【マネジメントクイズ】メンバーに作業を依頼する際、最もやってはいけない方法は?

2023.02.27

齋藤英人
レゾンデートル株式会社 代表取締役
『行動創造理論』第一人者
自らが開発した「行動創造理論」を活用し企業研修、公開講座、ビジネス講演など年間100回以上登壇をしており、大手企業や成長企業を中心に営業力向上と売上拡大に力を注いでいる

作業を依頼するときの最適な方法が意外だった!?

 

 

今日は
「作業する人を選ぶ最適な方法」
というテーマに触れてみたいと思います。

 

 

<index>

①難しくはないが面倒な作業「あなたならどのメンバーにやらせる?」

②作業内容ではなく、作業をする人の選び方でモチベーションが変わる!?

③もっとも悪いマネジメントの選択をしていませんか?

 

 

■難しくはないが面倒な作業「あなたならどのメンバーにやらせる?」

 

 

あなたがマネージャーだとして
「ある作業を誰かに任せる」
とした際にどのように選ぶでしょうか?

 

 

作業はそれほど高度なものではありません。

あなたの組織のメンバーであれば、誰もができる内容です。

ただすごく簡単というわけでもなく、少し面倒な作業です。

 

 

暇そうな人に頼む

忙しそうだけで優秀な人に頼む

たまたま前を通りかかった人に頼む

くじ引きで決める

自主性に任せる

メンバー同士に選ばせる

 

 

作業を頼む際の選び方は、人それぞれでしょう。

では、最適な選出方法はあるのでしょうか?

 

 

実はとある実験が示唆をした結果を導きました。

 

 

■作業内容ではなく、作業をする人の選び方でモチベーションが変わる!?

 

 

デューク大学の社会心理学者
「マーク・R・リアリー」
のチームの実験です。

 

 

実験の参加者を2つのチームに分けます。

 

 

Aチーム「グループで作業をするチーム」

Bチーム「一人で作業をするチーム」

 

 

さらにそれぞれのチームを半数に分け
「別のメッセージ」
を伝えてから作業をしてもらいます。

 

 

「グループで作業をするAチーム」
には、それぞれ下記のように伝えます。

 

 

A-1「一人で作業するか、グループで作業するかはくじ引きで決めました。」

A-2「ほかのメンバーが、作業をする人にあなたを選びました」

 

 

「一人で作業をするBチーム」
には、それぞれ下記のように伝えます。

 

 

B-1「一人で作業するか、グループで作業するかはくじ引きで決めました。」

B-2「残念ながら他の人に拒否されました、だから一人で作業をしてください」

 

 

作業終了後に
「自己評価」
について診断を行いました。

 

 

さて、作業の割り当ての方法で自己評価に変化は見られたのでしょうか?

 

 

A-1 自己評価に変化なし

A-2 自己評価が少し上がる

B-1 自己評価に変化なし

B-2 自己評価が大きく下がった

 

 

くじ引きで決まった際は、自己評価に変化はありません。

他人が介入した場合に自己評価に変化が生まれました。

 

 

人のモチベーションは
「運や機械によっては変わらない」
ということです。

 

 

しかし
「他人の介入」
ではモチベーションに変化が生じるということです。

 

 

さて、この実験結果を見て改めてお伺いします。

 

 

あなたがマネージャーだとして
「ある作業を誰かに任せる」
とした際にどのように選ぶでしょうか?

 

 

■もっとも悪いマネジメントの選択をしていませんか?

 

 

さて、実験結果のどこに着目すべきでしょうか?

 

 

着目すべき点は2点です。

 

 

1 くじ引きではモチベーションは変わらない

2 他人が介入するとモチベーションに変化が生じる

 

 

もしあなたが
「2番」
に着目したとしたら間違いです。

 

 

なぜ間違いかというと
「変化の幅を考えるとリスクしかない」
からです。

 

 

想像してみてください。

 

 

もしあなたが
「この作業を頼めるのは君しかいないんだよね」
と伝えた時のことです。

 

 

実験のA-2ともB-2ともとれるニュアンスがあります。

もしB-2のニュアンスでとられた場合、メンバーの士気は大きく下がります。

 

 

誰でもできる面倒な作業は
「雑用」
でしかありません。

 

 

「ほかの誰でもなく自分が選ばれた!」
とポジティブに感じる人は皆無でしょう。

 

 

ポジティブに感じないのであれば
「くじ引きで変化を起こさせない」
というのがマネジメントです。

 

 

選ぶ側は簡単ですが
「選ばれた側の心の変化は大きい」
という点を知っておくべきです。

 

 

多くの人が実験結果を着目する際に
「選び方でモチベーションが変わる」
という点を選びます。

 

 

最大の理由は
「B-2の場合、モチベーションを大きく下げる」
と記述されているからです。

 

 

人の脳のメカニズムで
「悪い情報にはすぐに気づく」
というものがあります。

 

 

人がもともと備えている防衛本能からくるものです。

仕事を割り振られた人も一緒です。

 

 

脳が悪い情報に着目するため
「ほかの人に断られたからだ」「雑用を押し付けられた」
と脳が無意識に判断を行います。

 

 

マネジメントのアプローチでは
「マイナスと無駄を省く」
ことも重要です。

 

 

くじ引きで割り当てを決めるというのは、一見バカげた行為に見えるかもしれませんが、重要なマネジメントの技術です。

 

 

脳のメカニズムを先回りすることが
「仕事のパフォーマンス」
においては重要なことです。

 

 

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今日は「作業する人を選ぶ最適な方法」というテーマに触れてみました。

 

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