今日は
「ショッピングの科学」
をお届けいたします。
第4回のテーマは
「小売店が知らない」
です。
①コンバージョン・レート
②滞在時間
③応対率
さて
「大手チェーンの重役」
と聞けば知的かつ有能であることは疑う余地はないでしょう。
ただ
「あなたの店で、実際に物を買うのは店を訪れる人のうち、何人くらいですか?」
という質問に答えられないことがあるそうです。
総売上
平均売上高
前年比
地域ごとの売上
品目やカテゴリごとの売上
こういったことはすべて知っていますが・・・
小売店が知らないことを見ていきます。
小売店が知らないこと①
「コンバージョン・レート」
コンバージョン・レートとは
「お店に来たお客様のうち、どれだけの人が購買行動をしたか」
ということです。
100人来店して50人買ってくれたら
「50%」
になります。
この数値は
「お店や商品の種類」
で大きく変わるでしょう。
スーパーであれば
「100%」
に近い数値かもしれません。
高価な絵画ギャラリーであれば
「200人に1人」
くらいでしょうか?
いずれにせよこの指標が
「経営にとって極めて重要」
ということは間違いありません。
例えば野球で
「100本ヒット」
を打ったとします。
これが
「300打席」
「1000打席」
かによって意味合いは違います。
これを受けて
「出入り口にカウンター」
を付けた店舗も多く増えました。
しかし実際には
「その数値では役に立たない」
ということです。
性別、年齢といった
「属性」
しか取れません。
ネットの世界では
「地域、年収、趣味、職種、家族構成」
なども把握しています。
もちろん
「個人ごとの購買履歴」
も細かに抑えられています。
このことからも店舗型は
「普通にやっていたらネットに勝てない」
と思われても仕方がありません。
小売店にとっては大きな課題です。
小売店が知らないこと②
「お客様の滞留時間」
さてクイズです。
「女性が化粧品を買うのに費やす時間は?」
ある大手化粧品会社の役員は
「10分」
と答えたそうです。
実際は
「2分30秒」
です。
この
「店舗の滞留時間」
「売上」
の2つは密接に関係していることが分かっています。
【電器店】
非購入者 5分6秒
購入者 9分29秒
【玩具店】
非購入者 10分
購入者 17分以上
このようなデータがあります。
お店側がすることは
「お客様の買い物時間を長くすること」
です。
まずは
「現時点で、自分のお店でどれだけ購入するのに時間をかけているか」
を把握することが大切です。
そうしてからお店を
「滞在したいと思わせる楽しい空間」
にする必要があります。
小売店が知らないこと③
「応対率」
これは
「従業員がお客様に何らかの接触を持つ割合」
のことです。
現在どんなお店でも
「減っている」
という現象が起きています。
それは
「人手不足」
「コスト削減」
により従業員が店舗からいなくなっているからです。
明確なデータとして
「お客様と従業員の接触が増えるほど平均売り上げが伸びる」
というものがあります。
店員の一番の業務は?
と聞かれたら何と答えますか?
恐らくは
「接客」
と答えると思います。
しかし実際は
棚の整理
会計処理
をしている時間が多くはないでしょうか?
お客様に
「モノを取り持つ」
ことが重要ですが、時間が取れていません。
こういう状況では
「業績悪化」
は目に見えています。
「ネットと一番差別化できるポイント」
でもあるはずです。
ここまで見てきた3つは、非常に重要な指標ですが
「知らない」
という店舗が多いのではないでしょうか?
もし捉えていない指標があれば
「すぐにでも」
取り掛かるほうが良いかもしれません。
第4回のショッピングの科学では
「小売店が知らないこと」
に触れてみました。