あなたもオオカミと同じような思い込みをしている!?
今日は大人気の
「ビジネス寓話シリーズ」
をお送りいたします。
「狼と子羊」
どんな教訓があるのでしょうか?
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子羊が川で水を飲んでいるのを狼が見つけ
「もっともらしい口実」
をつけて食べてやろうと思いました。
オオカミは川上に立つと
「お前は水を濁らせ、俺が水を飲めなくしてしる!」
と子羊に言いがかりをつけました。
子羊は
「ほんの唇の先で飲んでいるだけだし、川下にいるので川上の水を濁すことはできません」
と言い返します。
すると狼は
「お前は去年、俺の親父に悪態をついたぞ!」
と言いました。
子羊は
「一年前は、まだ生まれていません」
と言うと…。
「お前が何と言おうと、俺はお前を食べると決めているのだ!」
と狼は言いました
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狼のなんとも身勝手な言い分です。
道理のかけらもないお話です。
さてこのお話から
「ビジネスの教訓」
は得られるでしょうか?
■自分の考えが全て正しいと思い込むメカニズム
狼の言い分はひどいですが、あなたも同じことをしているかもしれません。
なぜなら人は
「自分の考えを正しいと思い込むメカニズム」
が誰もが持っているからです。
もっと言えば
「自分にとって都合の良い話しか信じない」
というメカニズムでもあります。
絶対間違っているのに
「主張を曲げない人」
もただ頑固なのではなく、のうのうメカニズムに由ることが多いですね。
行動科学で
「確証性バイアス」
を呼ばれるものです。
あなたの商談の事前準備で
「仮説」
立てるときにも起こります。
自分が一度思ったことがあると
「裏付ける情報だけを信じ、反証する情報は無視する」
となるでしょう。
最初は違和感があるのですが
「すぐに無意識に選択をし始める」
というのが確証性バイアスです。
狼の理不尽な口実も
「確証性バイアス」
が働いていたのかもしれません。
■あなただけでなくお客様も思い込みで意思決定をする
思い込みを信じるのはあなただけではなく
「お客様」
も同様です。
あなたは
「広告会社の営業」
だとします。
あなたがある企業に営業に行きました。
その会社は以前
「広告の配信」
をやっても全く効果が出ませんでした。
その組織の経営者やマーケティング責任者は
「広告には意味がない」
と考えていることとなります。
そんな時に
「前とは違います」
「今回の提案は…」
と伝えても、まったく意味がありません。
理由は
「連想記憶」
と呼ばれるものがあります。
人の意思決定は
「目の前の情報」と「過去の記憶」
を結び付けて行われます。
先ほどの例のように
「目の前の情報の出し方」
では連想記憶は変わりません。
営業の役割の1つに
「ニーズを顕在化させ緊急課題と認識させる」
ということがあげられます。
そのためには
「製品説明や機能説明」
などでは一切足りません。
ただ多くの営業がやっているのは
「無意味な説明」
だけでしょう。
連想記憶が変わる瞬間は
「目から鱗が落ちる」
に近いものがあるでしょう。
しかし普通の営業では起こせません。
なぜなら
「お客様も自分の考えが正しい」
と思っているからです。
そして常に
「自分の考えを肯定する情報だけに触れる」
事を無意識に行っているからです。
お客様の無意識の判断を変えるには
「科学を基軸とした営業技術」
が必要となります。
脳科学
行動経済学
認知心理学
科学の偉大なる発見を
「営業」
に変換させた技術が求められます。
行動変容ステージモデル
プロスペクト理論
プライミング
上記の技術は一例ですが
「科学を基軸とした営業技術」
を用いてお客様の連想記憶を変えなければなりません。
寓話では描かれていませんが
「子羊」
はあのままでは食べられてしまったことでしょう。
狼の連想記憶を変えることが出来ず
「思い込みのまま行動をさせた」
からです。
営業では食べられることはありませんが
「売上があがらず職を追われる」
ことになるでしょう。
2030年には
「50%の営業が職を失う」
と言われています。
あなたの連想記憶では
「そんなことはない」
と思い込んでいるかもしれません。
ただそれはあなたの間違った思い込みです。
8年前に今の状況は想像できていましたか?
狼と子羊の話は
「営業の未来」
を描いているといっても良いかもしれません。
今日はビジネス寓話シリーズ
「狼と子羊」
をお送りいたしました。