あなたの選択は誰が決めている?
今日は大人気の
「ビジネス寓話シリーズ」
をお送りいたします。
「市中の虎」
どんな教訓があるのでしょうか?
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戦国時代に
「ある大臣」
がいました。
人質となって行く王子に伴って
「遠い別の国」
に旅立とうとしていました。
大臣は見送る王様に
「一人の人が城下に虎がいる」
と言ったら、王様はこれを信じますか?と尋ねました。
王は「信じぬ」と答えました。
「二人の人が城下に虎がいる」
と言ったら、王様はこれを信じますか?
「信じぬ」
「三人の人が市中に虎がいる」
と言ったら、王様はこれを信じますか?
「余はそれを信じる」
大臣は言いました。
「城下に虎のいないことは明らかです。
それなのに、三人が言えば虎が出たことになりました。」
さらにこう続けます。
「私は遠いところに行きます。
私の噂をするものは三人以上はいます。
王様にはこの点をお察しくださるようお願いします」
しかし、大臣が遠い国から戻ると、王に会うこともできませんでした。
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これは中国の有名な故事です。
この話の教訓は
「ウソとわかっていても、数多く聞かされればホントになる」
ということです。
自分の組織では
「当たりまえ」
とのことがたくさんあります。
しかし市場に出ると
「まるで間違ったこと」
と知ることはたくさんあります。
これは脳のメカニズムの
「同調効果」
で明らかにされています。
■脳のメカニズムでは「人の選択」を重視する
あなたは
「自身の選択は自分で決めたい」
と思っているはずです。
しかし脳の自動システムは
「人の決定を重要視する」
メカニズムがあります。
これは太古から
「人の決定に従ったほうが息のこうる確率が高い」
と遺伝子に書き込まれている情報です。
この寓話の王様は結構単純で
「3人の証言」
で重要な決定をしてしまいました。
ただあなたも
「5人~7人」
から意見を聞けば、選択が変わる可能性があります。
簡単な問題でも
「5人がわざと同時に間違える」
とすると、その答えに引きずられます。
しかもそれが
「75%の人」
がそうなりました。
有名なマーケティングの
「イノベーター理論」
でも表れています。
誰も使っていない新しい技術に飛びつくのは
「たった4%」
です。
この割合からみれば
「変人」
と言われてもおかしくありません。
それだけ人は
「人の意見に引っ張られる」
ということです。
このメカニズムは
「営業」
で活用することができます。
いかに
「いろんな人に使われているか」
をプレゼンテーションしてみましょう。
また自身の
「行動マネジメント」
にも活用できます。
何かをするときに
「同調していないか?」
と1つ質問をぶつけてみましょう。
そうするとあなたの
「脳の熟考システム」
が働き、合理的な選択ができるようになります。
「誰かの行動が必ず正しい」
とは言い切れません。
本当に正しい行動は
「あなた自身が選択したもの」
であるべきです。
この寓話が1つの気づきになればよいですね。
今日はビジネス寓話シリーズ
「市中の虎」
をお送りいたしました。