【第37回ショッピングの科学】レジとATMの列が嫌われる理由とは

2020.01.18

齋藤英人
レゾンデートル株式会社 代表取締役
『行動創造理論』第一人者
自らが開発した「行動創造理論」を活用し企業研修、公開講座、ビジネス講演など年間100回以上登壇をしており、大手企業や成長企業を中心に営業力向上と売上拡大に力を注いでいる

 

なぜレジとATMの列は嫌なのか?

 

今日はシリーズ
「ショッピングの科学」
をお送りいたします。

 

37回目のテーマは
「列で嫌なこと」
です。

 

<index>

①列に並んでいて人が一番嫌がるもの

②アメリカの2大小売りチェーンの対策

③必要なのは話し相手と気晴らし

 

 

■列に並んでいて人が一番嫌がるもの

 

前回の記事でも
「待ち時間」
に触れましたが今日ももう少し掘り下げてみましょう。

 

レジで待っている時間

銀行のATMで待っている時間

 

これらが好きな人はいないと思います。

 

人気飲食店の行列

テーマパークのアトラクションの行列

まだこれらの方がましのような気がします。

 

なぜでしょうか?

 

目的の違いというのはありますが
「人が並ぶことで嫌なことがあるか無いか」
が一番の要因です。

 

レジやATMの列

飲食店やアトラクションの列

この2つの列の違いは一体何でしょうか?

 

それは
「不安」と「後悔」
です。

 

不安は
「この列がどんなスピードで進んで、いつ自分の番がくるのか」
がわからないことです。

 

3人前のお客さんがお金が足りなかった

年配のお客さんがATMの操作がわからなかった

こういうことが起きただけで、いつ自分の番が来るかわからなくなる不安です。

 

また後悔は
「自分が選択した列より、他の列が早く進んでいる時」
に起こります。

 

 

■アメリカの2大小売りチェーンの対策

 

アメリカの2大小売り業者は
「列の並び方」
に工夫をしてお客様のストレスを軽減しています。

 

家電販売のベストバイ

食品チェーンのホールフーズ

この2つのチェーンの取り組みを見てみましょう。

 

 

【家電販売のベストバイ】

このお店では
「お客様を迷路に案内する」
という方法を取っています。

 

高い壁があるので
「自分の前に何人並んでいるかわからない」
としました。

 

またその列のそばには
「乾電池や手ごろな価格のゲーム」
などを置いています。

 

 

【食品チェーンのホールフーズ】

何本かの短い列に並んでもらうことにしています。

これだとよく見かけるやりかたです。

 

列の頭上に
「番号が出るモニタ」
を設置しています。

 

先頭に並んでいる人が
「どの番号のレジに行けばよいか」
を指示しています。

 

システムが管理していて
「列の並びが平等に見える」
点が素晴らしいですね。

 

お客様に気配り、目配りができている
と示すことができます。

 

こうすることで
「お客様の不安」
といものを解消しています。

 

 

■必要なのは話し相手と気晴らし

上記の例のように
「大がかりな仕組み」
というのは難しいかもしれません。

 

すぐにできることといえば
「話しかける人を配置する」
でしょうか?

 

人は話しかけられると
「待ち時間が短く感じる」
ようになります。

 

この時気を付けるのは
「1人で来ているお客様」
です。

 

十魚印との接触を必要としているのは
「1人で来ているお客様のほう」
だからです。

 

試食品の展示

実演販売

このような新商品の宣伝を行っても良いかもしれません。

 

ただ待っているだけなので
「必ず見てくれたり、試したり」
してくれることでしょう。

 

こうすることで待っている人の気晴らしにもなります。

 

購買プロセスの
「最後の時間」
でネガティブにしてはいけません。

 

なぜなら
「最後に感じたもの」
がそのまま購買体験のすべてとインプットされてしまうからです。

 

ネガティブな時間で終えてしまえば
「楽しかった買い物が台無し」
となります。

 

つまりそのお店での購買体験は
「悪い体験」
を記憶されることになります。

 

待ち時間をどうするか、改めて考えてみてはいかがでしょうか?

 

今日はシリーズショッピングの科学
「列で嫌なこと」
に触れてみました。

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著者

行動創造理論第一人者
レゾンデートル株式会社代表取締役
齋藤英人

自らが開発した「行動創造理論」を活用し企業研修、公開講座、ビジネス講演など年間100回以上登壇をしており、大手企業や成長企業を中心に営業力向上と売上拡大に力を注いでいる

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