本日の記事の見出し
あなたはどっち??おかしな判断するお役人、優秀な判断をしているお役人
今日は大人気の
「ビジネス寓話シリーズ」
をお送りいたします。
「しばられ地蔵」
どんな教訓があるのでしょうか?
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むかし、ある村の外れにお地蔵様が立っていました。
ある時、反物の入った大きな風呂敷包みを担いだ小僧が通りかかり、お地蔵様の前まで来ると木陰で昼寝を始めました。
しばらくして小僧が目をさましてみると
「風呂敷包み」
が無くなっています。
風呂敷包みはどこにも見当たらず、やがて小僧は大きな声で泣き始めてしまいました。
泣き声を聞きつけて、村人が大勢集まって来ました。
その内、お役人達も駆け付けました。
お役人が小僧に
「反物が無くなった時周りに誰かいなかったか?」
と尋ねます、
小僧は
「誰もおらんかったが、あのお地蔵様だけは傍におった。」
と答えました。
お役人は
「それならば、犯人はお地蔵様じゃ!」
とお地蔵様に縄をかけ、縛り上げてしまいます。
こうして、お地蔵様は捉えられ、裁判を受けることになりました。
しかしお役人がお地蔵様をどんなに厳しく追及しても、お地蔵様は一言もしゃべりはしません。
何を聞いてもお地蔵様が答えないので、お地蔵様を牢屋に放り込んでしまいます。
それを見ていた村人達は
「お地蔵様が口をきく訳がない」
と大笑をしました。
するとお役人は
「裁判を見て笑ったり、野次を飛ばしたりするとは、不届き千万!罰として一人一反ずつ反物を持ってこい!」
と怒っりました。
村人達は仕方なく一人一反ずつ反物を持ってきます。
そうして、お役人はその集まった反物の中から、盗まれた小僧の反物を探しださせました。
お地蔵様はというと
「反物が盗まれるのを黙って見ているとは不届き千万、罰としてそのままにしておけ」
ということで、しばらくの間、縛られたままでした。
こうしてお地蔵様は村人から縛られ地蔵と呼ばれたそうです。
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最初は間抜けなお役人かと思いましたが
「実は名案を持っていた」
というお話です。
とは言え、最後は縛っているので
「本当に話さなくて罰しただけ」
なのかもしれません。
さて、ビジネスにはどんな教訓があるのでしょうか?
■「お地蔵様が盗んだ」などというおかしな判断をあなたもしている
まずはじめに
「お役人がお地蔵さんを疑った」
という点から見てみましょう。
作り話でもあるため、おかしなことが起こります。
お地蔵様が犯人であるなどと、現実では思う人はいないでしょう。
ただし
「同じようなことをしている人は少なくない」
といこうとはご存じですか?
「そんなことはあり得ない」
ということを平気でやっているということを…。
身近な例で見てみましょう。
A型の人は几帳面
O型の人はおおらかで大雑把
B型の人はマイペース
AB型の人は二面性がある
上記を少しでも信じている人は、物語の役人と一緒です。
当たり前ですが、血液型と性格の関連性はありません。
もしあるとするならば
「プライミング」
といわれ、触れた情報によって行動が変わるということくらいです。
雨女や雨男も一緒です。
日本の年間降雨日数は117日です。
3日に1日は雨ということです。
30%の確率と言えば、営業の成約率よりも高いのではないのでしょうか?
イベントの日に雨が続いても不思議はありません。
もちろんビジネスにおいても同じような
「思い込みやあり得ない意思決定」
というのは日常的に行われています。
■お役人が反物を持ってこさせたのと同じことを、優秀な営業は行っている
お役人が
「地蔵が犯人かもしれない」
と思ったのは自身の仮説です。
お役人も仮説が正しいと思い込んだからこそ
「裁判を行った」
というストーリーになります。
ビジネスでの意思決定も
「仮説の思い込み」
が日常的に発生しています。
もっと言えば
「すべての意思決定は思い込みで行われている」
と言っても良いでしょう。
そもそも人の意思決定は
「目の前の情報」と「過去の記憶の情報」
を組み合わせて行われます。
目の前の状況を
「過去に経験した似たようなパターン」
で意思決定を行います。
これは常にイチから意思決定をしていていると
「すぐに脳が疲弊して動けなくなる」
ことから避ける脳の優れた機能の1つです。
しかしパターン化しているため
「思い込み」
となることもあります。
ビジネス上での意思決定のエラーの多くは
「仮説を信じ込み、自動的な思考で意思決定を行った」
際に起きています。
また、目の前の情報に飛びついてしまうというのも、無意識の意思決定です。
営業が上手く行かない大きな理由の1つでもあります。
お客様から言われた言葉に
「自分のパターンを当て込んで発言する」
という営業が売れるでしょうか?
「〇〇出来ますか?」と聞かれて
「はい!もちろんです」と答える営業は売れない営業でしょう。
優秀な営業は
「はい!もちろんです」
というパターンでは判断しないからです。
もっと有効な回答を知っています。
しかし優秀な営業のパターンも上手く行かない場合もあるでしょう。
もっと成約率を高めるには
「営業の発信する情報で、お客様の思考パターンを導く」
といった技術が必要です。
お役人さんが、村人全員に反物を持ってこさせたように…。
意思決定のメカニズムを先回りすることで
「ビジネスの成功の最短距離を進める」
ことでしょう。
そんな教訓が詰まったお話でした。
今日はビジネス寓話シリーズ
「しばり地蔵」
をお送りしました。