金」
を届けられていたのかもしれません。
今日はビジネス寓話シリーズ
「守銭奴」
をお送りしました。