【ビジネス寓話シリーズ】「ひばりの引っ越し」モノゴトを動かせない本当の理由

2020.04.05

齋藤英人
レゾンデートル株式会社 代表取締役
『行動創造理論』第一人者
自らが開発した「行動創造理論」を活用し企業研修、公開講座、ビジネス講演など年間100回以上登壇をしており、大手企業や成長企業を中心に営業力向上と売上拡大に力を注いでいる

 

あなたの行動はヒバリに見透かされている!?

 

 

大人気の
「ビジネス寓話シリーズ」
をお送りいたします。

 

「ひばりの引っ越し」
というお話です。

 

このお話にはどんな教訓があるのでしょうか?

 

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春先になって
「ひばりが麦畑に巣」
を作りました。

 

 

初夏のある日「大勢」の村人がやってきて
「そろそろ麦を刈らないとな~」
と話をしていました。

 

これを聞いていたひばりの子供が
「お母さん麦刈りが始まるから、引っ越ししよう」
と言いました。

 

しかしひばりのお母さんは
「まだ、大丈夫」
と平然としていました。

 

 

数日がたって「3人」の村人が
「ぼちぼち、麦を刈らないとな~」
と話していました。

 

これを聞いていたひばりの子供が
「お母さん、もう駄目だよ!」
と叫びました。

 

しかしお母さんは
「まだ、大丈夫」
と取り合いませんでした。

 

 

更に数日後・・・

 

 

今度は村人が「一人」でやってきて
「じゃあ、ぼちぼちやるか」
とつぶやきました。

 

 

そこで初めてお母さんは言いました。

「さあ、逃げましょう」

 

 

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この寓話の教訓は何でしょうか?

 

一見すると
「わかりにくい」
かもしれません。

 

 

ただこの話は
「ビジネスの現場」
で良くされる話でもあります。

 

 

人間は
「みんなでやろう」
と言っているうちは誰もやりません。

 

数人で
「やろう」
と言っても誰もやりません。

 

 

フランスの心理学者
「リンゲルマン」
が研究でこの心理を明らかにしました。

 

集団で綱引きをして
「1人がどれだけのチカラを発揮したか」
を調べました。

 

 

1人の場合 100%のチカラ

2人の場合 93%のチカラ

3人の場合 85%のチカラ

8人の場合 49%のチカラ

 

 

このように人が増えると
「無意識のうちに手抜きをしてしまう」
というのが我々の性質です。

 

「人さえ増やせば生産性が上がる」
というのはまやかしのようですね。

 

 

 

モノごとは
「誰か1人の行動」
から始まります。

 

また、その意思が見られた時に
「物事が動き出す」
ということをこの寓話は教えてくれています。

 

 

例えば
「職場をみんなで綺麗にしよう」
と言っているうちはきれいになりません。

 

そもそもこの目標設定では
「絶体に達成されない」
でしょう。

 

達成される目標の要素が1つも入っていません。

 

 

目的

方法

スケジュール

この項目が一切入っていません。

 

「行動の質と量」
も示す必要があります。

 

 

標語1つで
「人の行動」
は創り出されません。

 

「行動創造の正しいプロセス」
をセットしたときに動き出します。

 

職場を綺麗になるのは
「誰かがほうきで掃き出した」
瞬間からはじまります。

 

 

ヒバリのお母さんはこのことを知っていたのです。

 

「複数の人が来てもやらない」
ということを。

 

一人が来て
「やろう!」
としたときに物事が動くことを。

 

 

「意識の変革」
ということではありません。

 

大事なのは
「行動をどのように創り出すか」
ということです。

 

 

「当事者意識をもって仕事をしてください」
ということは誰もがわかっていることです。

 

大切なのは
「具体的にどのような行動なのか?」
ということを示すことです。

 

 

経営者やマネージャーの指示は。そこまで徹底していません。

 

「伝えれば本人がやってくれるだろう」
と思ってはいないでしょうか?

 

それも
「誰かがやってくれるだろう」
と同じ思考です。

 

あなたの行動は
「ヒバリのお母さん」
に見透かされていませんか?

 

 

今日はビジネス寓話シリーズ「ひばりの引っ越し」をお届けいたしました。

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著者

行動創造理論第一人者
レゾンデートル株式会社代表取締役
齋藤英人

自らが開発した「行動創造理論」を活用し企業研修、公開講座、ビジネス講演など年間100回以上登壇をしており、大手企業や成長企業を中心に営業力向上と売上拡大に力を注いでいる

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