本日の記事の見出し
脳の中の自制心にも、体力と同様にスタミナがあった!?
今日は
「自制心のスタミナ」
というテーマに触れてみたいと思います。
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■自制心は人間が持つ優れた能力だが、スタミナも限られている
「自制心」とはどんなものでしょうか?
自制心とは
「感情をコントロールして、目の前の出来事に行動や態度を合わせる」
という能力です。
脳の中でも
「熟考システム」
と呼ばれるものを使った意思決定です。
言い換えれば生物の中で、人間だけが持つ優れた能力といって良いでしょう。
しかし熟考システムは非常に小さなものです。
怠けものですし、複数のことが重なるとすぐに停止します。
「狭い路地を車で曲がりながら、17×37の計算をする」
だけで停止をしてしまいます。
また自制心にも
「スタミナも限られている」
ことがわかっています。
■自制心にスタミナがあることを示したキャサリン・ボスの実験
自制心にスタミナがあることは、ある実験によって明らかにされています。
ミネソタ大学の心理学者
「キャサリン・ボス」
の実験です。
「かなり冷たい水の中に手を入れて我慢してもらう」
という実験です。
Aチーム
「冷たい水に手を入れて出来るだけ我慢してください」と伝える。
Bチーム
好きなペン、好みのTシャツ、選ぶ大学の講義など、いくつか考えて選択してもらう
その後「冷たい水に手を入れて出来るだけ我慢してください」と伝える。
どちらのチームが長く冷たい水に手を入れられたでしょうか?
余計な思考を必要としなかった
「Aチーム」
の方がかなり長く手を入れていました。
また別の課題にも取り組んでもらいます。
数学の問題に取り組んでもらいました。
こちらの場合も同様に、Aチームの成績が良いという結果になりました。
Bチームは
「ミスが多く得点が伸びない」
という結果になりました。
考えることによって
「熟考システムのスタミナ」
が無くなってしまったことを示しています。
そして、我慢やミスに変化が生じたということです。
■時間帯によってやるべき仕事と避けるべき仕事がある
自制心とは
「感情をコントロールして、目の前の出来事に行動や態度を合わせる」
と触れました。
スタミナを失うと
「感情のまま判断をする」
ということになります。
自制心を失った状態の判断は
「ミスが生じる」
だけではありません。
それぞれの持つ
「デフォルトの判断」
に大きく偏るということです。
例えば
「新規企画の提案」
というのは、中々アイデアが通りにくいものです。
いろいろな角度から見て
「これなら行けるかもしれない!」
と太鼓判を押される状態でスタートとなります。
しかし自制心のスタミナが無いと
「基本的には落とす」
というデフォルトの判断になってしまうということです。
「自制心とデフォルトの関係」
を考えると、交渉やお願いの成功率が大きく変わります。
基本的にOKをもらえるものであれば
「スタミナの切れた時間帯」
に話すと良いということです。
承認する上司や相手が
「まあ、いいんじゃない」
となります。
そして自分の仕事術でも同様です。
ミスが許されない仕事などは
「午前中の早いうちに設定しておく」
と良いでしょう。
お昼前や夕方の時間は
「自制心のスタミナ」
が失われているので、熟考システムが働きにくく、ミスが生じてしまう可能性があります。
キャサリン・ボスの実験の
「Bチームの状態」
といえばよいでしょうか?
自制心のスタミナを回復させるには
「ブドウ糖の摂取」
が効果的です。
仕事の合間に、ラムネなどを食べると維持できるようになります。
同じ仕事でも
「脳のスタミナ」
を考慮するだけで、成功率や生産性は大きく変わるということです。
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今日は「省略することで生じるミス」というテーマに触れてみました。