【ビジネス寓話シリーズ】「飼われたロバと野生のロバ」無能な営業が知らないこと?

2023.03.26

齋藤英人
レゾンデートル株式会社 代表取締役
『行動創造理論』第一人者
自らが開発した「行動創造理論」を活用し企業研修、公開講座、ビジネス講演など年間100回以上登壇をしており、大手企業や成長企業を中心に営業力向上と売上拡大に力を注いでいる

 

 

今日は大人気の
「ビジネス寓話シリーズ」
をお送りいたします。

 

 

「野生のロバと飼われたロバ」

 

 

どんな教訓があるのでしょうか?

 

 

———————————————————–

 

飼われたロバがひなたぼっこをしていました。

 

 

その様子を野生のロバが見つけ、近づいて行きこういいます。

「たくましい体をして餌に恵まれた幸せ者よ」

 

 

その後、飼われたロバが荷物を担ぎ、後ろからロバ追いに棍棒で殴られるのを見ました。

 

 

そして野生のロバは
「もうお前を果報者とは思わない。ひどい災難と引き換えにたらふく食べているということが分かった」
といいなおしました。

 

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「野生のロバと飼われたロバ」
のお話はイソップ寓話の一節です。

 

 

「危険や苦難と抱き合わせで得られる儲けは、羨むにあたらない。」
と原文には教訓として記してあります。

 

 

ビジネスではどんな教訓があるのでしょうか?

 

 

■「同僚が贔屓されている」と思うのは本能のメカニズムから

 

 

初めに野生のロバが思ったのは
「飼われたロバがうらやましい」
ということです。

 

 

「隣の芝は青い」ということわざを記した物語です。

隣の芝を青く感じてしまうのは、脳のメカニズムからくるものです。

 

 

人の意思決定には
「相対性剥奪」

というメカニズムがあります。

 

 

誰もが
「無意識のうちに脳が比べてしまう」
というものです。

 

 

そして比べたときに、先に意識が到達するのが
「足りていない部分」
となります。

 

 

人の脳は危険を察知することに長けているため
「優れた部分より劣っている部分を見つける」
ことになります。

 

 

よって無意識になにかと比べたときに
「失った喪失感」
を得てしまうのです。

 

 

野生のロバも最初は
「相対性剥奪のメカニズム」
で飼われたロバを幸せ者としました。

 

 

同じ職場でも
「同僚のほうが贔屓されている」
と思ってしまうのも同じメカニズムです。

 

 

ただし相手も同じように
「あなたのほうが贔屓されている」
と思っていることでしょう。

 

 

お互いに物語のロバと同様ということです。

 

 

■無能な営業と優れた営業の提案力の差を示してくれている

 

 

もう1つ脳のメカニズムに触れておきましょう。

 

 

人の脳というのは
「絶対評価が出来ない」
という特性があります。

 

 

平たく言えば
「何かと比べないと価値を評価できない」
ということです。

 

 

このお話では
「参照点の違い」
について触れています。

 

 

「餌の取り方」の参照点があります。

 

 

野生のロバは
「自分は餌を見つけるのに苦労している」
という参照点があります。

 

 

そして飼われたロバは
「楽にえさを得ている」
という参照点があります。

 

 

しかし物事は1つの軸では成立しません。

必ずほかの要因が絡みます。

 

 

もう1つの軸は
「自由度」
になります。

 

 

縦軸が自由度

横軸が餌の取得の容易さ

上記のように設定することができます。

 

 

例えば野生のロバは
「自由度10」「餌の容易さ2」
という設定になります。

 

 

飼われたロバは
「自由度1」「餌の容易さ10」
という設定になります。

 

 

もし飼われたロバが
「自由度4」「餌の容易さ9」
という軸だったら、野生のロバはうらやましいと思い続けたでしょう。

 

 

営業においても
「参照点」
は非常に重要です。

 

 

しかし単純な提案に終始する営業がほとんどです。

 

 

「ウチの製品は〇〇です」
と一方的な話ししかできない営業です。

 

 

またお客様の
「■■が課題だ」
という表面的な情報に飛びついてしまうだけの営業です。

 

 

ただ現時点では多くの営業が
「参照点」
の重要性に気づいていません。

 

 

脳のメカニズムから考えれば絶対に必要な技術です。

ただ、知らないのでしょう。

 

 

私の提唱する
「行動創造理論」
にふれた方からすれば、知らない営業はありえないと思うことでしょう。

 

 

とはいえ
「参照点」
に触れた営業はほかの営業と比べて、提案の差別化が大きくできます。

 

 

その分成約率も高まり、売り上げが容易にあげられます。

また、提案力が高いと利益率も上がります。

インセンティブも稼げますし、時間の余裕も生まれます。

 

 

ぜひ多くの営業に手にしてもらいたい技術です。

 

 

今日はビジネス寓話シリーズ
「飼われたロバと野生のロバ」
をお送りしました。

 

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著者

行動創造理論第一人者
レゾンデートル株式会社代表取締役
齋藤英人

自らが開発した「行動創造理論」を活用し企業研修、公開講座、ビジネス講演など年間100回以上登壇をしており、大手企業や成長企業を中心に営業力向上と売上拡大に力を注いでいる

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