あなたはどちらの集団に属していますか?
今日は大人気の
「ビジネス寓話シリーズ」
をお送りいたします。
「ロバを買う男」
というお話です。
どんな教訓があるのでしょうか?
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男がロバを買おうとして試しに連れて帰りました。
そして自分のロバと一緒にしてみました。
連れて来たロバは
「ロバの中で最も怠け者で、最も大食いのロバの側」
へ向かっていきました。
そして何もしようとしないので、男は縄をかけて元の持ち主に返した。
元の持ち主は
「こんなに早く気性がわかったのか?」
と尋ねると男は答えました。
「こいつが仲間に選んだ奴を見て、どんな奴か分かったのさ!」
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このお話は
「イソップ寓話」
の一節です。
「類は友を呼ぶ」
といったお話でしょうか?
ではビジネスではどんな教訓があるでしょうか?
■有名な例え「自分の年収は一緒にいる人10人の平均」
昔からよく言われるたとえで
「自分の年収はよく一緒にいる10人の平均」
という例えがあります。
上記の例えは
「あなたのいる環境」
と指します。
Aの集団
会社や上司の愚痴ばかりをこぼしている
誰かの悪口を言うことで自分を守っている
あらゆる物事に対してマイナスの批評を続ける
Bの集団
常に自己研鑽に努めている
積極的に人脈を広げて得るものを常に求めている
書籍やセミナーで新しい知見を取り入れようとする
さて、どちらの集団の人の年収が高いでしょうか?
統計を取ったわけではありませんが
「Bの集団」
の方が自己成長を実現していそうです。
寓話の中で買ってきたきたロバは
「一番の怠け者のロバ」
のところに寄っていきました。
それを見た男は
「ダメなロバ」
だと瞬時に判断をしました。
上記で言えば
「Aの集団を好む」
と判断をしたということです。
もしあなたが誰かを雇うとしたら
「Aの集団とBの集団どちらの人」
を採用したいですか?
受け入れる側の視点で見ると
「どちらが良いか」
見えてくるものです。
ではなぜ
「周りの環境が自分の行動」
となるのでしょうか?
周りがAの集団でも
「自分がBの意志を持っていればよいのでは?」
を考えることもできます。
もちろん実現できれば良いですが
「簡単ではない」
事は脳のメカニズムから明らかになっています。
そもそも人の脳は
「慣れ親しんだものを好む」
という性質があります。
なぜ慣れ親しんだものを好むのかというと
「脳はその場所が安全と判断する」
からです。
脳のメカニズムで一番強く働くのは
「本能の反応」
です。
つまり生命維持の反応です。
新しい場所は
「危険が潜んでいるかもしれないとアラートを発信」
するようになります。
しかし
「慣れ親しんだ場所では危険が無い」
と判断をしています。
上記の反応は
「全て無意識に行われている」
という点にあります。
元々
「Bの集団の意識」
を持っていたとします。
しかし常に触れる情報が
「Aの集団の情報」
となると、脳はマイナスの考えを安全と考えます。
しかもAの集団の発想の方が
「行動を伴わないためラクな判断」
となります。
ここでも脳は
「最小努力の法則」
と呼ばれる力を発揮して、あなたから行動を奪います。
今日の寓話のロバ脳が安全と思う情報は
「怠け者で大食い」
というものと判断をされたのでしょう。
■Bの集団も強い意志を持っているわけではない
Bの集団がなぜ成長に近づくのでしょうか?
理由は
「ギャップモチベーション」
と呼ばれるものにあります。
人の脳は
「無意識のうちに足りないものを補う」
という非常に高性能な機能を持っています。
「おはうよございます」
「ありがうとございます」
「きようはいい天気ですね」
恐らく何も負荷が無く
「読むことが出来た」
はずです。
全ての言葉は間違っています。
しかし問題なく読めるのは
「脳が自動で情報を補っている」
からです。
自己成長につながっていくのも同様です。
常に自己研鑽に努めている
積極的に人脈を広げて得るものを常に求めている
書籍やセミナーで新しい知見を取り入れようとする
Bの集団の行動は
「新しい情報を取り入れる能動的な行動」
です。
つまり
「今自分にない情報」
を手にしていく行動です。
もうお分かりだと思います。
今の自分と未来の姿において
「足りない情報」
を脳が勝手に補おうとしてくれるようになります。
すると普段気づかなかったことでも
「簡単に見つけることが出来る」
となります。
例えば
「車が欲しい」
と思った瞬間に、街行く車の車種や色に目が行くようになります。
なまけようとする機能
足りない情報を補おうとする機能
2つの根本は同じ働きです。
ただし
「目の前の情報の与え方」
で人の行動は全く異なります。
人の行動の全ては
「連想記憶」
によって司られています。
目の前の情報が
「マイナスの情報」
ばかりだと記憶の中もマイナスであふれます。
目の前の情報と過去の記憶を結び付けたものが
「連想記憶」
です。
そして連想記憶から
「未来の結果を想像し行動を選択する」
というメカニズムです。
もし常にマイナスの情報にさらされていたら
「記憶の中の情報もマイナスであふれる」
ということとなります。
するとせっかく目の前に良いチャンスが来ても
「マイナスの記憶と結びつけてしまう」
こととなります。
人の行動を変えるとしたら
「連想記憶を書き換える」
ことが必要です。
そのためには
「脳に負荷をかけない情報の提示の仕方」
が求められます。
Aの集団に
「もっと前向きに考えようよ」
と声を変えても全く効果はありません。
しかし別の情報の与え方をすれば
「Aの集団の連想記憶が変わる」
こととなります。
情報の与え方で脳の働きが変わり
「人の行動が変わる」
ということをご認識いただけたでしょうか?
営業でお客様を動かす
マネジメントで部下を動かす
ビジネスにおいても
「連想記憶を書き換える」
事で導くことが出来ます。
ぜひあなたも身につけてみてはいかがでしょうか?
方法は
「行動創造理論」
ですべて記されています。
今日はビジネス寓話シリーズ「ロバを買う男」をお送りいたしました。