ビジネスにおける主語の大切さとは?
今日は人気の
「ビジネス寓話シリーズ」
をお送りいたします。
「旅人とオノ」
どんな教訓があるのでしょうか?
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2人の男が、一緒に旅をしていました。
そのうち、1人が
「道に落ちているオノ」
を拾いました。
それを見て、もう1人が、
「ぼくたちは、オノを拾った」
と言いました。
すると、拾った男が
「ぼくたちは、拾ったではなくて、『きみは拾った』と言えよ」
と言いました。
しばらくすると、そのオノを落とした男が2人を追いかけて来ました。
その男は盗賊で
「盗んだオノ」
を落としてしまったのです。
「ああ、もう駄目だ。ぼくたちがオノを横取りしたと思っている。ぼくたちはもう助からない」
オノを拾った男がなげくと、もう1人の男が言いました。
「『ぼくたちは助からない』じゃなくて、『ぼくは助からない』と言えよ。」
だって、さっきオノを拾った時に、きみはぼくを仲間に入れなかったのだから
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この寓話は
「イソップ童話」
の一節です。
良い事があった時
不幸な目に会った時
友人に対して態度を変えてはいけないという教えがある話です。
もちろん
「ビジネス」
においても重要なことは言うまでもありません。
■売れる営業が使う主語と、売れない営業が使う主語
よく見るとこのお話は
「ぼく」と「僕たち」
と2種類の主語の使い方で話が構成されています。
営業でも主語は非常に重要です。
営業の初歩の話でもあります。
さて
「売れない営業が使っている主語」
はなんでしょうか?
営業を行う上で
「3個」
の主語があります。
1 私(I)
2 あなた(You)
3 私たち(We)
売れない営業が一番使っている主語は
「私(I)」
です。
商談のトーク全てを
「AI解析」
をして、文字起こしにして解析するツールを弊社で提供しています。
「AI解析」を使った結果を見ると明らかです。
売れない営業は終始「私」という主語を使っています。
少なくとも
「あなた(You)」
に主語が変わらない限り、お客様の脳は反応しません。
そもそも
「営業の提案の話」
を信じているお客様はいません。
信じていないという時点では、あなたの営業が悪いのではなく
「お客様全員が行っている無意識の反応」
です。
だから営業には
「言葉を使って、お客様の脳を反応させる」
必要があるのです。
少なくとも営業が
「私」
という主語を使っている限りは反応しません。
売れる営業は
「私たち」
という言葉を使います。
私たちとすることで
「お客様と営業の脳波が一定になる」
という効果があるからです。
■営業の主語に関する2つの営業技術
最後に
「主語に関わる営業技術」
をご紹介いたします。
まずは事前準備、企画で活用出来る技術です。
【3ステップ仮説法】
事前準備で仮説を立てる際に
「3人の主語」
で仮説を検証すると、非常に精度の高い仮説になります。
まず自分の立場で仮説をたてる
ここまではいつも通りです。
次に主語を変えて
「あなた(お客様)」
で仮説を見てみます。
お客様になり切って仮説見ると
「自己都合や穴」
が良く見えるようになります。
人の脳は
「自分にとって都合の良い情報を集めてしまう」
という習性があります。
主語を変えることによって
「習性から起こるエラー」
を避けることができます。
そして最後に
「出来る営業」
になり切って仮説を検証してみましょう。
社内のトップセールスだったら
営業成績が良かった部長なら
社長が営業するとしたら
自分の立場を変えて仮説を検証してみてください。
すると気づかなかった点が見つかります。
意識的に視点を変えるだけで
「あなたの脳の信号」
は変わります。
たったこれだけで、営業成績は簡単に上がるようになります。
もう1つは
「プロスペクト理論」
に触れておきます。
プロスペクト理論というのは
「行動経済学者ダニエルカーネマン」
によって提唱されたメカニズムです。
端的に言えば
「人は得をするより、損をする方が大きく感じる」
というものです。
つまり営業では
「このままだと損をする」
という提案が必要ということです。
あなたが
「製品やサービスの良さ」
を一生懸命伝えても響きません。
お客様が
「このままだと損をしてしまう」
という提案に変えるということです。
さて、もうお気づきですね。
主語が簡単に入れ替わっています。
「私の製品が…」
「お客様がこのままでは…」
主語を変えるというのは
「人の脳のメカニズムに沿った提案」
ということです。
この寓話では
「ビジネスの主語の大切さ」
を教訓として教えてくれています。
今日はビジネス寓話シリーズ「旅人とオノ」をお送りいたしました。