【ビジネス寓話シリーズ】「船旅をする人々」嵐を避けた船とダメ営業の共通点

2022.06.05

齋藤英人
レゾンデートル株式会社 代表取締役
『行動創造理論』第一人者
自らが開発した「行動創造理論」を活用し企業研修、公開講座、ビジネス講演など年間100回以上登壇をしており、大手企業や成長企業を中心に営業力向上と売上拡大に力を注いでいる

嵐から逃れ助かった乗客と、売れない営業がやっていることとは?

 

 

今日は大人気の
「ビジネス寓話シリーズ」
をお送りいたします。

 

 

「船旅をする人々」

 

 

どんな教訓があるのでしょうか?

 

 

————————————–

 

人々が船に乗り込んで航海に出ました。

 

するとやがて海は大荒れになり、嵐に遭いました。

 

乗客の一人は着物を引き裂き、泣き喚きながら、祖国の神々に向かって
「皆の命が救われたら感謝の供物を捧げる」
と約束をしました。

 

やがて嵐は止み、凪が戻りました。

 

すると、九死に一生を得たと、乗客は祝宴を張り、ドンチャン騒ぎをしました。

 

堅実な舵取りは忠告しました。

「皆の衆、われわれは、ひょっとしたらまた嵐になるかもしれぬ、と言うつもりで喜ばなければなりませんぞ」

 

————————————–

 

このお話は
「イソップ物語の一節」
です。

 

 

原文では
「運は回りモノ」
という教訓を伝えています。

 

 

では、ビジネスではどんな教訓があるのでしょうか?

 

 

■なぜ人はすぐに楽観的に考えてしまうのだろうか?

 

 

まず考えるべきは
「嵐にあったが九死に一生を得た」
あとの心理です。

 

 

当然、生き残ってラッキーだったために
「祝宴」
を行ったわけですが、気を付けるべき点があります。

 

 

直近の事実として、嵐が来ても助かったということを
「過大評価」
する可能性があるということです。

 

 

また嵐が来たのは1回ですが、もし同じように
「嵐が来ても助かった」
となると、情報の捉え方が変わります。

 

 

偶然が続くと乗客の中には
「嵐が来ても大丈夫」
と自分の脳の中の情報を書き換え始めます。

 

 

嵐から助かったのは偶然にも関わらず
「脳のデータベースが書き換えられる」
事が起きています。

 

 

「人は自分にとって都合の良い情報を重視する」
というバイアスが働いています。

 

 

普通に考えても
「一度助かったのだから、また嵐が来ても大丈夫」
ということはありえません。

 

 

1度目の嵐で船に損傷もあるはずなので
「リスクは高い」
と考えるべきです。

 

 

しかし人の脳はこのような状況の際に
「リスクを低く見積もる」
ということを知っておくべきでしょう。

 

 

このお話の1つ目の教訓です。

 

 

■多くの営業が「船旅をする人々」と同じことをしている

 

 

あなたも同じようなことを
「普段の仕事」
でやってはいませんか?

 

 

一度うまく言った提案を
「別のお客様にも提案する」
ということはありませんか?

 

 

「そんなことはない」
と思っている人でもやっていると思います。

 

 

人の行動メカニズムでは
「最小努力の法則」
に基づいて意思決定をしています。

 

 

同じ結果を得るためならば
「出来る限り楽な方を選択する」
ようにプログラムされています。

 

 

普通に考えれば
「お客様が違えば課題も異なる」
はずなので、同じ提案で良いはずがありません。

 

 

しかし多くの営業は楽な選択をしてしまいます。

 

 

同じ提案で行けるはずとして
「自分にとって都合の良い情報ばかり集める」
ことでしょう。

 

 

提案が上手く行った理由には
「ほとんどに科学的根拠がある」
といって良いでしょう。

 

科学的根拠は
「原因と結果がはっきりしていて、同じ条件であれば再現性がある」
ということです。

 

 

もし見つけられれば、根拠の部分だけを取り出し
「次の案件で当てはまるようなら使う」
とすれば良いでしょう。

 

 

ただし
「営業の中で科学的根拠を見つける」
というのは容易ではありません。

 

 

最大の理由は
「あなたの意志決定がほとんど無意識に行われているから」
です。

 

 

無意識の選択に
「再現性の根拠」
を見つけるのは難しいでしょう。

 

 

私はその難しい部分を切り出すために
「行動創造理論」
を開発しました。

 

 

ノーベル賞を取るような優秀な学者たちの叡智を
「営業の再現性」
に変換した理論です。

 

 

あなたもご存じのような
「営業のセオリー」
はすべて科学的根拠があります。

 

 

原因と結果の結びつきを再現できることが
「科学を基軸とした営業術」
となります。

 

 

最後に今日の寓話に話を戻しましょう。

 

 

このおお話しでも
「同じ条件の嵐であれば避けることが出来る」
というのはわかるでしょう。

 

 

しかし営業よりもつかみにくい
「自然のチカラ」
であるならば、備えは必要となりそうです。

 

 

それならばせめて再現性を見出すことが出来る
「ビジネス」
においては準備をしておきたいですね。

 

 

今日はビジネス寓話シリーズ「船旅の人々」をお送りしました。

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著者

行動創造理論第一人者
レゾンデートル株式会社代表取締役
齋藤英人

自らが開発した「行動創造理論」を活用し企業研修、公開講座、ビジネス講演など年間100回以上登壇をしており、大手企業や成長企業を中心に営業力向上と売上拡大に力を注いでいる

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