ビジネスの視点で見ると強烈な教訓があるお話
今日は大人気の
「ビジネス寓話シリーズ」
をお送りいたします。
「井戸の中のキツネとヤギ」
というお話です。
どんな教訓があるのでしょうか?
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あるときキツネが、水を飲もうとして井戸に落ちてしまいました。
井戸から出ることができず、しかたなくじっとしていました。
そこへのどが渇いた
「ヤギ」
がやって来てキツネを見つけました。
「おーい、キツネさん!井戸の水はおいしいかい?」
と尋ねました。
キツネは
「冷たくておいしい水だよ!ヤギさんも下りてきて一緒に飲もうよ!」
と下りて来るように勧めました。
ヤギは水が飲みたい一心で、後先のことも考えず、喜んで井戸の中へ飛び降りました。
そして水を飲み終わると、キツネと共に上り方を考え始めました。
キツネは
「二人が助かるための妙案を思いついた!」
と言います。
そして
「君が前足と角を壁にもたせ掛けてくれたら、僕が君の背中を駆けのぼって、君を引っ張り上げよう!」
と続けます。
ヤギはキツネの妙案に喜んで従いました。
しかしキツネはヤギの背中から角へと駆けのぼり井戸から出ると、
「さよなら」
をしようとしました。
ヤギは
「約束が違う!」
と文句を言うとキツネは振り返って言いました。
「ヤギさん、あなたにあご髭ほどの思慮があったら、上り方を考えるまでは下りてこなかったろうに」
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このお話は、イソップ童話の一節です。
約束を破った
「キツネのずる賢さ」
を表現した物語です。
しかし、ビジネス視点で見たとき
「キツネはずる賢いだけ」
でしょうか?
ビジネスの視点で
「キツネとヤギ」
をそれぞれ見てみましょう。
■失敗したとしても乗り越えようとするキツネ
まずキツネから見てみましょう。
昔話の教訓では
「ずる賢くすると痛い目に合う」
というのが定番です。
しかしそれは日本のお話で
「海外の寓話では痛い目に合わない」
という結末になっています。
相互扶助の文化のある日本
独立して生き抜く海外
それぞれの文化の違いを表しているといってもひょいかもしれません。
ただビジネスにおいては
「独立して生き抜くチカラ」
をより発揮する場面が多いのかもしれません。
この視点で考えると
「キツネの行動」
は大いに参考になりそうです。
まずキツネはのどが渇いた状態で
「井戸に飛び込む」
という失敗をしています。
しかしあきらめてはいません。
じっと策を練り
「ヤギが声をかけてきたチャンス」
を逃しませんでした。
心理学で
「レジリエンス」
という言葉があります。
レジリエンスとは
「困難な状況やストレスがかかった状況から立ち直るチカラ」
のことを指します。
非常にストレスがかかる現代のビジネス環境では
「重要なチカラ」
として組織論として用いられる要素となっています。
厚生労働省の調べでは
「60%」
の人がストレスを抱えて仕事をしているという発表がありました。
特に営業では
「お客様の購買ハードルの変化」
によって、さらにストレスが課kる状況です。
また
「数字のプレッシャー」
にもいつもさらされています。
特にレジリエンス力が必要となる職種と言えます。
その点でキツネは
「立ち直る機会をうかがい続けた」
という強さを見せました。
「ヤギを踏み台にする」
という方法は参考外ですが、得るべき教訓はレジリエンスにあります。
■目の前の情報に飛びつく愚かな営業と同じヤギ
一方でヤギは
「井戸の中に取り残されるかわいそうな存在」
として描かれています。
この点も
「これからの営業」
を端的に表しているといって良いでしょう。
もう少し言えば
「平均的なセールス」
を表現しています。
ヤギはキツネ甘言に
「すぐに飛びついた」
ことが失敗となりました。
しかし多くの営業がやっていることです。
お客様から
「〇〇の見積もりが欲しい」
と言われたら、あなたはどうしますか?
お客様から
「〇〇に困っている」
を言われたらどうしますか?
恐らく見積書を作ったり、提案書を作ったりするでしょう。
しかもその言葉を引き出した
「自分の営業力を評価する」
としているかもしれません。
営業の役割は
「お客様の課題を聞きだす」
と教えられてきたからです。
しかしこれからの市場では
「不要となる存在」
となってしまいます。
理由は
「お客様の購買ハードルがものすごく上がった」
からです。
多くのビジネスパーソンが
「かなりの仕事量」
を抱えています。
その中で
「課題を聞き出してくれる営業」
に時間を割く人はいないということです。
テクノロジーやサービスが進化し
「欲しい情報にたどり着く」
というのは容易になりました。
つまり
「既知の課題の解決方法を手に入れる」
というのはB2Bでも営業のチカラはいらないということです。
2021年以降の市場で求められる営業は
「どんな時代でも売上をあげられる営業」
だけです。
残念ながら
「ヤギレベルの平均的な営業」
は市場に残ることは出来なくなります。
ヤギのように
「話しが違う!」
といって取り残されてしまうことでしょう。
ビジネスの視点で見ると
「井戸の中のキツネとヤギ」
のお話は強烈な教訓があるお話でした。
これからの市場で生き残る営業になるためには
「行動創造理論」
にぜひ触れてみてください。
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今日はビジネス寓話シリーズ
「井戸の中のキツネとヤギ」
をお送りいたしました。