今日は
「ショッピングの科学」
をお送りいたします。
今日のテーマは
「試用」
です。
①お客様は試して買いたい
②化粧品メーカーの苦闘・・・
③最新の購買体験とは
■お客様と小売業者の解決されない争いとは・・・
お客様と小売業者の間では
「解決されない争い」
が数多くあります。
その中でも
「お客様の試したい」
という気持ちを取り上げます。
化粧品会社の例を見てみましょう。
女性は化粧品を買う前に
「試したい」
という感情があります。
「化粧品は高価である」
「肌によって見た目が違う」
から当たり前かもしれません。
しかしメーカーは反対に
「商品を試してほしくない」
という本音がありました。
それは
「ちょっとでも使われた商品は売れない」
からです。
お客さまに
「見本品を用意する」
とはしていますが
「業界標準」
となるほどの完璧なものはありません。
■絶対安全な口紅vs図太い女性客の勝者は
そこである化粧品メーカーが
「絶対安全な口紅」
を考案しました。
「テープを切らないと繰り出せない口紅」
というものです。
メーカー側は
「お客様はチューブの中を覗き込んで、色の確認しかできない」
「口紅本体に触れることが無いから、売り続けることができる」
と考えました。
これによって
「何百万というコストを削減できる」
と踏んでいました。
しかしお客様の思考は
「かなり上」
にありました。
キャップを外し
中を覗き込み
繰り出せないことがわかると・・・
爪の先をチューブに突っ込み
「本体を削り取る」
という行動に出たのです。
化粧品メーカーは
「またしても裏をかかれた」
というわけです。
化粧品メーカーも
「試用すること」
が売り上げにつながることを認識しています。
しかし
「ロスが問題」
ということです。
■小売業界の永遠の課題「ロス問題」にどう対応するか
さてあなただったらどう対策しますか?
ヒントは
「試用がロスではなく、利益がついてくる」
となればよいということです。
1つのアイデアはこうです。
シーズンごとの新しい色の
口紅
チーク
アイシャドウ
などをまとめて
お試しできる
「2~3回分のパック」
を数百円で作ればよいのではないでしょうか?
資生堂では
「AI」
を活用したサブスクリプションを開始しました。
カメラで肌状況をとらえ
AIで最適な配合を算出し
肌に合った保湿液を抽出する
これを
「月額1万円」
で提供するというサービスです。
試して合うものを探すのではなく
「テクノロジーで提案する」
という方法です。
「新しい購買体験」
への挑戦と言えます。
化粧品業界は
「マス戦略」
から
「パーソナライズ戦略」
に変わってきています。
他の業界でも同じような流れになるでしょう。
この時
「科学的な対策」
「テクノロジーによる対策」
は必須になるでしょう。
「ショッピングの科学」の重要性は
ますます大きくなっていきそうです。
今日はショッピングの科学
「試用」
をお送りいたしました。