今日はシリーズ
「ショッピングの科学」
をお送りいたします。
第7回のテーマは
「看板」
です。
①コンサルタント度チェック「何と答える?」
②2~3秒の違いを見極めていますか?
③靴屋の女性に届ける最適なメッセージとは
コンサルタント度をチェックしましょう。
あなたがコンサルタントだったらどう答えますか?
空調の効いた快適な会議室です。
マーケティング担当の幹部から
「これはどう思いますか?」
と聞かれました。
チェーン500店舗に配布する
「ポスター」
について意見を求められています。
高価な紙に美しく印刷されています。
プロの手による精巧なデザインです。
それを完璧な照明が当てられ、
最適な距離で見ています。
素晴らしい出来に見えます。
さてコンサルタントのあなたは、何と答えますか?
正解は
「わからない」
です。
それ以外はすべて間違った答えでしょう。
お客様のすべてが
「今と同じ条件で見る」
というなら素晴らしいと答えることができます。
しかしお店において
「お客様がじっとしている時間はほとんどない」
と言えるでしょう。
牛肉と豚肉どっちにしようか
安い靴下はないか
早く動きそうな列はどれだ
といろいろと
「情報収集と思案」
を繰り返しているはずです。
とてもじゃないですが
「掲示板やポスター」
を見る余裕はほとんどないでしょう。
会議室においては
「グラフィックデザイナーにとって理想の環境」
となるでしょう。
しかし
「目的はお店で活躍すること」
です。
ですから評価するには
「お店に置く」
しかないということです。
そこで
どれだけ見られているか
どれだけちゃんと読んでもらえるか
を判断しなければなりません。
この差は
「わずか2~3秒」
です。
それを見極めることが重要です。
こんな調査データがあります。
入り口などに設置されているポスターは
「2秒で読めるものでなければならない」
ということです。
ちなみに
「あなたは1秒半でいくつの単語を読めますか?」
それを確認すれば
「ポスターに使う単語の数」
は容易に想定できるでしょう。
「全員が通過するから」
という理由で入口に案内を置くお店は多いと思います。
しかし
「ほとんど無視」
されていると思っても良いかもしれません。
お客様が入店して
「どこに向かうのか」
「どこでスピードを緩めるのか」
「どこでとどまるのか」
を分析したことはあるでしょうか?
移動をしているときに
「メッセージは読まれない」
という大前提を忘れてはいけません。
またとどまるところでも
「メッセージの内容」
は重要です。
例えばわかりやすい例で考えてみましょう。
「靴コーナー」
のお客さんには
いつ
どんな
メッセージが有効でしょうか?
一番時間ができるのは
「お客様が靴を選んで、最適なサイズを探しているとき」
です。
このときに届けるメッセージは
「新商品の靴」
で正しいでしょうか?
もう靴を選んだので
「ほかの情報を届けることが効果的」
ではないでしょうか?
「他の売り場の情報」
を渡すのが一番良いかもしれません。
「靴」
の買い物を終えたお客様に、靴の情報は不必要です。
ブランド力や広告効果の低下により
「購入の決定が店内で行われることが増えた」
というのが今のショッピングの事実です。
このことからも
「店内の看板」
の役割は非常に重要です。
しかし
「工夫をせずに従来と同じ」
やり方を継続しているお店がどれだけ多いでしょうか?
お客さんの
「動線」
に合わせてメッセージを出すことが不可欠です。
とは言え
「人手不足」
の中で調査することができない企業も多いでしょう。
今はテクノロジーで
「すべてカバー」
ができるようになっています。
来店数
購入者数
動線
ポスターへの関心
年齢
性別
1万円程度のカメラを付ければ情報が収集できます。
「PDCAサイクル」
前に必要なのは
「情報(i)」
です。
「iPDCA」を回すことが重要です。
今日はショッピングの科学
「看板」
をお送りいたしました。