傘屋の男の行動の2つの教訓
今日は大人気の
「ビジネス寓話シリーズ」
をお送りいたします。
「鳥になった傘屋」
というお話です。
どんな教訓があるのでしょうか?
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昔、河内の国に
「傘屋の政やん」
という若者がいました。
両親も無ければ兄弟もいません。
一人ぽっちのセイやんは、朝から晩まで
「傘を張る仕事」
をしていました。
ある日、風に飛ばされた傘を捕まえた際
「ふわりと体が浮く」
のを感じました。
それにひらめいたセイやんは
「人間が空を飛べる傘」
を作る事に夢中になりました。
鳥のように空を飛ぶためにと
「何度も失敗」
しました。
夜も昼も仕事はそっちのけで
「空飛ぶ傘作り」
に熱中したました。
そうして、ついにセイやんは、空を飛ぶ事に成功しました。
村の中で一番高い木のてっぺんまで登ります。
そこから傘で空を飛びながら、念願の鳥の気分を味わう事ができました。
空飛ぶ傘の噂は
「大坂の殿様」
の耳にも入る事となりました。
どうやら殿様は
「戦争のための道具」
として傘を買いつけたいとのことです。
それを聞いた政やんは
「人殺しのために傘を張ったんじゃない」
と、夕方こっそりと傘を広げて飛び立ちました。
そして大好きな鳥たちと一緒に、どこまでも飛んで行って消えてしまいました。
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このお話からは
「2つの教訓」
が読み取れます。
■失敗の先に成功があるという教訓
セイやんは空を飛ぶために
「何度も失敗をした」
とあります。
ただ本人は
「失敗」
と思っていないでしょう。
エジソンの有名な言葉と共通します。
『私は失敗したことがない。ただ、1万通りの、うまく行かない方法を見つけただけだ。』
『失敗したわけではない。それを誤りだと言ってはいけない。勉強したのだと言いたまえ。』
セイやんも
「空飛ぶ傘を創った発明家」
です。
共通する部分があるということでしょうか?
このことは
「絶対に失敗しない方法」
といえるかもしれません。
失敗というのは
「意図した結果にならなかったこと」
と言い換えられます。
この意図しない結果に対して
「反応の違い」
だけで失敗かそうでないかが分かれるだけです。
意図しなかった結果に対して
「何もしなければ失敗」
で終わります。
ただし
「適切なフィードバック」
を得られれば学習となります。
同じ結果を導かないように
「次は行動を変化させる」
ことができます。
失敗かどうかを決めているのは
「あなた自身」
です。
意図しない結果に
「フィードバックをしない」
と決断をしたあなたです。
少なくとも私自身は
「失敗」
というのは存在しないと思っています。
■同じものでも使い方で存在意義が変わる
もう1つの教訓は
「手段」
です。
空とぶ傘を
「戦争の道具」
につかうとされて、セイやんはいなくなりました。
機能は同じでも
「鳥のように大空を舞う」
とは大違いです。
例えば
「切れ味鋭い包丁」
があったとします。
料理人が持てば
「素晴らしい道具」
となります。
これを人に向けた瞬間
「凶器」
となります。
これは良くない例ですが
「ビジネスの道具は戦争道具」
が非常に多くあります。
そもそも
「マーケティング」
の多くは軍事的戦略にたどり着きます。
インターネットなどの技術も軍事用でした。
それを
「生活者の価値創造」
に使い方を変えてビジネスの道具になりました。
これはあなた自身も同様です。
機能は一緒です。
使い方はどうでしょうか?
もしうまくいっていないというのであれば
「使い方」
を変えてみるのも良いかもしれません。
もし使い方を変えて上手くいかなくても
「失敗」
ではありません。
1つ気づきを得ただけです。
そしてこれを繰り返していけば
「あなたの性能」
も確実に向上をしていることでしょう。
前に上手くいかなかったことだって
「容易にできるようになっている」
ことでしょう。
そしてそれは
「あなたの一生のスキル」
として手助けをしてくれるはずです。
今日はビジネス寓話シリーズ「鳥になった傘屋」をお送りいたしました。