本日の記事の見出し
消費者がお店に求めている本当のこと
シリーズショッピングの科学をお送りいたします。
第29回のテーマは
「ブランドネームの価値の低下」
です。
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①消費者が触れたり試したりする背景は?
②清涼飲料水のトップブランドでも勝てない
③お店はどこまで理解をしているか?
■消費者が触れたり試したりする背景は?
前回の記事で
「触れたり試したりするのが重要」
ということに触れました。
その背景の1つに今回のテーマの
「ブランドの価値の低下」
があります。
消費者が有目なブランドを信奉していたころには
「ブランドネーム」
が売り上げを大きく左右していました。
しかし今はそんなことはありません。
■清涼飲料水のトップブランドでも勝てない
清涼飲料水のカテゴリのトップブランドは何かご存知ですか?
サントリーの「天然水」ブランドです。
このブランドが一番売り上げが高いブランドです。
天然水ブランドが満を持して
「お茶」
カテゴリに商品を投入したのはご存知でしょうか?
もしかしたら知らないという人も多いかもしれません。
これがブランド価値の低下を顕著に表しています。
20年ほど前であれば
「有名ブランドが投入した商品」
は例外なく売れました。
私が経営をしている小売店でもその傾向は顕著でした。
そのためブランドの無い新商品が売れることが難しかったことを覚えています。
■今の消費者が求めている行動とは?
今の消費者の行動はこの通りです。
自分で見る
自分で触る
自分で匂いを嗅ぐ
自分で味わう
自分で聞く
自分で試す
これにより
「納得」
をした商品のみ検討をします。
そして商品や値段次第で
「疑心暗鬼」
になります。
すっきりとした気持ちで買い物をしたければ
その疑念を振り払う必要があります。
それには
「TVコマーシャル」や「クチコミ」
を通じてではなく自分の感覚で確かめたいという欲求です。
そしてその価値を納得したいということです。
■お店はどこまで理解をしているか?
例えば家電量販店を見てみましょう。
これからプリンタ商戦の時期になります。
広々としたコーナーに
「数多くのプリンタ」
が展示されていると思います。
では問題です。
「この中で電源が入っていて、印刷用紙が補給されている」
という機械は何台あるでしょうか?
恐らく数台だと思います。
行動科学の観点からみても
「大きな失策」
であることがわかります。
「みたものがすべて」
という人間の強い行動心理を満たせない状況を作っているからです。
実際に使ってもらって
「これを使って印刷している自分」
を想像させるプレゼンテーションができれば保有効果も刺激します。
しかしほとんどのお店では試すことはできない上に
「検討する前に声をかけてしまう」
ことで売り場からお客様を追い出すことに精を注いでいます。
「お客様に確信をもって買っていただく」
ために必要なことは何かを考えてみるのが重要ではないでしょうか?
今日はシリーズショッピングの科学をお送りいたしました。