【ビジネス寓話シリーズ】「じゃれつくロバと主人」できないやつほど自信過剰!?

2022.05.22

齋藤英人
レゾンデートル株式会社 代表取締役
『行動創造理論』第一人者
自らが開発した「行動創造理論」を活用し企業研修、公開講座、ビジネス講演など年間100回以上登壇をしており、大手企業や成長企業を中心に営業力向上と売上拡大に力を注いでいる

自分が出来ることを勘違いするとこうなります…

 

 

今日は大人気の
「ビジネス寓話シリーズ」
をお送りいたします。

 

 

「じゃれつくロバと主人」

 

 

どんな教訓があるのでしょうか?

 

 

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マルチーズ犬とロバを飼う人がいました。

主人が遊ぶのはいつも犬とばかり。

 

おまけに、外で食事をした時には、お土産を持ち帰り、尻尾を振って迎えに出る犬に投げてやるのでした

 

 

ロバがこれをうらやんで、帰ってきた主人に駆け寄って飛び跳ねてました。

しかしロバは主人を蹴ってしまいました。

 

頭に来た主人は、ロバを叩きのめし、連れ出し
「飼葉桶につないでおけ」
と命じました。

 

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このお話はイソップ童話の一節です。

 

 

原文では
「万人が生まれつき万事に適しているわけではないことを、この話は解き明かしている。」
と記されています。

 

 

ではビジネスではどんな教訓があるのでしょうか?

 

 

■自分にできることを知る大切さ「自己評価の間違い」

 

 

ロバが主人に叩かれた理由はどこにあるでしょうか?

そもそも主人はロバにじゃれつくことを求めていません。

 

 

ロバはじゃれつくことで喜んでもらえると勘違いをしました。

ロバが正しく自己評価をできていないということです。

 

 

正しく自己評価できないことを
「ダニング・クルーガー効果」
と呼びます。

 

 

・能力が低い人は能力が低いから、自分を正しく見積もれない

・能力が低い人は、他人も正しく評価できない

・つまり能力が低い人は自己評価を過大評価する

 

 

「出来ないヤツほど自信過剰」というわけです。

 

 

正にロバが当てはまっています。

(イソップ童話ではロバが愚か者の役で登場することが多いですね)

 

 

もちろんロバだけではありません。

人間の世界でも多く存在をしています。

 

 

もしかしたらあなたも誰かの顔を思い浮かべたかもしれません。

 

 

あるプロジェクトが完了して
「一定の成果を残した」
とします。

 

 

プロジェクトメンバーに
「プロジェクトの成果を100とすると、あなたはどのくらい貢献しましたか?」
と質問をします。

 

 

全員から出てきた自己評価を足すと
「100を超える」
ことがほとんどの組織で起きます。

 

 

人は無意識のうちに
「自己評価を高く見積もる」
という性質があります。

 

 

多少の誤差なら良いのですが
「大きく見誤る」
とロバのようになってしまうということです。

 

 

誰もが何でもできるわけではありません。

 

 

自分にできることを見極めることは重要ですし、これからの市場では
「突出した能力(スキル)」
が求められることになります。

 

 

これから苦労するタイプは
「すべて平均点(ゼネラリスト)」
という人かもしれません。

 

 

■「適材適所」⇒「適所適材」の人材マネジメント

 

 

今日のお話は
「人材マネジメント」
にも気づきがあるお話です。

 

 

多くの組織では
「適材適所」
の考えで配置をしていることが多いと思います。

 

 

しかし本来は順番が逆で
「適所適材」
であるべきです。

 

 

企業の活動で一番重要なことは何でしょうか?

 

 

より多くの売上をあげる営業

市場に受け入れられる製品開発

多くの人に知ってもらうマーケティング

組織を支えるバックオフィス

 

 

全て重要ですが
「最も重要なものは?」
と聞かれた場合、少し違うかもしれません。

 

企業活動において重要なことは
「ビジョンの達成」
であると考えます。

 

 

ビジョンを達成するために
「重要なポジションは何か?」
ということを設定することです。

 

 

そしてそのポジションを担える人材を配置するのが
「適所適材」
という考え方です。

 

 

私自身も
「外部研修を始めて行う」
という中小企業様から相談を受けることがあります。

 

 

その際には
「キーポジションの設定」
のお話をさせていただいております。

 

 

研修というと
「実務に活用できるスキルアップ」
を目的と考えている企業も多くあります。

 

 

もちろん研修を通じてスキルは手にしますが
「どのポジションで活かすか」
ということまで想定されていないケースも見受けられます。

 

 

その際にはプログラム構築だけでなく
「人材計画を一緒に考える」
ということをさせていただいております。

 

 

研修やコンサルティングを通じて
「様々な組織」
に関わらせていただいているので、多少の知見はあるつもりです。

 

 

このお話で主人も
「犬のポジション」
はしっかりと確立できていたのでしょう。

 

 

しかし
「ロバのポジション」
がはっきりしていないため、力を発揮できなかったということでしょう。

 

 

もしかしたら、そもそもロバは必要なかったのかもしれません。

 

 

適材適所ではなく
「適所適材」
の考え方がこれからの組織づくりでは大切ということをロバが教えてくれました。

 

 

今日はビジネス寓話シリーズ
「じゃれつくロバと主人」
をお送りしました。

 

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行動創造理論第一人者
レゾンデートル株式会社代表取締役
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