人気の
「ビジネス寓話シリーズ」
をお送りいたします。
今日のお話は
「小僧に負けた和尚さん」
というお話です。
どんな教訓があるのでしょうか?
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昔、ある山寺に
「素直で正直な小僧さん」
が和尚さんと二人でいました。
この頃のお坊さんは
「魚を食べてはいけない」
事になっていました。
しかしこの山寺の和尚さんは鮎が大好物でした。
いつも小僧さんに見つからないように、こっそり鮎を食べていましたが、とうとう見つかってしまいます。
和尚さんは思わず
「これはおかみすり(剃刀)だ」
とごまかしました。
翌日、小僧さんと一緒に馬に乗って出かけた和尚さんは
「何事が起こっても黙って後ろからついてこいと」
命じました。
小僧さんは言われた通り
「川を渡るときにタバコ入れが馬から落ちた」
のですが、何も言わずに見送りました。
後からタバコ入れがないことに気が付いた和尚さんは
「これからは馬から落ちた物は何でも拾え」
と命じました。
やがて、前を歩いていた馬の尻から
「糞」
がポタポタと落ち始めました。
これを見ていた小僧さんは
「和尚さんの大切な傘」
で馬糞を受け止め、必死に後をついて歩いていました。
振り向いた和尚さんはビックリして
「すぐに川に捨ててこい」
と怒鳴りつけました。
小僧さんは
「和尚さんの言う通り」
にしているのに怒られるのか理由がわかりません。
言われた通り川に行って傘を洗っていました。
すると、傘の中にたくさんの鮎が入ってきて、それを見ていた和尚さんは喜びました。
しかし小僧さんは言われた通り
「ポイっと」
傘も鮎もみんな川に捨ててしまいました。
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小僧さんは
「言われた通りやっているのに怒られる理由がわからない」
とあります。
しかし、このお話を見た人は
「怒られても仕方がない」
と感じるでしょう。
フンが出てきたり、昔ばなしなので
「笑い話」
ということになるでしょう。
しかしこの話は
「身近」
にはありませんか?
言われたことしかやらない
言われた通りにしかできない
そもそも指示をださなければ動かない
こんな人が身近にいたりしませんか?
このお話の
「小僧さん」
そのものです。
では、小僧さんがいけないのでしょうか?
もちろん違います。
上司である
「和尚さんの指示」
に問題があります。
ではどこに問題があるかわかりますか?
マネージャーには初歩的な問題ですね。
■マネジメントの初歩の問題とは
その問題は
「目的が指示に入っていない」
ことです。
「〇〇をしなさい」
という指示に目的がないためにおかしな結果を招いています。
例えば資料を作ってきた部下に
「赤と青と緑といろんな色を使っているから見にくい」
とアドバイスをしました。
小僧さんのような部下は、どんな行動を取るでしょうか?
その部下がとった行動は
「赤をピンクに変えて持ってきた」
です。
笑い話のような話ですが、実際にあった話です。
このような部下には
「2色以内にしなさい」
という指示が必要だったのかもしれません。
ただこのようなマネジメントではキリがありません。
マネージャーであれば、考えさせなければなりません。
条件を与えて、その範囲で自ら考えさせる
「ミッションリーダーシップ」
のマネジメントが重要です。
「どうしたらよいですか?」
という部下の質問にどう答えていますか?
「〇〇したほうが良い」
と自分なりの答えを反射的に与えていないでしょうか?
その質問には
「どうしたらよいと思う?」
が正しいマネジメントの回答です。
そして出てきた答えに必ず
「なぜ?」
を聞いてあげることです。
こうすることで部下の脳の別の回路を動かすことができます。
もしこれができないと和尚さんが小僧に負けたように
「部下に負けてしまう管理職」
となってしまうでしょう。
昔ばなしなら
「傘をなくして、鮎が食べられなかった」
で済みます。
現在のビジネスだったらもっと大きなものを失うでしょう・・・。
今日はビジネス寓話シリーズ
「小僧に負けた和尚」
をお送りいたしました。