全くお得ではないのに、あなたがそれを選んでしまう理由

2019.11.25

 

人の無意識の行動を先回りした販売戦略とは

 

 

今日は
「販売奨励策」
というテーマに触れてみたいと思います。

 

<index>

①大成功を収めた「販売施策」とは?

②次にディーラーが打ち出した施策は?

③高いと断られても買ってもらう方法

 

 

■大成功を収めた「販売施策」とは?

 

アメリカの自動車メーカーは長年にわたって
「夏に売り上げが落ちる」
という問題を抱えていたそうです。

 

その理由として
「秋にニューモデルが発売される」
ことをお客様が知っているので、旧式のモデルを買わなくなるということです。


このままだとディーラの展示場には
「在庫が積み上がり、ニューモデルをお披露目するスペースがない」
という状況になってしまいます。

 

在庫処分をしなければならない自動車メーカーは
「販売奨励策」
を打ち出さざるをえなくなります。

 

 

あなたが店舗責任者だったらどんな策を打ち出しますか?

 

 

多くのディーラーで取られた施策の中での成功例の1つが
「キャッシュバック」
です。

 

金額は大体
「数万円のキャッシュバック」
です。

 

キャッシュバックとは
「単に割引きの言い方を変えただけ」
です。

 

しかし顧客の評判は非常に良い施策になりました。

 

単に割引しますというより
「キャッシュバック」
と言う方がなぜ効果的なのでしょうか?

 

 

頭の中に「貯金箱」を2つ思い浮かべてください。

 

①1つの貯金箱は車を買うお金が入っています。

②もう1つの貯金箱はまだ空の状態です。

 

割引という言い方だと
「①の貯金箱のお金」
しか変動しません。

 

キャッシュバックという言い方をすると
「②の貯金箱にお金が入ってくる」
と人の脳は捉えます。

 

つまり
「新しいお金が入ってきた!」
と錯覚をするわけです。

 

言い方を変えることで
「お客様にとって別会計」
となったわけです。

 

別会計となった新しく入ってくるお金は
「心理的に重みが増す」
ことを生み出しました。

 

ものすごくお得に感じたということです。

このためこの販売奨励策は瞬く間にディーラー間に広がりました。

 

本来は
「消費税分割引きする」
と言われた方がお得にもかかわらずです。

 

 

■次にディーラーが打ち出した施策は?

 

ただこれも長続きしませんでした。

 

なぜならどのメーカーもやったので
「特別感」
が無くなったからです。

 

特別感を感じなければお客様もお得には感じません。

人は特別扱いされるのが大好物です。

 

 

手詰まりになったディーラーは
「別のアイデア」
がひらめきました!

 

それは
「自動車ローンの金利を下げる」
というキャンペーンです。

 

当時、自動車ローンの金利が
「10%超」
の時代でした。

 

そこでわずか
「2.9%」
という自動車ローンを提供しました。

 

このキャンペーンは
「空前絶後の効果」
を上げたようです。

 

しかしよく考えると・・・

 

どう考えても
「キャッシュバックのほうが価値が高い」
ということがわかりました。

 

低金利を受けるよりも
「キャッシュバックのお金を頭金にする」
ほうがお得ということです。

 

しかし
「低金利を選ぶ人が圧倒的に多い」
という不思議な現象が起きました。

 

 

「割引」>「キャッシュバック」>「低金利」

 

 

ディーラーが打ち出した施策は本来
「お客様にとってお得ではない」
施策です。

 

しかし
「お客様は喜んで不合理な行動」
を取りました。

 

 

これはなぜでしょうか?

もしこのことが解明されれば、これからのビジネスに大きく役立てることができそうです。

 

 

■なぜ人は不合理な行動を自ら望んで取るのか?

 

これは
「先行情報を変えた」
ことによります。

 

行動科学では
「プライミング」
と呼ばれるものです。

 

今回の例でもう少しかみ砕いて言えば
「比較軸を変えた」
となります。

 

割引とキャッシュバックでは
「心の中の会計」
を変えています。

 

1つの貯金箱ではなく
「別の貯金箱のお金を増やす」
ということでお得感を増すことに成功しました。

 

実際は割引の方がお得にも関わらずです。

 

ただどのディーラーも同じ施策をすることでお得感は薄まります。

比較がキャッシュバックの金額自体に移ったからです。

 

こうなると数百万円の自動車価格に対して
「キャッシュバックの数万円ではどこも差がない」
と感じたことでしょう。

 

 

そこで次の施策は
「比較対象自体」
を変えています。

 

自動車ローンの金利キャンペーンでは
「相場の1/3以下」
という数字を打ち出しました。

 

聞いた感じでは
「自動車価格が1/3以下になった」
と錯覚することでしょう?

 

比較軸を自動車本体から金利に変え
「圧倒的なお得感」
を打ち出すことに成功しました。

 

実際は割引やキャッシュバックの方がお得なのに・・・

 

 

このように人は
「比較するもの」
によって行動が変わるということです。

 

たとえ営業で一旦
「高い」
と断られたとしても

 

その後
「比較軸を変えて提示」
することでお客様の行動を創り出すことができます。

 

この時大切なのは
「何と比べて高いと感じているのか?」
ということです。

 

人によってこれまでの
「購買体験」
は異なります。

 

営業で一番大事なのは
「お得に感じる伝え方」
ではありません。

 

お客様のこれまでの体験により
「何をお得に感じるのか?」
ということを商談のヒアリングで確認することが重要です。

 

それがお得かどうかは
「お客様が良く考えずに出している答え」
です。

 

深く考えずに答えを出す
「脳の自動システム」
による答えです。

 

思い込みだけで答えていることがほとんどです。

 

「高い」
と言われても実は根拠がないことが多くあります。

 

営業がすべきことは
「質問すること」
でお客様に考えてもらうことです。

 

脳のもう1つの
「熟考システム」
に働きかけることが重要です。

 

このようにあなたの行動を科学的にが変えれば
「お客様の行動を創り出すことができる」
ということです。

 

一流の営業は無意識にこのような行動を取れているということです。

 

 

■行動創造理論は脳のメカニズムを先回りする

 

私の提唱する「行動創造理論」は
このような脳のメカニズムに基づいた行動を体系化したものです。

 

  • 脳科学

  • 心理学

  • 行動科学

 

これらの数多くの研究や知見を「営業行動」
に体系的に落とし込んだものです。

 

それを身につけ飛躍的に売上を伸ばすプログラムをご提供しています。

 

  • 営業研修

  • マネージメント研修

  • 能力開発トレーニング

 

「売上に繋がる営業研修を実施したい」
「確実に営業力が上がる営業研修はないか」
と一度でも思ったことのある方は、ぜひ触れてもらいたいプログラムですね。

 

営業で成果を出すというのは
「人の行動を継続的に変化させる仕組み」
を本能の行動に合わせ考えてあげればよいだけです。

 

このようなプログラムにご興味をお持ちの方は、ご連絡をいただければと存じます。

ビジネスの課題をすべて解決できるようになるでしょう。

 

 

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今日は「販売奨励策」というテーマに触れてみました。

著者

行動創造理論第一人者
レゾンデートル株式会社代表取締役
齋藤英人

自らが開発した「行動創造理論」を活用し企業研修、公開講座、ビジネス講演など年間100回以上登壇をしており、大手企業や成長企業を中心に営業力向上と売上拡大に力を注いでいる

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